個人再生 [公開日]2018年3月2日[更新日]2020年9月30日

個人再生における「債権者一覧表」の異議の留保とは?

個人再生手続を裁判所に申立する際には「債権者一覧表」というものが必要となります。

債権者一覧表には、債権者(お金を貸した側)の名前や、その債権額などを記載します(債権者ごとに債務額を記載します)。

この債権者一覧表は、申立後、裁判所から各債権者に通知されます。

さて、この債権者一覧表に「異議の留保」という記載を見つけて「これは何だろう?」「チェックしなければならないの?」と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

実は、この債権者一覧表にある「異議の留保」について、チェックをしておかないと(あるいは「有」にしておかないと)、個人再生手続上で大きな不利益を被る可能性があります。

この記事では、個人再生の異議の留保について解説します。

1.「異議の留保」の意味

個人再生を弁護士に依頼し、必要な書類の収集にも尽力し、ようやく裁判所への申立まで漕ぎ着けることができたとします。
しかし、個人再生の場合、当然ながら申立で終わりというわけではありません。

申立書は、いわば「債務者側の主張」をまとめた書面ですから、債権者側から反論がされる可能性があります。
特に、「債務額(借金の金額)」については、債権者と債務者の見解に食い違いが生じる可能性が0ではないでしょう。

仮に争いが生じたケース、例えば「記載された債務額が違う」と考える債権者がいた場合には、債権者が裁判所に「再生債権届出」をすることになります。
債権者が把握している債権額が実際はいくらであるかを、裁判所に書面で提出するわけです。

債権者から再生債権届出があると、裁判所は債務者にその旨を通知します。

この債権者から出された届出額に対して、やはり債務者が「金額が違う」と考えた場合、今度は債務者が裁判所に異議を申立てることになります。

ここで異議を申立てるためには、最初に提出する債権者一覧表の中で「異議の留保」にチェックを入れておくことが前提になるのです。

つまり、異議の留保をしないと、債権者の主張する金額に対して反論できなくなってしまうということなのです。

債務者から出された異議に対して、債権者がそれでも「金額が違う」と考える場合には、裁判所に判断を委ねる手続に入ることになります。
この手続のことを「評価申立」と言います。

評価申立がされると、裁判所が債権額を調査することになり、その調査を踏まえて、裁判所が再生手続内での債務額を確定することになります。

2.債務額の食い違いが生じるケースとは

債権者・債務者の見解に相違がある場合、債権確定までの道のりは長く・複雑な処理が必要に感じるかもしれません。

しかし、債権者・債務者の間で特に金額の相違がなければ複雑な処理は特別必要ではありません。実際、債権額に争いが生じるケースはそれ程多くはありません。

そもそも、債務者が最初に提出する債権者一覧表に記載する債務額も、多くの場合は債権者から提出を受けた取引履歴などを参考にしています。

特段の事情がなければ、債務者が債権者の取引履歴などを否定することは滅多にないのです。

とはいえ、過払い金がある場合に「引き直し計算」を行うケースでは、この計算方法が債権者と債務者で一致しないことがあり、その結果、債務残高にもズレが生じてしまうことがあります。

3.まとめ

過払い金に関する平成18年最高裁判例が出されて、既に10年以上が経過していることから、過払い金の時効が成立することが多くなっていることにより、引き直し計算が必要となる場面は減りました。それでもまだ引き直し計算で見解の相違が生じることもあります。
また、引き直し計算以外の場面でも債務残額に関するトラブルが生じることもあります。

この対応が不十分な場合、再生計画認可後に支払いをしなければならない金額が当初予定よりも増えてしまうこともあります。

そういったリスクを避けるためにも、弁護士などの専門家としっかりと協議して債権者一覧表を作成し、個人再生手続を進めていくことをおすすめします。

泉総合法律事務所では、個人再生手続による借金問題解決の実績が豊富にあります。さまざまなケースの中で培った経験則をもとに、ご相談者様のお悩みを解決いたします。
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