過払い返還請求でブラックリストに登録される?登録されない場合は?

過払い金返還請求

過払い返還請求でブラックリストに登録される?登録されない場合は?

過払い金返還請求を行うとブラックリストに登録されていると言われることがありますが、その話は本当なのでしょうか。

ブラックリストに載るとクレジットカードも使えなくなり、ローンを組むこともできません。そうなったら困るので、それを理由に過払い金を諦める人もいるようです。

しかし、実際には過払い金請求でブラックリストに載らないケースもあります。今回は、過払い金請求でブラックリストに登録されたくない場合、どうすればよいのかを解説します。

1.過払い金返還請求とは

過払い金は貸金業者に払い過ぎた利息のことで、返還請求はそのお金を取り戻す手続のことです。

現在では、消費者金融やクレジットカード会社がお金を貸す際に、利息制限法で決められている以上の利息をとることはありません。しかし、以前は、いわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれる利息を適用して、消費者から高額の金利をとっていました。

グレーゾーン金利は、利息制限法の上限金利(15~20%)を超えるものの、出資法の上限金利(29.2%)を超えない、まさに「灰色の金利」で、適用しても刑事罰は課されなかったのです。

しかし、2006年に貸金業法の改正が決まり、出資法の上限金利が利息制限法の上限まで引き下げられることが決定しました。これにより、過去にグレーゾーン金利で払い過ぎた利息についても、取り戻すことができるようになったのです。

2007年以降、払い過ぎた利息の返還を求める「過払い金請求」は盛んに行われています。過払い金請求は消費者にとってメリットの大きい手続ですが、場合によってはブラックリストに載ることもあるので注意が必要です。

2.ブラックリストとは

ブラックリストは信用情報機関の事故情報のことです。現在、信用情報機関は日本信用情報機構、CIC(シーアイシー)、全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。

信用情報は、クレジットカードを作ったり、ローンを組む時にその人の返済能力を判断したりするために必要で、内容は過去の取引状況が登録されています。

信用情報機関に事故情報が載るのは、返済を延滞したり、債務整理を行ったりしたときです。ブラックリストに載ると5~7年ほどは新たな借入ができなくなり、クレジットカードも作れなくなるので、社会生活に与える影響は非常に大きくなります。

・過去には過払い金請求でブラックリスト入り

グレーゾーン金利が撤廃され、過払い金請求ができるようになってからも、問題は完全に解決はしませんでした。というのも、過払い金請求をすると「事故」や「債務整理」として登録され、ブラックリスト入りを余儀なくされていたのです。

そうしたことが問題視されたあとも、過払い金請求をすると「契約見直し=コード71」として登録され、新規の借入審査には影響を与えていたのです。

お金は返ってきても、ブラックリスト入りするのは一大事です。そのため、過払い金請求をしたくてもコード71の情報が登録されることを恐れて、手続をためらう人も少なくありませんでした。

3.2010年に廃止された「契約見直し」情報の登録

こうした状況を改善するために、2010年1月に金融庁から「過払い金請求は個人情報に当たらない」という見解が出され、同年4月19日以降には、完済した借金については、過払い金請求をしてもブラックリストに登録されないことになりました

過去の過払い金返還請求は、個人の支払い能力とは直接的な関係がないと判断されたのです。
これにより、過去の過払い金返還請求の情報についても削除され、信用情報に影響しないことになりました。

しかし、中にはブラックリストに登録されてしまうケースもあるので、手続の際には注意が必要です。

4.ブラックリストに登録されてしまうケース

過払い金返還請求については、契約見直し情報の廃止によって、信用情報機関に事故情報として登録はされません。しかし以下の2つのケースではブラックリストに登録されます。

(1) 過払いにはなっていなかった

過払い金を請求したときに、引き直し計算をした結果、債務は減少したものの債務が残った場合には、債務整理扱いとなりブラックリスト入りします。

この場合は「債務整理=コード32」として、5年間信用情報機関に情報が残り、以後の新たな借入はできなくなります。

(2)一時的に信用情報機関に登録される

過払い金請求の際に、完済をしていない状態で手続をすると、引き直し計算の結果、過払いになっていたとしても、一時的に「債務整理=コード32」として登録されブラックリスト入りします。

というのも、借金が残っている状態で過払い金請求をすると、任意整理と同じ扱いになるため債務整理情報が登録されます。

しかし、過払い金返還請求の手続が終わり、債務がなくなり、過払い金が返還されると「完済」情報となり「債務整理」情報は抹消されます。

ただし、債務が残っている状態で、過払い金請求をすると必ず「債務整理=コード32」がつくという訳ではなく、実際には会社によって対応が異なります。

また、一時的であっても債務整理情報がついている間は、新たに借入をしたり、クレジットカードを作ったり、ローンの申し込みなどはできないので、手続のタイミングには注意してください。

5.ブラックリストに載らないためには

過払い金請求でブラックリストに載らないためには、完済の状態で過払い請求をすれば、債務が残ることはないので、ブラックになることはありません。

しかし、注意をして欲しいのは、完済したと思っていても、実際には完済していないというケースです。たとえばキャッシングについては完済したけれど、ショッピングの支払いは残っているという場合は、債務が残っている状態での請求とみなされます。

また、消費者金融の会社合併にも注意が必要です。貸金業法・出資法の改正以来、過払い金請求による経営悪化の影響で、貸金業者が倒産や吸収合併されるケースが相次ぎました。

業者が他社と合併しても過払い金の請求はできます。しかし、消費者金融A社が信販会社B社を吸収合併した場合、B社の債務はA社が引き継ぐことになります。

仮にある人がA社の借金は完済しているが、B社の債務は残っているという場合、A社に対して過払い金請求をすると、B社の債務があるため、債務がある状態での請求となります。この場合、過払い金請求を行うかについて、慎重に判断した方がよいと言えます。

6.まとめ

過払い金返還請求を行なっても、ブラックリストには載らない場合もあります。特に完済をしているときにはブラックリストに載らない可能性が高いので、過払い金請求をしてもデメリットは発生しません。

しかし、完済している場合でも、ショッピングの支払いが残っていたり、会社合併で債務が残る場合もあります。そうしたケースの手続には細心の注意が必要です。

過払い金請求でブラックリストに登録されるのは嫌だ…と思っている方でも、実際にはブラックリスト入りしない可能性もあります。また、想定外の事態で登録されてしまうこともあります。

過払い金返還請求について少しでも不安がある方は、、まずは泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。ご相談者様のケースに応じた最適な解決方法をご提案させていただきます。まずはお気軽にご連絡いただけたらと思います。

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