ソーシャルゲーム課金で借金地獄…ソシャゲで自己破産はできるのか?

自己破産

ソーシャルゲーム課金で借金地獄…ソシャゲで自己破産はできるのか?

最近、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)にはまって借金をしてしまう方が増えています。ソシャゲでゲーム内のアイテムを購入(課金)するために、借金をしてしまうのです。

ソシャゲで借金がかさんでしまったら、どのようにして解決したらよいのでしょうか?
今回は、ソシャゲで借金してしまったときに債務整理で解決する方法について、借金問題に強い弁護士が解説します。

1.ソーシャルゲーム(ソシャゲ)とは?

(1) ソシャゲとは

ソシャゲ」とは、ソーシャルゲームのことです。ソーシャルゲームとは、ブログなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)において提供されるゲームです。

自分のSNSのアカウントからそのまま利用することができて、内容的にも手軽なものが多いです。たとえば、牧場経営や町作りなど、少し時間があるときの隙間時間に遊べるもので、複雑なストーリーなどの要素は少ないものが多いです。

ボタンをクリックするだけでゲームを進めることができるので、仕事の合間や勉強の合間、暇つぶしに操作する人もいますし、毎日1回、定期的にソシャゲをチェックして進める人などもいます。

特に、明確なクリア目標などはなく、エンドレスに続いていきます。その意味で、従来型の大がかりなオンラインのネットゲームなどとは異なる点があります。

今は、パソコンやスマホなどでSNSを利用している人が非常にたくさんいます。ソシャゲは、こうした多くの人にリーチをかけて、たくさんの利用者を募ろうとするゲームモデルです。

実際に、老若男女問わず、ソシャゲにログインして遊んでいる方は全国にたくさんいます。

(2) 課金

ソシャゲにはたくさんのタイトルがありますが、多くは基本的に無料です。そこで、当初は「無料だから」「手軽にできるから」という軽い気持ちで始める方が多いです。

ところが、ソシャゲでしばらく遊んでいると分かることですが、たいていのソシャゲには「課金」システムがあります。課金とは、ソシャゲ内でゲームを進めたりアイテムを購入したりするために、現実のお金を払うことです。

ソシャゲ内のコインだけではなく「現金」を支払うことで、より有利にゲームを進めることができます。

たとえば、お金を払うとスピーディーにゲームが進んだり、強いアイテムやレアなアイテムを購入できたりします。
中でも、ユーザーがもっともお金をつぎ込みやすいのは「ガチャ」です。ガチャとは、抽選でアイテムをもらえるミニゲームのことです。ガチャでよいアイテムを入手できると、より有利にゲームを進められます。

ところが、ガチャでよいアイテムを入手するためには、課金が必要なことが非常に多いのです。もちろん、課金をしなくてもガチャはできますが、無料だと回数が限られ、良いアイテムを入手するためには何回もガチャを回す必要があり、そのためには課金することが必要となるのです。

(3) ソシャゲのガチャと景品表示法

ソシャゲのガチャに関しては、過去に「景品表示法」という法律違反を指摘されて問題になったこともありました。実際にはよいアイテムが出る可能性が高くないのに、よいアイテムが出やすいと表記していたゲームがあったからです。

また、以前には、ソシャゲやスマホゲームなどにおいて「コンプガチャ」と言って、特定のアイテムを複数揃えると、よりよいアイテムがもらえるというタイプのガチャがありました。こちらについては消費者庁が「景品表示法違反になる可能性がある」という見解を示したため、現在ではあまり見られなくなっています。

このように、ソシャゲでは、さまざまな方法で課金させるために、ユーザーの「もっとよいアイテムを当てたい」という人間の心理を巧みに利用してきます。このような「もっと良いアイテムがほしい」などという考えのことを、「射幸心(しゃこうしん)」と言います。

射幸心とは、偶然に頼って利益を得ようとする考えのことで、射幸心による行為を「射幸行為」と言います。射幸行為は、パチンコなどをする場合が典型例です。

2.ソシャゲで借金してしまうケースについて

最初に申し上げたとおり、最近ソシャゲで借金してしまう方が多いのですが、どうしてソシャゲで借金することになるのでしょうか?

