個人再生 [公開日][更新日]

個人再生した場合、いつからローンが組めるのか

個人再生や自己破産などの債務整理をした場合、一定期間の間は新たに自動車ローンを組むことができません。
債務整理をすることで「ブラックリスト状態」となるからです。

では、個人再生後、一体どれくらい経てば、自動車や住宅などのローンが組めるようになるのでしょうか?

この記事では、個人再生をして、残務完済後に自動車ローンを組むことができる時期や、自動車ローンを組む流れ・ポイントも解説していきます。

1.個人再生で自動車を残せるか

個人再生は借金を大幅に減額できる手続きで、基本的に財産は処分されません。

しかし、自動車については、ローンの返済状況、所有権などによって扱いが変わります。

(1) ローンを完済している場合

ローンを完済している場合は、自分の財産なので車を手放す必要はありません。

しかし、高級車などの場合には、後述の「清算価値保証の原則」に抵触する可能性があります。

(2) ローンが残っている場合

ローンが残っている場合は、所有権の有無で車を残せるかどうかが変わります。

①ローン会社に所有権が残っている場合

所有権がローン会社にある場合(自動車のローンを払い終えていない、所有権留保の場合)は、車は引き上げられます

②債務者に所有権がある場合

債務者本人に所有権がある場合は、車は引き上げられません。

ただし、高額な車を所有している人が個人再生する場合は、「清算価値保証の原則」により、個人再生手続き後の残務の返済額も大きくなります

清算価値保証とは、自己破産によって得られる配当金と同額以上の弁済を保証する制度です。

自己破産をすると直ちに財産は処分・換価され、債権者に配当されます。それに対し、個人再生は財産を残すことが可能で、借金返済も3~5年かけて行うことになります。

言ってみれば、個人再生を認めること=債務者にチャンスを与えることになるので、債権者は自己破産による配当よりも多くの弁済額を得るべきと考えられます。

そのため、高額な財産を持っている人は、借金の減額も少なくなるという訳です。

2.いつになったら自動車ローンを組めるのか

個人再生をすると、一定期間はローンを組むことはできなくなります。
なぜなら、個人再生をすることで「ブラックリスト」状態になるからです。

ブラックリスト状態とは、個人信用情報に事故情報が記載されることを言い、これによってお金を借りることができなくなります。

そして、事故情報の登録期間は信用情報機関ごとに異なります。
ローン会社や銀行が審査の際に照会する機関とそれぞれの登録年数は以下の通りです。

CIC:5年(クレジットカード会社、携帯電話会社などが加盟)
JICC:5年(貸金業者、保証会社などが加盟)
KSC(全銀協):10年(銀行、信金、農協、労金などが加盟)

3.自動車ローンが組めるようになるまでの流れ

ブラックリスト状態から解放された場合であっても、すぐにローンが組めるわけではありません。

ここからは、自動車ローンを組むことができるまでの流れを解説します。

(1) 信用情報機関への開示請求をする

まずは、ブラックリスト状態が解消されているかどうか確認する必要があります。そのため、信用情報機関へ開示請求しましょう。

信用情報機関の開示請求は、所定の開示申込書に必要事項を記入し、身分証明書とともに指定の宛先に郵送します。機関によっては窓口で手続きを行うこともあります。

手続きに関する費用はいずれも1,000円程度。定額小為替を同封して支払を行います。

(2) 登録が残っている場合

CIC、JICCに照会後、個人再生から5年経過しているのに情報が残っていた場合は、当該の信用情報機関に修正請求をしましょう。

登録内容が事実でない場合は、修正、削除を求めることが可能です。

また、情報開示から一定の期間内であれば再調査をしてもらうこともできます。

(3) クレジットヒストリーを作る

信用情報から事故情報が消えていたら、早速ローンを組みたいところですが、その前にクレジットヒストリーを作りましょう。

なぜなら、この現段階では、過去の金融事故により信用情報機関にクレジット履歴が残っていない「ホワイト」の状態にあるためです。

ブラック入りすると審査には通りませんが、ホワイトもまた信用度は低いので、何らかの形で支払の実績を作る必要があるのです。

そこでおすすめなのが、 携帯電話を割賦購入(6カ月以上)する方法です。

クレジットヒストリーはカードだけでなく、携帯電話を分割払いで購入して、期日通りに支払いをすることでも作れます。

これは最も手軽な方法なので、クレジットカードの審査に通るのが不安な人にもおすすめです。

(4) 自動車ローンへ申込

クレジットヒストリーができたら、いよいよ自動車ローンの申込です。

申込に際しては以下の点に注意をしましょう。

4.ローンを組む際の注意点

ローンを組む注意点はどのようなものがあるでしょうか。

(1) ノンバンク系のローンを使う

個人再生から5年しか経過していない場合は、ノンバンク系のローンを使いましょう。

なぜなら、KSC(全銀協)の信用情報登録期間は10年なので、この段階でまだ事故情報が残っており、基本的に借り入れができないからです。

(2) 個人再生の際の関連会社は避ける

また、個人再生の際の債権者、またその関連会社は避けるようにしましょう。

事故情報が消えても、過去に自社で債務整理をした人には貸さないという社内ルールを設けている会社もあるからです。

基本的に、審査にパスしない可能性がある場合は、申込をしないのが無難です。なぜなら、審査に落ちるとその情報も信用情報機関に残るからです。

(3) 申込ブラックにならないようにする

また、それなら他社で借りようと、短い期間にローンの申込み何度もすると、申込ブラックと言われる状態になります。

特に数か月の間に3社以上のローン申込をすると、お金を借りるのに必死な人と判断され、審査に通りにくくなるのです。

申込ブラックの登録機関は6ヶ月~1年ほどで、その間は、ローンが借りられなくなる可能性が高くなります。

最近は本審査に入る前に、個人を特定しないで行える仮審査制度を導入している会社も多いので、心配なときは事前に借り入れ可能かチェックするのもおすすめです。

5.時間の余裕がない場合

ここまで説明した通り、個人再生後に自動車ローンを組むには、最低でも5年+クレジットヒストリーを作る期間(最低6か月)が必要です。

しかし、今すぐ車が必要で、そこまで時間をかけられない!という場合は、以下の3つの方法を検討してみましょう。

(1) 配偶者名義でのローン

本人の事故情報が存在していてローンが組めない場合は、配偶者名義でローンを組むことも検討しましょう。

配偶者名義でローンを組む場合、配偶者に一定の勤続年数や収入等条件が求められます。それらがクリアできれば、5年もかけずにローンを組むことも可能です。

(2) 一括購入

ローンを組めない場合は一括購入もおすすめです。

手持ちのお金が少ない場合は、身の丈にあった額の車を購入するなどして、ローンを組まなくても切り抜けられる方法を考えましょう。

(3) 人からの譲渡

ローンも組めない、一括購入するお金もない、という場合は人から譲渡してもらうことも選択肢に入れることをおすすめします。下取りしても価格のつかない車であれば、譲っても良いという人もいます。

また、譲渡とまではいかずとも、非常に安い値段で売り出している車もあるので、ローンが組めるようになるまで、そうした車で一時しのぎするのも賢明な選択です。

6.まとめ

このように、個人再生をしても、一定期間が経過すれば、ローンを組むことは可能ですのでご安心ください。
ブラックリスト入りを恐れず、借金が膨らむ前に出来るだけ早く弁護士にご相談することをお勧めします。

個人再生を始めとした債務整理は、泉総合法律事務所の弁護士にぜひご相談ください。

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