自己破産は取り消しができる?取り消し可能なタイミングと注意点

自己破産

自己破産は取り消しができる?取り消し可能なタイミングと注意点

債務整理のうち自己破産を選択すると、借金は免除されますが、途中で就職できた場合など、借金返済の目途が立つ場合にはその必要はなくなります。そうしたケースでは、自己破産するのを止めて任意整理などに移行できるのでしょうか。

今回は、自己破産申請後の取り消しの可否について解説します。

1.自己破産とは

借金を法律的に整理することを債務整理と言い、自己破産は債務整理の最終手段とも言うべき手続です。

債務整理は大きく分けて、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、債務整理の際は借金額や経済状況に応じて自分に適した手続を選択します。

任意整理は裁判所を通さずに、債権者との2者間で借金の減額交渉をします。手続後は利息がカットされることも多く、支払い総額が減るため、以後は計画的に返済していくことができます。債務整理の中では最も多くの人が利用する制度です。

個人再生は借金額が比較的多い人に適した制度です。再生手続後は借金を5分の1程度まで圧縮することができるため、以後の返済は随分楽になります。

個人再生の場合も借金の返済義務は残りますが、自宅や車などの私有財産を手放さずに済むため、マイホームを持っている人にとって有利な制度です。

自己破産は上記のいずれの手続もできないときに選ぶ制度です。自己破産をすると借金は全額免除されます。

任意整理、個人再生はいずれも借金の全額免除とはなりませんが、唯一自己破産だけは借金が全てなくなります。

自己破産の手続後は業者からの督促もなくなり、借金返済からも解放され、経済的な再建を一から始めることができます。

しかし、自己破産をすると一部職業については就業制限があり、自宅や車、一定額以上の現金・預貯金などは手放さなければなりません。以後10年ほどは新たな借入もできなくなります。

以上を考慮すると、自己破産はメリットも大きい制度ですが、デメリットも大きい制度です。社会的なイメージも良いとは言えないので、申請に際しては十分に考慮する必要があります。

しかし、いくら慎重に考えても状況が変われば別の決断が必要になることもあります。実際に自己破産を決心しても、途中で状況が変わり、やっぱり任意整理や個人再生にしたい…と考え直す人もいます。

2. 自己破産を取り消して任意整理や個人再生に移行

自己破産は借金返済の見込みが全くない場合に選択するのが一般的です。たとえば、リストラや会社の倒産などで、収入減が途絶えてしまうときには、自己破産以外の道がなくなります。

しかし、当初は返済の見込みがなかったとしても、その後、就職できたり、何らかの収入源が確保できたりする場合には状況が変わります。毎月決まったお金が入ってくれば借金は返せるので、任意整理や個人再生にすることができるからです。

自己破産すると決めても、その必要がなくなった段階で、自己破産を取り消すことは可能なのでしょうか。

・自己破産申請後の取り消しはできる

結論から言えば、自己破産の申立をしても、あとから取り消すことは可能です。

しかし、タイミングについては注意が必要です。自己破産の手続が進むと、ある段階から取り消しはできなくなります。

3. 自己破産の取り消しができなくなるタイミング

自己破産は申立をしても破産手続開始決定前であれば取り下げることができます。開始決定後は如何なる理由があっても取り下げることはできません。

自己破産をすると決めたら申立まで3ヶ月程度の準備期間が必要で、開始決定のタイミングは、各裁判所の運用によって異なりますが、申立をした日に出ることもあれば、申立をしてから1ヶ月後になることもあります。

申立から開始決定までは比較的期間が短いので、自己破産をするかどうかは、申立前によく検討することをおすすめします。

申請の取り消しにあたっては債権者の同意は必要ないので、自分の意思で決定することができます。

ただし、開始決定前に差押さえを受けた場合は、取り消しには裁判所の許可が必要になります。また、法律上破産申立の義務を負う人については、取り下げることはできません。

(1) 弁護士費用はどうなるか

自己破産を取り消す場合は、それまでの相談料や着手金については支払うのが一般的です。

しかし、どういう対応になるかは担当弁護士によっても異なるので、取り消しをする際は早めに相談しましょう。

(2) 職業上の制約はあるか

自己破産をすると一部士業や警備員といった仕事に一定期間就くことはできなくなります。

しかし、自己破産を取り下げれば欠格条項には当たりませんので、どの職業であっても就くことができます

4.まとめ

自己破産は開始決定前であれば取り下げることができます。申立から開始決定までは期間が短いので、申立をする前によく検討することをおすすめします。

自己破産にかぎらず債務整理を行う場合は、いかなる時でも早めに行動をするようにしましょう。対処が遅れるとそれだけ解決も難しくなります。

泉総合法律事務所の弁護士は、ご相談者様一人ひとり合った債務整理方法をご提案いたします。多額の借金でお悩みの方は、是非ともお早めに当事務所へご相談ください。

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