自己破産 [公開日]2018年5月25日[更新日]2019年10月10日

仮想通貨で自己破産?!深刻な借金を背負うリスクを解説

新しい通貨として世界中の注目を集めている「仮想通貨」。少ない投資で億単位の利益をあげる個人投資家を指す「億り人」という言葉も生まれ、多くの人が短期間に多額の利益を手にしたことがメディアやSNSでも話題になりました。

しかし、2018年に入ってから仮想通貨の代表格であるビットコインが大暴落。「億り人」が破産するのではと、大きな社会問題となりました。

仮想通貨は本物のお金ではないのに、なぜ多額の借金を背負うことになったのでしょうか?また、投資で作った借金で自己破産はできるのでしょうか?

1.仮想通貨のリスク

仮想通貨は、多額の利益を得られる反面、それだけにいくつかの避け難いリスクも存在します。

(1) 変動リスク

仮想通貨は変動リスクが大きく、変動率はFXの10倍とも言われます。
それだけ大きな利益を得られることもありますが、反対に値下がりすることもあります。

投機的な面が強いことは否めず、場合によっては大損することもあるので、その点は十分認識してから始める必要があります。

(2) システム変更のリスク

仮想通貨は新しい仕組みのため、様々な問題点に対処するために今後もシステムが変更される可能性があります。

例えば、システムのアップデートにより市場が混乱し、価値が大暴落する危険もゼロではありません。

また、取引所のシステムがハッカーの標的になるリスクもあります。現に国内でも仮想通貨取引所大手のコインチェック社が不正アクセスの被害に遭い、580億ものお金が外部に流出したことは記憶に新しいところです。

海外でもハッキング被害により取引所が破たんした例もあり、現状システム面では大きな課題を抱えています。

(3) 「信用取引」のリスク

仮想通貨は、取引所によっては預けたお金以上の取引が可能です。
これを「信用取引」と言いますが、例えば預けたお金の5倍の取引が可能であれば、100万円預けた場合は500万円の仮想通貨を購入できます。

しかし、その後、仮想通貨が大暴落して価値が0になってしまったときは、500万円−100万円=400万円の損失となり、預貯金がなければ借金で損失を賄わなければなりません。

将来の値上がりを期待してつぎ込んだものの、そのまま損失が膨らんで借金だけが残ることもあるので、非常にリスクが高い行為と言えます。

(4) 仮想通貨で利益が出ても税金が払えないリスク

仮想通貨で利益を得た場合は、雑所得として確定申告をする必要があります。

雑所得は総合課税の対象で、他の収入と合算で税率が決定します。利益によっては税金の支払いが大きな負担になるケースも少なくありません。

また、利益を出しても納税までに仮想通貨が暴落してしまうと、税金すら納められなくなってしまいます。

例えば、所得税の税率は、4000万円以上は45%なので、仮に仮想通貨で4000万円の利益を上げた場合の所得税額は、控除額を考慮すると1320万4,000円です(4000万円×0.45 – 479万6000円(控除額)=1320万4,000円)。
しかし、翌年に入ってすぐに3000万円の損失を出した場合、約320万円の赤字になります(3000−{4000−1320})。
仮想通貨は変動が激しいので、このように年明けに損失を出して赤字となってしまうパターンは珍しくなく、一旦は多額の利益をあげても翌年の税金の支払いができずに破産危機に直面している人は少なくありません。冒頭で述べたビットコインで自己破産の危機に直面した投資家たちは、正にこのような状況にあったのです。

なお、次で説明するような債務整理をしても、納税義務は免除されません。仮想通貨で過大な利益が出て税金が払えなくても、借金がなければ債務整理をしても意味がないのです。

納税が遅れると延滞税が課せられ、それでも支払わなければ財産の差し押さえに進みます。
もし、税金が支払えないことが分かったら、税務署に分納などの相談してみることをおすすめします。

2.仮想通貨で借金を背負ったときの対処法

では、ビットコインなどの仮想通貨取引で借金を背負った場合はどうしたら良いのでしょうか?

頑張れば支払ができるのであれば完済を目指すのに越したことはありませんが、到底支払ができないというときは、債務整理を検討しましょう。

仮想通貨はお金ではないので、債務整理できるのはお金の請求が来た時点です。
債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがありますが、どの方法が良いかは以下を参考に検討することになります。

(1) 借金額が少ないときは任意整理

借金額が少ない場合は、任意整理がおすすめです。

任意整理は将来利息をカットして元本を返済する制度で、減額幅は少ないですが、裁判所を介さないので、周囲にも内緒で手続きすることが可能です。

また、債権者を選ぶことができるので、連帯保証人に迷惑をかけずに債務整理することも可能です。債務整理の中では最も多く選ばれています。

(2) 借金額は多いが減額すれば返せるときは個人再生

借金額が多いが、それなりに収入があり、減額すれば返済可能な場合は個人再生手続きを検討しましょう。

債務総額や保有資産額にもよりますが、個人再生は借金をおよそ5分の1程度まで圧縮でき、住宅などの財産を手放すことなく手続きすることができます。

ただし、減額後の借金は計画通り返済する義務があるので、継続的で安定的な収入があることが前提となります。

(3) 返済の目処が立たないときは自己破産

借金返済の目処が全く立たない場合は、自己破産一択となります。自己破産が認められた場合は、借金は全額免除されます。

住宅や車などの財産は換価・処分されて債権者に配当されますが、手続き後は借金返済のプレッシャーから解放されるので、まとまった財産がない場合はメリットの方が大きくなります。

ただし、自己破産が認められるには一定の要件があります。
仮想通貨が原因で自己破産をする場合はその点がネックになることがあるので、次で詳しく説明します。

3.仮想通貨で自己破産はできるか

自己破産には「免責不可事由」というものがあり、抵触すると免責許可を受けられないことがあります。
その中には「浪費・ギャンブルによる借金」があり、パチンコや競馬で作った借金では自己破産は基本的には認められないということです。

仮想通貨は投機的な面が強いので、見方によってはギャンブルとみなすこともできるので、不可事由に該当する可能性があります。

しかし、自己破産が初回で、しっかりと反省しているのであれば、大抵は裁判所の判断による裁量免責を受けられるので、仮想通貨による借金でも自己破産は可能です。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

ただし、2回目以降の判断は、裁判所の目も厳しくなるので注意が必要です。

【仮想通貨は自己破産で処分対象の財産とならない】
自己破産をすると財産を処分されますが、現状、仮想通貨は自己破産における処分対象の財産には含まれていません(2019年10月現在)。
仮想通貨は現行法では差し押さえ対象にはできないので、自己破産前に財産を仮想通貨に変えてしまえば、債権者は財産を回収することができないのです。
このことは、日本のみならず欧米でも問題視され、法整備を早急に進めるべきであるという声があがっています。

4.仮想通貨による借金問題の解決は弁護士へ相談を

仮想通貨の取引により、多額の借金を抱えてしまう方は実は多いです。
しかし、自己破産で無事に免責を受けられれば、借金はなくなります。

今現在、仮想通貨の取引による借金でお困りの方は、一度泉総合法律事務所にご相談ください。債務整理に強い専門家が、個々のケースに合わせたベストの対処法を提案させて頂きます。

相談は何度でも無料となりますので、どうぞ安心してご連絡ください。

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