債権者集会とは?出席義務・内容・場所・服装・持ち物を詳しく解説

自己破産

自己破産と債権者集会。出席は義務?内容・場所・服装・持ち物は?

債権者集会」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?たまにドラマや報道番組などで債権者集会の様子が放映されますが、その内容は、必死に謝る債務者(破産者)に債権者が怒号や罵声を浴びせるといったものが多いです。

もしあなたが自己破産をしたとしたら、そのうち裁判所から債権者集会を開くと言われるかもしれません。

自分も映像の中の債務者と同じようになるのかと思うと、憂鬱になる人も多いのではないでしょうか。

しかし、債権者集会の実態は全く違います。

この記事では債権者集会の正しい内容を、弁護士がお伝えしていきます。債権者集会へのイメージが変わりますので、ぜひご一読ください。

1.債権者集会とは?

まず、自己破産をしたからといって、必ず債権者集会が開かれるとはかぎりません。

自己破産の場合、「同時廃止」と「管財事件」のどちらかの手続が行われますが、債権者集会が開かれるのは「管財事件」の場合のみです。

(1) 同時廃止

同時廃止とは、自己破産を申立てた人にほとんど資産がない場合に行われる手続です。

自己破産の際には、自己破産する人の財産を調査し、管理し、必要に応じて処分してお金に換える「破産管財人」という弁護士が選任されます。

破産管財人には裁判所が指定した弁護士が就任しますが、資産がほぼ無いような破産申立人に破産管財人をつけたところで、破産管財人に支払う費用を用意できないことがほとんどですし、そもそも管理すべき財産自体がありません。

このため、破産宣告と同時に破産手続を終わらせてしまいます。これが「同時廃止」です。

(2) 管財事件

管財事件は同時廃止とは違って、破産申立人に資産がある場合や、ギャンブルなどの「免責不許可事由」がある場合に行われます。

この場合は破産管財人が選任されます。破産管財人は破産申立人の資産や負債を調べ上げ、資産を処分してお金に換え、各債権者の持つ債権額に応じて平等に配当します。

破産管財人が破産申立人の財産を調査するので、万が一隠している財産があっても見つけ出されて債権者への支払いに回されます。

管財人に支払う費用は破産申立人の負担とされています。管財人の報酬は裁判所が定めた基準で決定されますが、その金額は概ね200,000円です。

※破産管財人について、「破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?」の記事で詳しく解説しています。

※免責不許可事由について、「免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!」の記事で詳しく解説しています。

2.債権者集会の目的と内容は?

もしあなたが破産したとしても、財産がほとんどない「同時廃止」の場合は、債権者集会なしで破産手続が行われます。しかし、もし管財事件で行われた場合は債権者集会が開催されます。

債権者集会に臨む前に、そもそも債権者集会がどのような目的で開催されるかを知っておきましょう。債権者集会は、破産手続開始決定後2~4ヶ月程度経過した頃に、裁判所の管理下で開催され、裁判所内の1室で行われます。

債権者に破産手続の情報を明らかにし、債権者の意見を反映させ、破産した結果などを報告することが主な目的です。破産手続の情報にはいろいろなものがあり、情報の内容に応じて債権者集会が複数回開かれることもあります。

(1) 財産状況報告集会

破産手続の開始が決定されると最初に開かれる集会です。破産に至った過程や破産申立人の財産状況を債権者に報告するために行われます。

財産の状況を明らかにすることが目的です。

(2) 廃止意見聴取集会

債権者の意見を聴くための集会です。債権者による質問に対して回答することになります。

(3) 計算報告集会

破産管財人が破産申立人の資産と負債額を調べ、どの債権者にいくら配当を渡せるか計算した結果を報告する集会です。

ある意味債権者が最も気にすべき部分と言えます。

(4) 任務終了報告集会

管財人の任務が終了したことを報告する集会です。破産手続の終了でもあります。

(5) 債権者集会は何回?

