自己破産 [公開日]2017年9月25日[更新日]2019年11月1日

自己破産しても養育費は免除・減額されない!滞納したらどうなる?

養育費とは、「親権者ではなくなった親が、親権者であるもう一方の親へ支払う子どもの衣食住・教育(学費)のために必要な費用」のことです。

離婚後に親権者でなくなった親は養育費を支払う義務がありますが、自己破産をしたら養育費の支払義務は免責されるのでしょうか?
また、もし養育費の滞納を続けたら、最終的にはどうなるのでしょうか?

今回は、自己破産と養育費の関係について解説します。

なお、借金まみれで養育費を払えないと現にお困りの方は、以下のコラムもご覧ください。

[参考記事]

養育費が払えない!借金が理由で養育費は減額・免除できるのか

1.自己破産したら養育費はどうなる?

(1) 自己破産しても養育費は免除されない

結論から言うと、養育費の支払義務は自己破産をしても免責されません。養育費は、破産法によって手厚く保護されているからです。

自己破産手続上の借金の中には、「非免責債権(自己破産しても免除にならない)」と定められているものがあり、この中に養育費が含まれています。
これは、自己破産によって支払い義務が免責されると、子どもが最低限必要な教育などを受けられなくなってしまうと考えられているからです。

「非免責債権」については、養育費のほかに、税金、婚姻費用、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権などがあります。

多くの場合、養育費を支払う約束は、子どもが成人する(20歳になる)まで、毎月いくらかを支払う内容になるでしょう。

(2) 養育費の滞納による自己破産への影響

自己破産では、養育費の滞納の有無によって、扱いが異なります。

①滞納がないケース

養育費の滞納がない場合は、自己破産をする上で特に影響はありません。

養育費は借金ではないため、元配偶者を債権者として扱う必要はありません。自己破産後も従来通り養育費を支払っていく必要があります。

②滞納があるケース

問題となるのは、養育費の滞納が「ある」ケースです。

滞納がある場合、未払いの養育費は「借金」と同じと考えられてしまいます。この場合、破産手続を進めるにあたって、元配偶者を債権者に含めることになるため、元配偶者に自己破産することが知られてしまいます

それ以上に重要なのは、養育費の「滞納分」については、他の借金と同様、弁護士へ依頼したあとに債権者に支払うことが禁止されてしまうことです。
仮に「滞納分」を支払ってしまうと、一部の債権者だけに返済をした「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とみなされ、免責不許可事由に該当してしまいます。

もっとも、滞納分がある場合でも、現在から将来支払う必要がある養育費については、滞納がないケースと同様、支払っても良いことになっています。

自己破産しても養育費は免除されない!滞納したらどうなるのか?挿絵

しかし、滞納がある場合に、毎月5万円の約束なのに8万円を支払ったなどという場合、3万円分については「滞納分」を支払ったとされ、やはり免責不許可事由に該当することになりますので、注意が必要です。

[参考記事]

個人再生で問題となる偏頗弁済とは?債権者平等の原則の基本

このような理由から、養育費の滞納分については、破産手続中支払いを止める必要があり、最終的には自己破産手続終了後に元配偶者に支払いをしていくことになります。

2.養育費を滞納し続けた場合

養育費を滞納したまま長らく放置すると、給料の差し押さえなどの強制執行のリスクに繋がります。

養育費の取り決めを、調停や審判といった裁判上の手続きや公正証書を作成して行った場合、元配偶者は「債務名義」と言う「財産を差し押さえできる権利」を手にしていることになります。

養育費の取り決めについて書面を作成していないケースなどであっても、裁判等の手続き等を経て勝訴判決等を得れば、それが債務名義となります。

債務名義があると、元配偶者は相手方の給料や預金を差し押さえることができます(強制執行)。

[参考記事]

強制執行に必要な債務名義とは?取得されてしまった場合の対処法

3.養育費が払えない場合の減額交渉

養育費の額は、扶養義務者である元配偶者とのバランスによっても変わります。

例えば、元配偶者が昇給した場合や、こちらが再婚し扶養義務者が増えた場合などは、養育費を減額してもらえる可能性があります。
また、自己破産したことも減額の理由として考慮してもらえる可能性があります。

そこで、養育費の支払いが苦しい場合は、まず元配偶者と減額について話し合い、それでも上手くいかなければ、家庭裁判所に養育費の減額調停を申し立てましょう。

[参考記事]

養育費が払えない!借金が理由で養育費は減額・免除できるのか

4.借金が原因で養育費が払えない場合はご相談ください

以上のとおり、養育費はたとえ自己破産したとしてもその支払いが免除されることはありません。
また、養育費を滞納している場合は、滞納分は「借金」と同じ扱いになりますので、支払ってしまうと自己破産手続に支障が生じてしまいます。

泉総合法律事務所では、養育費を支払っており、かつ借金問題に悩んでいらっしゃる方からのご相談を多数いただいてきました。
また、養育費支払いが原因である借金問題を自己破産手続によって解決してきた実績も豊富にございます。

泉総合法律事務所では借金問題に関するご相談は何度でも無料ですので、お悩みの方は安心してご連絡いただければと思います。

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