自己破産 [公開日]2018年2月23日[更新日]2020年7月29日

自己破産と個人再生の必要書類|揃わないとどうなる?

自己破産と個人再生は、両者とも裁判所を通す債務整理手続であるという点で共通しています。

裁判所には、自己破産や個人再生を申し立てる際、資産状況や借金の経緯を書面にした「申立書」という書類を提出するのですが、その申立書に添付して一緒に提出することを義務付けられている書類がいくつかあります。

そして、自己破産と個人再生に必要な書類は、その大半が共通しています。

ここでは、それらの必要書類について簡単にご説明します。自己破産・個人再生の準備をするという際には、是非参考にしてください。
また、書類が揃わらない場合にどうなるのかについても言及していきます。

1.申し立て時に必要な書類

(1) 本人確認書類

住民票、戸籍謄本

①住民票

住民票を登録している市区町村の役所で取得可能です。

裁判所からは、「世帯全員記載」「マイナンバー(個人番号)以外省略がない」住民票を提出するように指示されます。不備があると、再提出を求められます。

また、取得をした日から3ヶ月以内のものと期限が決まっている裁判所がほとんどです。

②戸籍謄本

本籍地の市区町村の役所で取得可能です。本籍地が遠方であれば、郵送での取得が可能です。
住民票と同様、取得をした日から3ヶ月以内のものと期限が決まっている裁判所がほとんどです。

どういった家族構成で、結婚や離婚をしていないのかを見られます。また、両親が死亡していることが確認できる場合、相続についての説明を求められることがあります。

(2) 収入に関する書類

給与明細・賞与明細、課税証明書・源泉徴収票、手当に関する書類、自営業に関する書類(領収書・帳簿・見積書・賃貸借契約書)など

①給与明細、賞与明細

概ね直近3ヶ月分が必要です。
給料がいくらかということはもちろん、借金や資産に繋がる控除(「返済」、「積立」、「生命保険料」など)がされていないかという点を見られます。

賞与明細については、自己破産であれば申立前3ヶ月以内に受給している場合に必要となり、個人再生であれば直近1年分の提出が必要とされます。

なお、同居人(同居家族)のものについても提出が求められることがあります。

②課税証明書、源泉徴収票

概ね直近2年分が必要です。
年収がいくらかということはもちろん、生命保険や損害保険の控除がないかという点を見られます。

ここで「保険なし」と申告していたのにも関わらず、保険料の控除が確認できた場合、裁判所から「では控除されている保険は何なのか?」と説明を求められます。

なお、課税証明書は、年度の1月1日時点で住所登録をしていた市区町村の役所で取得可能です。

③手当に関する書類

給料以外で、児童手当や年金、生活保護などの手当を受給している場合、自宅に届く通知書や、支給機関において取得できる受給証明書などの提出を必要とされます。

④自営業の方の場合

報酬を受け取った際の領収書や、自営の帳簿があれば提出が必要です。確定申告をしている場合は、概ね直近2年分が必要とされます。

また、自営業をしている方は、上記収入に関する書類以外に、事業設備があればその見積書、自宅以外に店舗がある場合は店舗の賃貸借契約書などの書類が必要になります。

なお、個人再生手続の場合、事業が赤字継続していると、定期的に安定した収入を得ることができるのか説明を求められることになります。

(3) 財産に関する書類

通帳

銀行口座関係(通帳)、保険関係(保険証券)、退職金関係(退職金計算書)、自動車関係(車検証、標識交付証明書)、不動産関係(査定書)、裁判所が指定するその他の資産

①銀行口座関係

概ね、過去2年間の入出金が記載されている通帳の提出が必要です。もともと通帳がないインターネットバンキングの場合は、取引明細書が必要になります。

なお、マメに通帳記帳をしないと、通帳の中で取引が合算されてしまいます。
この箇所が過去2年以内でしたら、合算箇所の取引明細を銀行から取寄せていただくことになります。

