自己破産 [公開日]2020年2月5日

無職でも自己破産はできるのか?

借金がどうしても返せなくなった人でも、自己破産に成功すれば全ての借金が消えてなくなります。
返済に追われることも、債権者から催促が来ることもない日々がやってきて、人生を再スタートさせることができるのです。

一方で、現在無職で借金を抱えている人の中には、「無職でも自己破産できるの?」と疑問に思っている人もいるようです。

「仕事をしていない自分が借金を帳消しにしてもらうのは図々しいのではないか?」などと気後れしている人もいるのかもしれません。

結論から言うと、無職でも自己破産は可能です。

ここでは、自己破産の条件と、無職の人が自己破産をする際の注意点を解説します。

1.自己破産の条件

自己破産ができる条件は以下の2つです。

(1) 借金が「支払不能」である

どういった状態が「支払不能」にあたるかは裁判所が判断します。
単に借金の額だけで決まるものではありません。

例えば借金の額が大きくても、収入が多くて返済が可能と考えられる状態であれば、裁判所から支払不能だと判断してはもらえないでしょう。

また、借金の額が大きく、収入が少ないとしても、保有している財産が多く、それを売却するなどすれば返済可能な場合は、やはり支払不能だと認めてもらえない可能性が高いです。

一方で、たとえ借金の額が少なくても、収入がなく、めぼしい財産もないような場合は、裁判所が支払不能だと判断してくれるかもしれません。

支払不能であるかどうかは借金の多寡だけでなく、収入や財産も含めて総合的に判断されるのだと覚えておいてください。

もし「自分は支払不能な状態なのだろうか?」と疑問がある方は、債務整理に詳しい弁護士に相談するといいでしょう。
裁判所がどのような判断をする見込みなのかを教えてくれます。

(2) 免責不許可事由がない

免責不許可事由とは、平たく言えば「借金をゼロにしてもらえない理由」です。

自己破産において「免責」とは、「借金を帳消しにする」ことを指します。
この「免責」を裁判所から許可してもらうのが、自己破産の最終的な目標です。

免責不許可事由には様々なものがありますが、簡単にまとめると以下のようになります。

  • 借金の理由が浪費やギャンブル
  • 財産を隠す、著しく安くまたは無料で他人に譲る、故意に財産を壊して価値を減らすなどした
  • 破産申立て前の1年以内に、名前や年収などについて虚偽の事実を述べたうえで借金をするか、クレジットカードで買い物をした
  • ローンやクレジットカードで買ったものを著しく安い値段で売却して換金した
  • 特定の債権者にのみ有利になるような返済をした
  • 裁判所などが行う破産手続きに協力しない、虚偽を述べた、手続を妨害するなどした
  • 破産申立てをした日から7年以内に免責を許可してもらったことがある

しかし、実際には免責不許可事由があっても、裁判所の裁量により免責が認められるケースがほとんどです。

詳しくは、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

(3) 職業による制限はない

ここまで見てきた中で、職業による制限はありませんでした。
つまり「自己破産は職業に関係なくできる」のです(ただし、自己破産手続中に一定の職業に就けないという職業・資格制限はあります。)。

パートタイマーやアルバイト、専業主婦、そしてもちろん無職でも自己破産は可能です。

むしろ、「無職の人には自己破産しかない」可能性あります。

債務整理には自己破産の他に、個人再生や任意整理などの種類があります。

個人再生は「借金を大幅に圧縮して、残った債務を毎月少しずつ返済していく」という債務整理です。
手続き後の返済が前提となるため、継続的かつ反復的な収入が将来にわたって得られる見込みがなければ、個人再生はできません。

もう1つの任意整理についても、借金のカット率こそ違うものの、やはり毎月の返済が前提となる点に変わりはありません。

従って、無職の人ができる債務整理は、自己破産のみになる可能性が高いのです。

2.無職の人が自己破産したときの注意点

無職の人が自己破産できることはおわかりいただけたと思います。

しかし、自己破産はそれ自体がゴールではありません。
借金が帳消しになった後でも、当然ながら人生は続いていき、生活していかなければなりません。

では、自己破産後の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?

(1) 2度目の自己破産は失敗しやすい

免責不許可事由の中に「破産申立てをした日から7年以内に免責を許可してもらったことがある」というものがありました。
早い話が「1度免責を受けたら、原則的にその後7年間は免責を受けられません」ということです。

また、たとえ7年経ったとしても、2回目の自己破産で免責を認めてもらうのは、1回目よりハードルが高くなります。

裁判所の心証が悪くなり、「なぜ1回目の自己破産で自立更生できなかったのか」「1回目のときの反省を活かせなかったのか」と厳しく追求される可能性があります。

病気・介護・リストラなど、やむを得ず借金をしなければならなかったような事情があれば話は別ですが、そうでない限りは、2回目の自己破産をしないような生活を心がけてください。

[参考記事]

2回目の自己破産は可能?難しい?何回まですることができるのか?

(2) 借金(借入)ができない

自己破産をすると、そのときの債権者が「この人は自己破産しましたよ」という情報を「信用情報機関」というところに登録します。

信用情報機関にはそういった情報が集まっており、銀行や貸金業者、クレジットカード会社などは、人にお金を貸すときやカードを発行するときに信用情報機関に照会を行います。

そこに自己破産の情報があった場合、「この人は返済能力に問題がありそうだ」と判断して、融資やカードの発行を断る決断をするのです(いわゆる審査落ちです)。

従って、自己破産してから最大10年間は、基本的に借金ができなくなります

[参考記事]

信用情報機関の違い(CIC・JICC・JBA)とブラックリストに掲載される影響

借金ができなければ2度目の自己破産に陥る可能性は減りますが、問題は信用情報機関から情報が抹消された後です。

「やっとお金を借りられるようになった!」「クレジットカードを使えるようになった!」と散財しないようにしてください。

(3) 官報に掲載される

また、自己破産をすると氏名や住所が「官報」という国の機関紙に掲載されます。

官報を日常的にチェックする人は少ないですが、まれに闇金業者などが官報を見て「お金に困っていませんか?」「私達ならお金を貸してあげられますよ」と寄ってくることがあります。

最近は「ソフト闇金」などと言って、一見して闇金とはわからない丁寧な対応と優しい態度で人を騙す業者も増えています。
そういった業者から「地獄に仏」だと思ってお金を借りてしまうと、長期にわたってどんどんお金を吸い上げられてしまいます。

自己破産の後は、どこからであろうと決して借入をしてはいけません。

[参考記事]

闇金被害は弁護士に相談を

[参考記事]

自己破産・個人再生で掲載される官報とは何か?

3.無職の自己破産は弁護士に相談を!

以上のように、無職でも自己破産は可能ですが、支払不能状態にあるか、そして免責不許可事由がないかが問題になります。

弁護士に依頼すれば自己破産できそうかを教えてもらえますし、実際の手続も進めてもらえます。

もし免責不許可事由があっても、裁量免責を認めてもらえるようにアドバイスをしてくれるでしょう。

自分で自己破産をすると失敗に終わる可能性もあるので、自己破産は弁護士に依頼することを強くおすすめします。

[参考記事]

自己破産は悪くない!「無責任で恥ずかしい」…とお考えの方へ

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