これら4種類の債権者集会は、1回の期日内に全て行われることもありますし、同じ種類の集会が何回か行われることもあります。

目的に応じて開催される回数が違うので、何回集会を行えば終わるのかという基準はありません。

3.債権者集会の流れ

ここでは、イメージしやすいように、全種類の債権者集会が1日で終わるケースの流れを紹介します。

出席する人は以下の通りです。

  • 裁判官
  • 破産管財人(裁判所が選任した弁護士)
  • 破産申立人
  • 破産申立人の代理人(破産申立人が依頼した弁護士)
  • 債権者

債権者集会が始まると、まずは破産申立人の財産状況が破産管財人から説明されます。これが財産状況報告集会に相当します。

次に、破産管財人が計算した結果、それぞれの債権者にどのような配当を行えるかが報告されます。これが計算結果報告集会となります。

その後、廃止意見聴取集会に相当する質疑応答が行われます。

質疑応答が終わり、次回期日があるのであれば日時が決定されます。次回がないのであれば任務終了報告集会に移り、破産手続は終了となります。

2回目以降の集会が行われるのは、最初の集会までに管財人が破産申立人の財産を処分して換価できなかった場合が多いです。

以降の集会で換価が終わったことが報告されて、その後2~3ヶ月かけて配当が実行されます。

破産手続が終わると、借金をゼロにするかどうかを決める「免責審尋」が行われます。

自己破産の目的が借金の棒引きである場合、重要度はむしろ免責審尋の方が高いかもしれません。

【参考】自己破産での免責審尋とはどういう手続きか?流れと内容、注意点

4.債権者集会の実状と意味

ここが1番気になっている人も多いかと思います。

結論を言えば、債権者集会で怒号や罵声が飛び交うことはほとんどなく、テレビで見るような恐怖感は全くありません。

個人が破産する場合、債権者は銀行やクレジットカード会社などの金融機関が多くなります。そういった債権者は破産に関して慣れていますし、そもそも裁判官が同席する債権者集会で荒っぽいことを起こすはずがありません。

また、個人の自己破産の場合は法人の場合と違って債権者が参加しないことが多く、参加しても質疑応答で何も言わないケースが大半です。

集会自体も5~10分程度の時間で終わることがほとんどで、吊し上げを食らうのではないかとビクビクしていた破産申立人が拍子抜けしてしまうほどです。

テレビなどで報道される債権者集会が大荒れになるのは、実際は債権者集会というよりも「債権者への説明会」だからです。

しかも、大型倒産や計画倒産を疑われる事件のみ取り扱われて繰り返し報道されるので、「債権者集会=怒号が飛び交う」というイメージが定着したのだと考えられます。

5.債権者集会についての知識

最後に、債権者集会のために知っておくとよいことをご紹介していきます。

(1) 必要な持ち物

特にありませんが、自分が依頼した弁護士が指定した書類を持っていくこともあります。

念のため、筆記用具や書類入れ用の鞄を持っていくと何かあったときに安心です。

(2) 服装

ラフな格好をしていると、債権者集会と免責審尋で裁判官の心証が悪くなる可能性があります。

スーツとまでは言いませんが、着崩しすぎない服装で臨んでください。

(3) 期日は変更できるか

期日の変更はできません。

病気など仕方のない理由で出席できない場合は、裁判所に事前に連絡し医師の診断書を添えるなどの要件を満たすことで、弁護士が代理人として出席できることがあります

もし自分が出席できない場合は、すぐに依頼した弁護士に相談してください。

(4) 破産申立人が欠席したら

説明義務を果たしていないとして、免責不許可事由(借金をゼロにしない理由)に該当する可能性があります。

(5) 債権者集会では何を言えばいいか

基本的に何も言う必要はありません。管財人や自分の代理人弁護士が進行してくれます。

何か発言を求められたら、「代理人にお任せしております」などと対応すれば充分です。

こういった注意点の詳細は事前に弁護士から教えてもらえますので、それに従ってください。

6.まとめ

債権者集会の目的と流れ、そして債権者集会は怖くないということがご理解いただけたと思います。
何かイレギュラーなことがあっても、基本的には弁護士に任せておけば大丈夫です。

自己破産を含む債務整理が必要であれば、弁護士に相談し、一刻も早く解決することをおすすめします。債務整理の実績が豊富な泉総合法律事務所にどうぞお任せください。

ご依頼者様が置かれていらっしゃるご状況に応じた最適な方法で借金問題を解決いたします。

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