また、株式投資やFX取引をしていた方は、口座サマリーやその口座の概ね2年間の取引明細書に加え、取引開始年度からの年間損益計算書の提出を求められます。

[参考記事]

自己破産と預金通帳~裁判所に提出する上での注意点

②保険関係

ここで言う保険は、「任意保険」のことです。
任意保険に加入している場合、保険証券など、保険契約者、証券番号、保険料、保険の内容を示す書類の提出が必要です。

また、仮に保険を解約した場合、解約返戻金が支払われる内容の保険の場合は、保険会社から解約返戻金計算書を取寄せていただく必要があります。

なお、保険料を一括で支払っている場合も、残りの保険期間の保険料が返還されることになるため返戻金計算書を取り寄せていただく場合があります。

③退職金関係

仮に自己都合で退職した場合、退職金が支給される場合は退職金計算書が必要になります。

とは言っても、勤務先に退職金計算書(退職金見込額証明書)を出してもらいにくいケース方がほとんどだと思いますので、その場合は、就業規則など退職金に関する規定が書かれている書類を代替資料として提出することになります(この資料をもとに、弁護士が退職金を計算します)。

雇用形態がアルバイトや派遣社員の方は、通常裁判所は「退職金はない」と判断してくれますが、その事実を証明する資料として雇用契約書など雇用形態が確認できる書類の提出を求められることもあります。

④自動車関係

自動車とバイクを保有している場合は「車検証」、原付バイクを所有している場合は「標識交付証明書」の提出が必要です。

また、車両の価値を示す見積書の提出も必要ですが、東京地方裁判所の場合、初年度登録(年式)から6年以上経過している自動車は価値なしとして考えられているので、自動車関係の見積書が必要かどうかは弁護士にご確認ください(もちろん車種にもよります)。

⑤不動産関係

不動産を所有している方は、その不動産の全部事項証明書と2社以上の不動産業者による査定書が必要です。

なお、不動産査定書は、無料の不動産査定書で構いません。
しかし、査定物件の特定ができない場合や算出根拠がないようなあまりにも簡易な査定書の場合、裁判所から取り直しの指示が出る場合がありますので、注意が必要です。

また、個人再生の場合は、査定書などの書類に加えて、住宅ローン契約書、住宅ローン償還予定(返済計画)表、不動産の固定資産税評価証明書の提出が必要になります。

「不動産の全部事項証明書」は、不動産所在地を管轄する法務局で取得が可能です。住民票と同様、取得をした日から3ヶ月以内のものと期限が決まっている裁判所がほとんどです。

また、「固定資産税評価証明書」は、不動産所在地である市区町村の役所で取得可能です。

⑥その他

①~⑤以外にも、裁判所が項目を定める資産は存在します。それらの資産についても、基本的には「現在の価値(金額)を示す」ことができる書類の提出が必要とされます。

(4) 現在の生活状況などを示す書類

家計簿

住居に関する書類(賃貸借契約書、不動産全部事項証明書)、家計関連の書類(家計簿・水道光熱費)、健康状態に関する書類(診断書)、税金滞納に関する書類(滞納税額の明細、分納の協議書)など

①住居に関する書類

自宅が賃貸の場合は賃貸借契約書、ご依頼者様やそのご家族の所有物件である場合は不動産全部事項証明書の提出が必要です。

②家計関連の書類(家計簿・水道光熱費)

家計簿」は、家庭における日々の収入と支出をノートなどに記録するものですが、自己破産と個人再生においては、この「家計簿」を1ヶ月単位で計算して作成する「家計全体の状況(又は「家計収支表」)の提出を求められます。

提出は、概ね直近1~3ヶ月分であり、特に支出の項目を念入りに見られます。

自己破産と個人再生は借金に関する手続であるため、裁判所は「贅沢はしていないか」「無駄な出費はないか」「本当に借金を整理する必要があるのか」と細心の注意を払って見てきます。