(1) 途中から課金してしまうケース

ソシャゲでは、当初は無課金で遊ぼうと思っていても、はまってくるとガチャなどで課金してしまうケースが非常に多いです。特に、子どもや若い方はこういったゲームにはまりやすいです。

子どもが親のスマホやクレジットカードを勝手に使って課金してしまうこともあり、「高額な請求が届いて親がびっくりしてしまう」というケースもあります。若い方などがソシャゲにはまりすぎて、高額な請求が届いて払えなくなることもあります。

(2) ソシャゲの支払いのために借金をしてしまう

このようなとき、支払いができないならどのようにしたらよいのでしょうか?

請求を受けた人は、結局、「借金するしかない」と考えてしまいます。そして、手軽に借りられる消費者金融やカードローンなどでお金を借りて、ソシャゲの利用料金の支払いをしてしまいます。

いったん支払いをしてしまったら、また何事もなかったかのような元通りの生活となります。すると、またソシャゲで課金をしてしまいます。

こうして「ソシャゲで遊んで足りない分はカードローンで借りる」ということを繰り返しているうちに、だんだんと借金が膨らんで返済できなくなってしまうのです。

3.ソシャゲの借金は債務整理で解決できる

ソシャゲの借金は債務整理で解決できる

ソシャゲで借金がかさんでしまった場合、「債務整理」によって解決することができます。
債務整理とは、借金を整理するための手続の総称です。

手続の種類としては、主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。

(1) 任意整理

任意整理は、債権者(借入先)と交渉をして、借金の返済額と返済方法を決め直す方法です。

(2) 個人再生

個人再生は、裁判所を通じて、借金そのものを大きく減額する方法です。

ただし、上記の2つの債務整理の場合は、手続後に一定額の借金が残るので、それについては当然返済していくことが必要です。
全く返済能力のない人は、任意整理や個人再生は向いていません。

(3) 自己破産

返済能力のない人やソシャゲの借金が膨らみすぎている人は、自己破産を検討する必要があります。

自己破産とは、裁判所で「免責」をしてもらうことにより、一切の借金返済義務をなくしてもらう方法のことです。
自己破産すると、ソシャゲの課金のために借りた借金を一切返済しなくてよくなる可能性があります。

たとえば、学生で収入がないのにソシャゲで借金してしまったときや、若者で収入が少ないのにソシャゲにはまってしまったケース、無職で暇な時間にソシャゲにはまり、借金してしまったケースなどでは、自己破産が有効な解決方法となりやすいです。

4.ソシャゲで自己破産できるのか

(1) 自己破産の免責不許可事由について

「ソシャゲで借金をしてしまった場合、自己破産はできるのでしょうか?」

ソシャゲの課金は、人の射幸心を煽るものです。射幸心については先ほども少し説明しましたが、射幸心を煽られると、人は冷静な判断力を失い、普段はとらないような行動をとります。そこで、ガチャに100万円~数百万円ものお金をつぎ込んでしまうのです。

パチンコやパチスロ、競馬などのギャンブルと同じようなものです。

そして、破産法においては、射幸心による「射幸行為」によって作ってしまった借金については、「免責不許可事由」に該当します。免責不許可事由とは、その事情があると、免責をしてもらえないという一連の事情のことです(破産法252条1項)。

免責不許可事由があると、自己破産をしても免責を認めてもらうことができません。

また、ガチャのためではなく、単純にアイテム購入などのために借金をした場合でも、やはり免責不許可事由に該当する可能性が高いです。ゲーム内のアイテムは生活などに必須ではないことが明らかで、「不要なもの」です。そのようなもののためにお金をつぎ込むことは「浪費」です。

自己破産では、「浪費」によって借金したときにも、免責不許可事由とされているからです。

つまり、ソシャゲのアイテム購入やパラメータ促進、期間限定イベントへの参加、ガチャなどのためにお金を使って借金した場合、自己破産では解決できない可能性がある、ということです。

(2) 自己破産の裁量免責について

①ソシャゲの借金は、裁量免責を受けられる可能性が高い

ただ、免責不許可事由があっても、実際には免責を認めてもらえるケースが多いです。
自己破産には、裁量免責という制度があるからです。

裁量免責とは、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量で免責を認めることができる、という制度のことです。

