個人再生 [公開日][更新日]

個人再生の開始決定後に気をつけるべきこととは?

借金で首が回らなくなった結果、個人再生を申し立てたとします。
無事に個人再生の開始決定がされた場合、ひとまずはホッとするかもしれません。

しかし、手続は始まったばかりです。再生計画の認可決定までの道のりはまだまだ遠いことを自覚しなければなりません。

では、個人再生開始決定から認可決定まではどのようなことに気をつけて過ごさなければいけないのでしょうか?

ここでは、再生計画の認可決定までに行ってはいけないことや、注意が必要なことを紹介していきます。

個人再生開始後の生活について、何をすべきで何をすべきでないかを知るために、ぜひ熟読をお願いいたします。

1.個人再生開始決定の効果

まず、個人再生が開始されると、それだけでいくつかの恩恵を受けられます。
生活するうえで大切なこともあるので、是非覚えておきましょう。

(1) 訴訟や差し押さえに関して

個人再生開始決定があった後でも、既に提起された訴訟が中断することはありません。
しかし、既に進行している差し押さえ等の強制執行は、個人再生開始決定が下れば中止されます。簡単に言えば、差し押さえ等が解除されるのです。

申立人としては安心できる要素なのですが、実は自動的に差し押さえ等が終わるわけではありません。
個人再生開始決定があった事実は、強制執行を認めた裁判所(「執行裁判所」と言います)には伝わらないのです。

執行裁判所に個人再生開始決定があったことを伝えるには、「執行停止の申し立て」を行わなければなりません。

個人再生開始決定をしてくれた裁判所から受け取った「個人再生手続開始決定書」を添付して執行裁判所に申し立てを行えば、執行裁判所が強制執行を解除してくれます。

(2) 開始決定後の利息に関して

個人再生開始決定から認可決定までは数ヶ月、場合によってはさらに長くかかる可能性があります。

ここで問題となるのは利息です。認可決定までの期間が長ければそれだけ多くの利息が発生してしまいます。その点を気にする人もいるでしょう。

しかし実際には、個人再生開始決定後は利息が免除されることになっています。それ以上の利息が発生しなくなるのです。

利息が増えることを気にしないで生活できるようになるのは、個人再生開始決定によって得られるメリットの1つと言えるでしょう。

2.開始決定後に行うこと

個人再生開始決定を受けるまでに行うことは多いのですが、受けた後でもやるべきことはあります。

(1) 再生計画案の作成

再生計画案とは、平たく言えば返済計画です。
個人再生の認可によって減額してもらった借金を、毎月どのくらい返済していくのかを計画します。

自分の収入に合わせて無理のない額を設定しなければなりませんし、原則3年で返済しなければならないことにも注意しながら計画を練らなければなりません。

個人再生の鍵となるのが、この再生計画の作成です。弁護士と協議しながら進めていきましょう。

[参考記事]

個人再生の最低弁済額|個人再生後の返済額はいくらになるの?

(2) 通帳や家計簿の提出

個人再生の申立て時に通帳や家計簿を提出していると思いますが、開始決定後に追加提出を求められることがあります。

ここで虚偽または不審な点があると個人再生手続に悪い影響が発生するおそれがあるので、誠実かつ正直に命じられた書類を提出してください。

(3) 債権譲渡通知の対処

債権者から「債権譲渡通知」というものが送られてくることがあります。
これは、債権者が別の人に変わったことを知らせる通知です。知らない人もいるかもしれませんが、債権は債務者の同意がなくても他の人に譲り渡すことができるのです。

個人再生申立て後に債権譲渡通知が届いた場合には、代理人弁護士に連絡しましょう。

債権譲渡については以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

「債権譲渡通知書」が届いた!どのように対処すれば良い?

3.生活を送るうえで気をつけるべきこと

次に、個人再生開始決定後の生活で気をつけるべきことを解説します。

(1) 偏頗弁済をしない

偏頗弁済とは「特定の債権者にのみ有利になるような弁済」です。えこひいきと捉えられるような弁済行為と考えていいでしょう。

例えば「この人には恩がある。この人の借金を踏み倒すと迷惑になるから、この借金だけは返しておこう」と思って借金を返すなどの支払いをした場合、それが偏頗弁済とみなされるおそれがあります。

これを行うと個人再生に失敗する可能性もあるので、絶対に行わないでください。

(2) ギャンブルや借金をしない

個人再生を申立てているにも関わらずギャンブルをしたり借金をしたりすると、申立人本人に経済的更生を図る気がないと判断されてしまうことがあります。

個人再生手続に大きな悪影響を及ぼすことが考えられるので、ギャンブルや借金は行わないようにしましょう。

(3) 弁護士や裁判所からの指示を無視しない

個人再生は複雑な手続であり、自分では万全を期していると思ってもどこかに不備がある可能性があります。

そういった場合は裁判所や弁護士から不備を修正するよう求められることがありますが、こういった指示に従わない、あるいは連絡を無視したりしてはいけません。

個人再生手続が滞ることもさることながら、裁判所に心証も悪くなり、最悪の場合再生計画の認可が受けられない可能性もでてきます。

弁護士や裁判所からの指示には迅速かつ誠実に対応してください。

4.個人再生をするときは弁護士にご相談ください

個人再生の注意点は数多く、しなければならないことも個々のケースによって異なります。

弁護士に相談すれば実際に何をすべきか具体的に教えてくれますし、手続も迅速に行なってくれるのでおすすめです。
個人再生は手続そのものも非常に複雑であり、弁護士なしでは個人再生をすることも難しいです。

個人再生をする場合は、事前に弁護士と相談するようにしましょう。

泉総合法律事務所では、これまでに数々の債務整理を行ってきました。
債務整理の相談は何度でも無料になっておりますので、お気軽にご相談ください。

[参考記事]

個人再生における再生計画認可決定後の流れとは?気をつけるべき注意点

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