個人再生 [公開日]2020年9月11日[更新日]2021年9月27日

個人再生完了までの期間と流れ

個人再生は裁判所に申立てをして行う債務整理です。

成功すれば借金を5分の1〜10分の1程度にまで減額することができ、減額された借金は、その後原則3年程度かけて返済していく形になります。

メリットの大きな個人再生ですが、「裁判所で行う」という部分に不安を抱える人もいるかもしれません。
「裁判所で行うこと=手続きに時間がかかる」というイメージを持っている人も多いはずです。

実際のところ、個人再生にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
この記事では、個人再生の手続きにかかる期間を、手続きの流れに沿った形でご説明します。

1.個人再生の流れ

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、申立人がどちらの手続きで行うか希望することが可能です。

どちらの手続きであっても、申立てから終結までの期間は半年程度となることが多いです。

手続きの大まかな流れは以下のようになります。
(※裁判所によって異なる部分も多いので、詳しくは地域の弁護士に確認してください。)

  1. 弁護士に依頼・申立ての準備
  2. 裁判所へ申立て
  3. 個人再生委員の選任
  4. 個人再生委員と面接
  5. 履行テスト(積立トレーニング)の開始
  6. 個人再生の開始決定
  7. 債権の確認
  8. 再生計画案の提出
  9. 再生計画案に関する書面決議(小規模個人再生の場合)
  10. 再生計画の認可決定

給与所得者等再生では、「再生計画案に関する書面決議」がなくなります。
ここでいう書面決議とは、再生計画案に債権者が反対しないかどうかを書面で確認する手続きです。

小規模個人再生では、反対する債権者が債権者総数の半数に満たず、かつ、反対者の持つ債権額が債権総額の2分の1を超えてはならないという決まりがあります。
給与所得者等再生にはそういったルールがなく、債権者の意見を聴取すれば良いことになっています。

【個人再生委員が選任されない場合】
裁判所によっては、弁護士を代理人として申し立てした場合に、原則として個人再生の監督をする「個人再生委員」を選任しない運用をしているところもあります(東京地方裁判所では、原則全ての事件で個人再生委員が選任されます)。
この場合、申立てから3~4ヶ月程度で認可決定になるケースが多いようです。
参考:個人再生委員の役割|つく場合とつかない場合の違い

2.各ステップにかかる期間の目安

ここからは、それぞれの手続きのステップでかかる期間をご説明します。

(1) 弁護士に依頼・申立ての準備(1ヶ月~)

こちらはケースによってかなり異なります。

必要な書類や取り寄せる書類が多いなど、すぐに準備できない場合は時間がかかるでしょう。
弁護士に依頼しても、申立てまで1ヶ月以上はかかると考えてください。

個人再生にかかる費用の積立も考慮すると、半年以上かかる方がいらっしゃるかもしれません。
(個人再生などの債務整理を弁護士に依頼すると、債権者への支払いもストップするため、弁護士費用を一括でご用意できない場合は、そこから個人再生費用を分割で積立てることになります。)

(2) 裁判所へ申立て

裁判所に申立てを行うと、通常すぐに個人再生委員が選任されます。
その後、個人再生委員と最初の面談が行われます(申立て後1~2週間)。

面談の内容は予め自分の弁護士に確認しておき、受け答えなどを考えておきましょう。

選任しない裁判所の場合は、「個人再生の開始決定」のステップへ進みます。

(3) 個人再生の開始決定(申立ての約1ヶ月後)

申立ての書類や個人再生委員との面談に問題がない場合、無事に個人再生の開始決定が行われます。

(4) 債権の確認(手順ごとに期間は異なる)

個人再生をするためには、債権(借金)の額について債権者と争いがないようにしなければなりません。
債権(債務)の額を確定させなければ、減額させる基準となる額が確定できないからです。

このステップは以下の手順で行われます。

1.債権届出の提出(申立て後約8週間が期限)

裁判所が債権者に「この人が個人再生の申立てをしていますが、債権額に間違いないですか?」と書面で問い合わせを行います。

それを受けて、債権者が自分の債権額を裁判所に届け出します。

2.債権認否一覧の提出(申立て後約10週間が期限)

債権者の届け出を受けて、再生債務者が「この金額で間違いありません」「これは間違っています」などを書面化して裁判所に提出します。

3.異議申述の提出(申立て後約12~13週間が期限)

債権者が届け出た債権額に対して、再生債務者に異議がある場合、債権認否とは別に「異議申述書」を裁判所に提出します。

4.評価申立の提出(申立て後約15~16週間が期限)

再生債務者と債権者との間で債権額等に対する争いがある場合、債権者が「評価申立」というものを裁判所に行います。

評価申立を受けた裁判所は、争いのある債権について調査を行い、最終的な債権額を決定します。

(5) 再生計画案の提出(申立て後約14~18週間)

債権額が確定した後、減額された債務を毎月どれくらいずつ返済していくのかなどを記した「再生計画案」を、再生債務者側(申立人)が裁判所に提出します。

収入などを考慮して現実的に実現可能な計画である必要があるので、弁護士と相談しながら再生計画案を作成することになります。

(6) 書面決議または意見聴取(申立て後約20~22週間)

小規模個人再生の場合、提出された再生計画案に対して債権者が同意・不同意の意思を書面で表明します。

前述の通り、不同意が多い場合は小規模個人再生に失敗してしまいます。
給与所得者等再生の場合は、債権者からの意見聴取に留まります。

(7) 再生計画の認可決定(申立てから約24週間)

最終的に裁判所が再生計画の認可や不認可を決定します。

認可決定後2週間程度で官報にその旨が公告され、そこからさらに2週間程度待ち、その間に債権者から不服申立てがなければ再生計画が確定します。

無事確定された場合、その翌月以降から新しい返済期間がスタートします。

3.履行テストの期間

手続きにかかる全体の期間はお分かりいただけたと思います。
なお、個人再生に際し、多くの裁判所では、通称「履行テスト」や「トレーニング期間」などと言われる制度が実施されており、これをクリアする必要があります。

個人再生は、減額後の債務を毎月返済することが前提の手続きです。
再生計画を立てても返済できないのであれば意味がないため、返済能力があるかを試すために予行演習を行うのが「履行テスト」の目的です。

例えば個人再生後の返済額が月々3万円程度と見込まれる場合、それと同額を個人再生委員が開設した口座等に毎月振り込みます。

毎月問題なく振り込むことができれば、返済能力に問題なしとされて履行テストはクリアとなります。
反対に、履行テストに失敗すると、再生計画案は不認可となってしまいます。

運用は裁判所ごとに違いますが、早いところだと個人再生の申立て後1週間程度で最初の振り込み日が到来し、その後6ヶ月程度継続されます。

期日通り振り込まないと個人再生の手続きが進まないため、忘れずに振り込んでください。

振り込んだお金は個人再生委員の報酬などが差し引かれ、後日返還されます。

[参考記事]

個人再生の履行テストとは?

4.個人再生の完了を早めたいなら弁護士へ!

ときに半年以上かかる個人再生ですが、短期間で終えるためには弁護士に依頼するのが最良の方法です。

個人再生には必要な書類が多く、手続きも複雑です。
書類に不備があると補正に時間がかかってしまうため、知識ある弁護士に正確な書類を作ってもらい、手続きを代行してもらいましょう。

裁判所内の手続きを早めることは基本的にできないので、書類集めや書類作成の時間を短くするのが最も効率的です。

クレジットカードや各種ローンの支払い、消費者金融での借金などで苦しんでいる方は、ぜひ一度泉総合法律事務所の弁護士までご相談ください。

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