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自己破産手続で財産隠しをすると民事責任・刑事責任を問われる!?

自己破産手続時に財産隠しをすると民事責任・刑事責任を問われる!?

【この記事を読んでわかる事】

  • 財産隠しはどのようにして発覚するのか
  • 財産隠しをしてしまい、発覚したらどんな責任を問われるのか
  • 自己破産したいが自分の財産が心配な場合はどうするべきか

 

「自分の手元にできるだけ多くお金を残したい……」

そう思うのは自然なことです。しかし、自己破産の手続において、もし財産を隠したり、減額して申告したりした場合には、どうなるのでしょうか?

このような破産手続における「財産隠し」は、もちろん頻繁に起こるものではありません。

しかし、稀にですが、破産手続において、少しでも自分のための資産を残したいとの気持ちから、財産を隠してしまう人がいます。

しかし、破産手続において、財産を隠す行為は「免責不許可事由」といって、自己破産が許可されなくなる要因になる他、犯罪行為として処罰される可能性のある重大違反行為です。絶対にしてはいけません。

以下、債務整理に詳しい弁護士が、破産手続における財産隠しについて詳しく説明します。

1.自己破産について

自己破産には「管財事件」と「同時廃止事件」があります。

まず、前提として、自己破産についてしっかりと理解しておきましょう。

自己破産手続とは、債務者(借金をしている人)の財産を公正かつ適正に清算し、債権者(債務者にお金を貸している人)に平等に分配する手続です。

すなわち、破産手続は、債務者の財産を換価して、借金の返済に充て(配当)、残った債務(借金)については、その返済義務を免除するというものです。

自己破産したらただ単に借金がゼロになるというわけではなく、手持ちの財産がほとんど没収され、借金の返済に当てられるのだということを覚えておきましょう。

没収されない財産(自由財産)につきましては「自己破産をしたら無一文!?破産と自由財産、その上限額について」を参考にしてください。

(1) 管財事件

破産手続において、破産者の財産の清算を行うのは、裁判所から選任された「破産管財人」です。

破産管財人は、破産手続開始時点の破産者の財産を管理して、換価・配当の業務を行います。

そして、その過程において、財産隠しなどの問題行為の有無を含めた、破産者の財産に関する調査を行うのです。

このように、破産管財人の選任される破産事件を「管財事件」と言います。

破産管財人について、詳しくは「破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?」をご覧ください。

(3) 同時廃止事件

他方、破産手続は破産者の財産を清算する手続であるとは言え、破産者にほとんど財産がない場合には、破産管財人により換価・配当すべき破産者の財産はないとみなされ、手続が開始と同時に終了します。

このような破産事件を「同時廃止事件」と言います。

管財事件と同時廃止事件については、「自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは」「自己破産の弁護士費用を安くしたい!同時廃止と管財事件について」も合わせてご覧ください。

2.破産管財人の業務内容

(1) 破産者の財産の調査

さて、自己破産手続において、管財事件の場合に選任された破産管財人は、破産者の財産を清算する業務を行う前提として、破産者の財産についての調査を行います。

この調査は、主として、2つの観点から行われます。

  • 破産者が現に保有している財産の有無・内容の調査
  • 破産者が過去に保有していた財産のうち、破産手続において、破産者の財産として扱うべき財産の有無・内容の調査

です。

後者の調査については、破産法は、公正かつ適正な清算を実現するため、過去のある時点の破産者の財産について、所定の要件を満たす場合には、破産者の財産として扱い換価・配当すべきことを認めており(否認権)、破産管財人は、そのような破産者の過去から現在に至る財産の移転について調査しなければなりません。

参考までに「破産の疑問を解決!破産管財人による否認権の行使とその影響とは?」もご覧ください。

(2) 換価

破産管財人は、破産者の財産の調査の結果、換価対象となる財産の範囲を決定し、実際に換価を行います。

具体的には、破産者が現に保有している物(自宅の土地・建物、自家用車、宝石・貴金属類、預金など)は、売却します。

また、まだ回収できていない過払い金や、知人に対する貸付金などの未回収債権は、潜在的財産とみなされ、交渉や訴訟を提起するなどして回収します。

(3) 配当

最終的に換価により得られた金銭は、原則、各債権者に対する返済に充てられることになります。これを「配当」と言います。

【参考】破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?