実際の自己破産の場面では、パチンコパチスロ、競馬、株式投資、FX投資などで数百万円の借金がある方でも、裁量免責を受けて借金をなくしてもらっている実例がたくさんあります。
したがって、ソシャゲで100万円や200万円の借金があっても、たいていのケースでは、裁量免責を受けることができると言えるでしょう。

②管財事件になる可能性がある

ただし、そのためには、通常のケースよりも自己破産の手続が複雑になる可能性が高いです。
財産がほとんどない人の場合、通常は簡単な「同時廃止」という方法で自己破産を進めることができますが、浪費や射幸行為などの問題がある人の場合には「管財事件」という複雑な方法になってしまう可能性が高いからです。

管財事件になると、破産者は、破産管財人と面談を繰り返して、きちんと反省していることを伝え、今後は同じ過ちを繰り返さないことを理解してもらわなければなりません。

破産管財人が、「この破産者には裁量免責を認めるべきではない」と判断してしまったら、裁量免責が認められなくなる可能性もあります。

③自己破産をスムーズに進めるには弁護士に依頼

このように、ソシャゲでの自己破産をスムーズに進めるには、自己破産や債務整理に詳しい弁護士に依頼する必要があります。

泉総合法律事務所は自己破産にも積極的に取り組んでいるので、ソシャゲでの自己破産を考えていらっしゃる方は、是非一度ご相談ください。

5.もし自己破産できなかった場合には

(1) ソシャゲで自己破産できないケース

ソシャゲで借金がかさんでしまった場合、基本的には自己破産ができますが、稀に裁量免責が認められないこともあります。
たとえば、以前にもパチンコやパチスロなどのギャンブルで自己破産をしたことがあるケースなどでは、2度目の裁量免責が厳しくなりやすいです(それでも、裁量免責が認められることはあります。)。

また、自己破産をすると、基本的に財産を失ってしまいますが、自宅や車、預貯金など、どうしても失いたくない財産がある場合もあるでしょう。自己破産はイメージも悪いので、どうしても避けたいという方もいますから、ソシャゲで自己破産するのは嫌だという場合もあるでしょう。

そのようなときには、別の債務整理での解決方法をご提案しております。

(2) ソシャゲと任意整理

借入金額がさほど大きくなく、最低限の収入がある方の場合には、任意整理で解決することをおすすめしています。

任意整理なら、裁判所を介さないので、比較的に簡単に借金問題が解決できます。アルバイトやパートの方でも任意整理は可能です。

(3) ソシャゲと個人再生

ある程度の借金がかさんでいるなら、個人再生をおすすめします。

個人再生なら、住宅ローンがあっても、住宅ローン以外の借金を減額してもらうことができるので、自宅を守ることも可能です。

(4) 自己破産のデメリットを避けられる債務整理手段

任意整理や個人再生の場合、自己破産の免責不許可事由に相当する規定がないので、射幸行為や浪費による借金でも、問題なく整理することができます。

また、これらの手続では、債務者の財産が失われることは基本的にはありません。家族に知られずに債務整理をすることも可能ですから、ソシャゲによる借金を親や配偶者などに知られたくない場合にも、安心して利用することができます。

6.ソシャゲが原因の借金も泉総合法律事務所へ

ソシャゲで借金がかさんでしまった場合、放っておくと督促状が届きます。それでも放置していると、最終的には裁判を起こされて、財産や給料を差し押さえられてしまいます。

そのような状態を放っておくと、平常心で居続けることが難しくなり、ソシャゲどころではなくなってしまいます。

ソシャゲでの借金は、自己破産を始めとした債務整理によって解決させることができます。ケースによって最適な解決方法が異なるため、当事務所の弁護士にご相談いただけましたら、その方に応じた最適な解決方法をご提案いたします。

ソシャゲによる借金を抱えていて、誰にも言えずに困っている方、どうしたらよいか分からなくなっている方は、まずはお早めに泉総合法律事務所までご連絡いただければと思います。ご相談は何回でも無料ですので、どうぞご安心ください。

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