たとえば、遊興費が借金の原因である場合、現在も遊興費の金額が高額ですと「借金の原因が取り除けていない」と判断されてしまいます。

さらに、個人再生手続においては、月の収支が赤字になっている場合には、返済原資をどのように捻出するのか厳しく問われることがあります。

[参考記事]

家計簿はなぜ必要?自己破産で提出する理由

また、裁判所によっては、ライフライン(家賃、水道光熱費、電話代、保険料)の支払いに関する資料の提出を求めてきます。

支払方法が引き落としであれば、その口座の通帳を提出すれば良いのですが、いわゆるコンビニ払いであった場合は、領収証の提出が必要とされます。

③健康状態に関する書類

病気などで定期的に通院している場合、診断書の提出が必要な場合があります。

特に、借金の原因が病気である場合は、借金理由を証明する資料にもなりますので、提出を強く求められます。

④税金滞納に関する書類

滞納している税金については、手続をとっても支払免除や減額の対象にはなりませんが、裁判所に報告する必要があります。

特に個人再生手続の場合、税金の支払いをしながら再生計画の履行が可能かを判断されるため、滞納税額の明細と分納の協議書を求められることが多々あります。

(5) 借金に関する書類

借入先から訴訟を起こされている場合、その訴状などの書類の提出が必要です。

また、当事務所では「事情陳述書」という書類の作成をご依頼者様にお願いしており、過去10年間の職歴や借金の経緯などをご記入いただいております。

なお、ご依頼者様に作成いただいた「事情陳述書」をそのまま裁判所に提出をするわけではなく、当事務所にて申立書類を作成するにあたっての参考資料にさせていただきます。

(6) 実際の申立に必要な書類

各裁判所に実際に申立を行う場合、上記の書類とは別に裁判所の事務手続に必要な書類などがあります。裁判所が各債権者に書面を郵送する際の切手や封筒です。

これは、通常弁護士事務所が用意しますので、ご依頼者様に用意していただく必要はありません。

また、切手代なども、ご依頼者様から既に受領している事務費用から捻出する場合がほとんどです。

2.申立後に追加で提出を指示される書類

以上の書類を裁判所に提出すれば、もう書類を提出しなくても良いというわけではありません。

「申立」は、あくまでも手続の申請をする段階ですので、手続を進めていく中で、裁判官や破産管財人(自己破産の管財事件の場合)、個人再生委員(個人再生の場合)に追加で書類提出を求められることがあります。

この書類は個々のケースによって異なることが多く、正直予想ができません。
しかし、追加で提出を指示された書類の準備については弁護士がサポートいたしますので、ご安心ください。

3.書類が揃わない場合はどうなる?

ここまで見ると、提出しなければならない書類が多く、書類集めから大変だと思われるでしょう。
しかし、自己破産手続きでも個人再生手続きでも、書類の収集と提出は非常に重要です。

まず、申し立て時に必要な書類が揃っていなければ、そもそも裁判所に債務整理の申し立てをすることができません

また、申立後に追加で提出を指示された書類を準備できなければ、手続きはそこでストップしてしまいます。最悪の場合、手続きがそこで打ち切られてしまい、自己破産や個人再生に失敗してしまうでしょう。

とはいえ、弁護士に依頼をしているのならば、代理で行える収集・作成作業は滞りなく行ってくれますし、債務者本人が準備しなければならない書類についても、必要書類一覧を作成してくれたり、書き方のアドバイスをしてくれたりします。

弁護士がついているならば、(債務者本人がいつまでも書類を準備しないということがない限り)書類の不備により手続きに失敗してしまうことはないのでご安心ください。

4.必要書類の収集についてもしっかりサポートします

自己破産や個人再生の書類収集には、少なからず労力が必要とされるのは致し方ありません。

しかし、自己破産や個人再生手続による解決実績が豊富な弁護士に依頼をすれば、この労力を少しでも減らすべく、必要書類の収集についてもご依頼者様を全力でサポートすることができます。

自己破産や個人再生をご検討されている方は、是非とも泉総合法律事務所へご相談ください。
債務整理に関する相談は何度でも無料です。

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