3.財産を隠す行為について

自己破産手続時に財産隠しをすると民事責任・刑事責任を問われる!?

では、もし破産者が自分の財産が換価されることを嫌がり、不正に財産を隠した場合、それは発覚するものなのでしょうか。

(1) 破産者に対する事情聴取などで発覚

管財事件では破産管財人による財産の調査によって、同時廃止事件では裁判所による財産の調査によって、適正な清算が実現されます。当然ですが、その財産の調査は極めて厳しく行われます。

したがって、破産管財人や裁判所からの財産関係の質問に対して、破産者は十分に説明しなければならず、これを拒否したり、あるいは、曖昧・不合理な説明に終始すれば「財産を隠しているのではないか?」と疑われたりして、更なる追及がなされます。

ですから、適当に説明して誤魔化せば財産隠しは発覚しないとの甘い考えは到底通用しません。

(2) 破産者の提出する財産関係の資料などから発覚

また、破産手続では、その申立書に加えて、破産者の財産関係に関する多くの資料を一緒に提出しなければならず、手続中には、適宜、破産管財人や裁判所から追加の資料提出を求められることも少なくありません。

具体的に、提出を求められる資料は以下の通りです。

  • 銀行の預金口座通帳
  • 給与明細
  • 源泉徴収票
  • 所得証明
  • 不動産登記簿
  • 車検証
  • 財産の処分に関する契約書など
  • 破産者の現在保有する財産、そして過去に保有していた財産の移転に関する資料 など

こうした資料は、公的機関・第三者的機関が作成しているため、容易に偽造できるものではありません。

したがって、もし財産を隠していれば、何らかの痕跡が資料の中に現れるので、やはり不正は暴かれることになるでしょう。

なお、破産管財人が選任された場合、破産者宛の郵便物は、一旦すべて破産管財人に転送されることになっており、この郵便物をチェックすることで、財産隠しが発覚することもあります。

4.財産隠しが発覚したらどうなるか

財産隠しが発覚したら、民事責任と刑事責任の両方が科せられます!

(1) 民事責任

仮に財産を隠す行為をしてしまい、それが発覚したならば、その行為は「債権者を害する目的での破産者の財産を隠す行為」として免責不許可事由となり(破産法252条1項1号)、破産の目的である借金免除が取り消される可能性が高いです。

過去には、このような財産の隠匿により免責不許可になった事例があります。具体的には、

①現金200万円の保有を申告することなく破産手続開始後に全て使ってしまい、破産管財人に対して虚偽の説明を続けたケース
②経済的に破綻した状況において100万円程度の解約返戻金が見込まれる保険を破産者から妻の名義に変更したにもかかわらず、その事実を申告することなく、名義変更の事実が発覚したあとには掛捨ての保険であると虚偽の説明をしたケース

などがあります。

このような事態になれば、もはや借金問題は放置することになるか、収入を増やすなど自力で解決する他なく、債権者にとって大きな不利益となります。

免責不許可事由について、詳しくは「免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!」で解説しています。

(2) 刑事責任の問題

また、破産の開始決定が確定した場合には、財産を隠す行為は「破産詐欺罪」という犯罪として、免責10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、あるいは、その両方に処せられる可能性があります(破産法265条1項1号)。

このように財産の隠匿は、単に免責不許可の理由になるだけではなく、犯罪行為として厳しく処罰されることになる重大な違法行為でもあるのです。

5.自己破産なら泉総合法律事務所へ

以上のとおり、破産手続は、公正な清算を実現するために、破産者の保有財産を正確に申告することが非常に重要となります。

このため、法律は、財産を隠す行為に対して厳しく対処するスタンスをとっています。破産手続における財産隠しは絶対にしてはいけません。

もし、破産手続により財産を処分されてしまうことを悩んでしまうならば、不正を犯すのではなく、何かよい解決方法を探すべきです。そして、その解決方法を弁護士は一緒に考えてくれます。

泉総合法律事務所では、ご相談者様の財産状況も考慮したうえで、最適な借金問題の解決方法をご提案しております。

「債務整理手続をしたいけれども、財産処分が気になってしまう」という方は、一度当事務所にご相談ください。ご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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