自己破産 [公開日]2018年1月15日[更新日]2020年2月27日

自己破産は取り消しができる?取り消し可能なタイミングと注意点

自己破産は取り消しができる?取り消し可能なタイミングと注意点

債務整理のうち自己破産を選択すると、借金が全て免除されます(税金などの支払いを除く)。

しかし、自己破産はメリットが大きい分、デメリットも大きい制度です。
自己破産をすると自宅や車を手放さなければならなかったり、一部職業についての資格制限を受けたりするため、「やっぱり別の方法で解決したい」と考える方がいらっしゃるかもしれません。

また、無職だったが手続きの途中で就職ができた場合などには、借金返済の目途が立ち、借金の「免除」ではなく「減額」で解決が可能になることもあるでしょう。

そうしたケースでは、自己破産をやめて、任意整理や個人再生などに移行したいと考える方がいらっしゃるかと思います。

果たして、一度決めた自己破産のキャンセルはできるのでしょうか?

今回は、自己破産申請後(破産申立)の取り消し・取り下げの可否について解説します。

1.自己破産申立後の取り消し(取り下げ)は可能

結論から言えば、自己破産の申立をしても、後から取り消す・取り下げることは可能です。

いくら慎重に考えて自己破産を決めても、状況が変われば別の決断が必要になることもあります。

例えば、自己破産は借金返済の見込みが全くない場合に選択するのが一般的です。
よって、リストラや会社の倒産などで収入減が途絶えている時には、自己破産以外の道がなくなります。

しかし、当初は返済の見込みがなかったとしても、その後、就職できたり、何らかの収入源が確保できたりする場合には状況が変わります。
毎月決まったお金が入ってくるならば、任意整理や個人再生を認めてもらえる可能性が出てきます(とは言え、任意整理や個人再生による返済が滞ったら、最終的には自己破産せざるを得なくなる可能性が高いので、注意しましょう。)。

自己破産すると決めても、その必要がなくなり、他の手段で借金問題を解決したいと思ったら、自己破産を途中でやめること(取り消し・取り下げ)は可能です。

[参考記事]

自己破産と他の債務整理(個人再生・任意整理)の比較

しかし、取り消し・取り下げのタイミングについては注意が必要です。
自己破産の手続が進むと、ある段階から取り消し・取り下げはできなくなります

2.自己破産の取り消し(取り下げ)ができなくなるタイミング

(1) 破産申立〜破産手続開始決定までは可能

自己破産は、以下のような流れで手続きが進んでいきます(裁判所によって細かな運用は異なります)。

破産申立→審尋(裁判官との面談)→破産手続開始決定→管財事件・同時廃止の決定→破産手続・免責手続き→免責許可・不許可決定

自己破産は、申立をしても破産手続開始決定前であれば取り下げることができます
一方、開始決定後は如何なる理由があっても取り下げることはできません(破産法29条)。

(2) 取り消し可能な期間

自己破産をすると決めたら、申立まで約3ヶ月程度の準備期間が必要です(書類の収集や作成などのため)。

また、破産手続開始決定の具体的なタイミングは、申立をした日に出る(審尋がない)こともあれば、申立をしてから1ヶ月ほど後になることもあります(各裁判所の運用によって異なります)。

申立を行うまでの準備期間にはある程度の余裕がありますが、申立から開始決定までは比較的期間が短いので、自己破産をするかどうかは、申立前によく検討することをおすすめします。

[参考記事]

自己破産いつから始める?考えるタイミングと自己破産できない場合

(3) 取り消し・取り下げの方法

まず、自己破産申立前でしたら、まだ弁護士などの協力の元で書類の準備をしている最中かと思います。

この場合、自己破産を依頼している弁護士に「自己破産以外の方法を採りたい」などと相談しましょう。弁護士は、あなたの希望を聞いて次なる解決策を一緒に考えてくれるでしょう。

申立後の取り下げにあたっても、債権者の同意は必要ないので、自分の意思で決定することができます。弁護士に相談の上、申立を取り下げる手続きを行います(取り下げの理由を裁判所に問われることもありません)。

ただし、開始決定前に差し押さえを受けていた場合は、自己破産の取り消しには裁判所の許可が必要になります(破産法29条)。

【弁護士費用はどうなるか】
自己破産を取り消す・取り下げる場合であっても、それまでの相談料や着手金については支払うのが一般的です。
しかし、どういう対応になるかは担当弁護士によっても異なるので、取り消し・取り下げをする際は早めに相談しましょう。

3.自己破産の慎重な判断のために弁護士へ相談を

自己破産は、破産手続開始決定前であれば取り下げることができます。
申立から開始決定までは期間が短いので、申立をする前に「本当に自己破産が良いのかどうか」よく検討することをおすすめします。

自己破産に限らず、債務整理を行う場合は、いかなる時でも早めに行動をするようにしましょう。対処が遅れると、それだけ解決も難しくなります。

泉総合法律事務所の弁護士は、ご相談者様一人ひとり合った債務整理方法をご提案いたします。

「あちらの手続きにしておけば良かった」「個人再生・任意整理にしたが返済しきれなかった」ということが起きないよう、借金問題の解決方法について丁寧にアドバイスいたしますので、多額の借金でお悩みの方は是非ともお早めに当事務所へご相談ください。

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