自己破産 [公開日]2017年11月14日[更新日]2020年9月4日

自己破産をしても税金滞納は解決できない!?

返済できないほど多額の借金を背負ってしまった場合、自己破産をすれば借金を帳消しにすることができます。

しかし、自己破産をすれば無条件で全ての借金がなくなるわけではありません。
自己破産をしても解決できないタイプの借金が、少ないながらも存在します。

その代表例が「税金」です。

この記事では、自己破産をしても解決できない債務について解説していきます。
その後、「自己破産で解決できない債務をどうするべきなのか」についても言及していきます。

自己破産をお考えの方で、税金などの公租公課も滞納してしまっている方は、ぜひ本記事をお読みください。

1.自己破産で免除されない債務について

自己破産によって借金をゼロにしてもらうことを「免責」と言います。
そして、自己破産をしても免責されない債権を「非免責債権」と呼びます。

非免責債権には以下のようなものがあります。

(1) 租税や罰金等

以下の支払いを滞納している場合、滞納分は免責されません。

  • 税金(所得税、固定資産税、住民税、相続税など)
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金、過料等
  • 下水道料金

最後の下水道料金というのが異質に見えるかもしれませんが、下水道料金は「租税等」に含まれることになっています(一方、上水道料金は租税等に含まれません)。

(2) 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償

破産する人が「わざと他人を傷つけるなどして発生した損害賠償金」は免責されません。

もし免責を許してしまうと、気に食わない相手をわざと傷つけて破産をすれば、相手の損害を賠償せず損害だけを与えることが可能になってしまいます。

これでは被害者が救済を受けられないので、こういった債権は非免責債権とされているのです。

(3) 生活費・養育費・婚姻費用等

生活費は「夫婦間の相互協力扶助義務」または「親族間の扶養義務」に基づく請求権があります。
また、養育費は「子の監護義務に基づく請求権」というものが根拠となっています。

生活費や養育費の支払いを免除してしまうと、被扶養者等の生活や子の養育に重大な悪影響が発生するかもしれません。

また、婚姻費用は「夫婦間の婚姻費用分担義務に基づく請求権」が根拠であり、これが免責されると夫婦の片方のみが婚姻費用を支払ったまま、相手から弁済を受けられなくなってしまいます。

こういった事情から、これらも非免責債権とされています。

(4) 破産者が意図的に債権者名簿に記載しなかった債権

自己破産をする際は、裁判所に「債権者名簿」という書類を提出しなければなりません。

債権者名簿には、全ての借金に関する債権者の住所氏名や債権額等を記載しなければなりません。

仮に「この借金だけは返済したいから、債権者名簿に書かないでおこう」などと考えて債権者名簿に記載しなかった場合、その借金は免責されないおそれがあります。

「元々返済するつもりだったのだから、免責されなくても問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、故意に債権者名簿に債権者を記載しなかった場合、裁判所が破産者の借金の全てを免責せず、自己破産そのものが失敗することになりかねません。
債権者名簿には正確に記載してください。

(5) 従業員へ支払う給与や源泉徴収した預り金等

個人事業主の場合、従業員への給料や従業員から預かっているお金については免責されません。

2.税金の滞納を続けるデメリット

ここからは税金の滞納にフォーカスを当てていきます。
税金の滞納を続けるとどうなるのでしょうか?

税金を滞納すると延滞金が課されるだけでなく、当然ながら、行政からの督促が行われます。
最終的には差し押さえなどの強制執行処分を受けて、強制的に取り立てられてしまいます。

民間からの借金を滞納していた場合、債権者が裁判所に訴えるなどした後でないと、財産の差し押さえを受けません。

しかし税金の場合、徴税する側が裁判所などで手続きをすることなく強制執行に踏み切ることが可能です。

そのため、滞納から差し押さえまでの期間が短くなる可能性があります。

国税の場合、滞納開始から50日以内に督促状が送られてきます。
地方税の場合は、滞納開始から20日以内です。

そして督促状の送付から10日経過すると、差し押さえが可能な状態になります。

実際の運用では10日経ってすぐに差し押さえられる可能性はそれほど高くありませんが、いつ差し押さえをされてもおかしくない状態になってしまうのです。

[参考記事]

税金滞納で「差押予告書」が届いた!これからどうなるの?

差し押さえを受けた場合、銀行口座から滞納分を引き落とされたり、自分の財産を強制的に徴収されて競売に出されたりする可能性があります。

また、給料を差し押さえられて、毎月の手取り額から一定額が差し引かれ、滞納した税金の支払いに回されるかもしれません。

給料が差し押さえられると、手取り額収入が減ってしまうため、生活が苦しくなりますし、給料を差し押さえられた事実は職場に必ずバレてしまうので、職場内での立場が悪くなる可能性もあります。

税金を払えない場合でも、差し押さえを受ける前に対処することが大切です。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

なお、税金にも時効(税金の種類等によって3〜7年)は存在しますが、税務署が時効まで何もしないことは通常考えられませんので、税金の時効の成立を待つことは現実的ではないでしょう。

3.税金の滞納を解決する方法

自己破産や個人再生をしても滞納した税金は免除されません。
では、どのように対処すればいいのでしょうか?

(1) 役所等へ相談

黙って滞納を続けていても事態は好転しません。
支払えないのであれば、その旨をしっかりと相談するべきです。

所得税などの国税であれば税務署へ、市民税などであれば市役所の担当窓口へ行きましょう。
相談窓口がわからない場合は、役所から届いた督促状等を見れば書いてあるはずです。

とにかく担当窓口を調べて連絡し、支払えない事情等を説明してください。
もし病気などで収入がないことが原因であれば、治療履歴など病状を証明する書類を持参して相談するのもいいでしょう。

相談することによって強制執行を待ってもらえるかもしれませんし、分割払いなどに応じてもらえる可能性も出てきます。

役所側としても、好んで強制執行をしたいわけでも、納税者を経済的に苦しめたいわけでもありません。

税金を納めてもらうことを第一に考えるので、現実的な対策を考えてくれるはずです。

(2) 税金以外の債務を解決する

税金を滞納している人の中には、税金以外に何らかの債務を負っている例も散見されます。
もしそういった状態であれば、税金以外の借金を解決することをおすすめします。

例えば「毎月ローンやクレジットカードの支払いが厳しくて税金を払えない」のであれば、ローンやクレジットカードの借金を解決することで、税金の支払いに回すお金を捻出できるかもしれません。

ローンやクレカの支払いなど、民間企業からの借金であれば、自己破産や個人再生または任意整理をすれば、免責または減額されます。

税金は減額できなくても、債務の総額を減らすことで経済状態を改善できる可能性は非常に高いです。

弁護士に相談して、債務を整理してもらいましょう。

4.税金を支払えない場合、税金以外の債務を見直すべき

滞納中の税金は、自己破産をしても支払義務が残り続けます。
そのため、弁護士の力を持ってしても、滞納した税金の免除や減額はできません。

しかし弁護士は、税金以外の借金を迅速に解決することが可能です。
借金の総額を減らすことで、税金の支払いをできるようになるかもしれません。

できるだけ早く借金を解決することが、強制執行を避けるために必須です。
泉総合法律事務所の弁護士が、税金の支払いができる環境を整えるお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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