自己破産 [公開日]2018年5月16日[更新日]2021年2月16日

老後破産の不安も弁護士へ相談を

老後の生活に心配があるという人は増えており、実際、老後に自己破産をしなければならなくなるケースも散見されます。

年金生活だけでは十分な暮らしができず、生活が困窮し破産状態になってしまうことを「老後破産」と言います。
厚生労働省の平成28年度の統計(厚生白書)では、65歳以上の高齢者の5人に1人が生活保護世帯であり、高齢者が生活保護受給世帯の半分を占めているというデータがあります。

老後破産は今後迫ってくるであろう社会問題ではなく、今現在実際に起きている問題です。

今回は、「老後破産」について、老後の生活に困窮してしまった場合の対処法、高齢者の自己破産で知っておくべきことを解説します。

1.老後に生活に困窮してしまった場合の対処法

多くの方は「定年後は退職金と年金で生活できるから大丈夫」と考えています。

しかし実際には、年金生活前に度重なる病気や必要な出費などで十分な資産を形成できないまま老後の生活が始まります。
人生100年時代ともいわれている中で、必要十分な暮らしをもって最後を迎えるためには、遅くとも50代から準備をしておかないと間に合わないといわれています。

では、老後に実際に生活に困窮してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

年金生活前の場合、年金生活後の場合、借金が重くのしかかる場合の3つのケースに分けて対処法をご説明します。

(1) 年金生活前の場合

「年金受け取り(65歳)までまだあと数年ある」という場合で、徐々に生活が厳しくなってきたという方も多いでしょう。
この場合は、以下の対処法を実践することができます。

  • 無駄な出費を省く
  • アルバイトをする
  • 年金を繰り下げ受給する
  • 確定型拠出年金、積立NISAなどを活用する

老後では、多くの方が過去の生活水準を保とうとして失敗してしまいます。
老後の収入は減るものですので、まずは遊交費にかけているお金を削り、贅沢をしている部分を削っていきましょう。

60歳で早期定年を迎えた方の場合は、そこからアルバイトをするなどしてできるだけ収入が減らない工夫も可能です。

収入が安定している場合は、年金の繰り下げ受給も検討してください。年金は65歳から受給ですが、70歳までの間繰り下げ受給をすることが可能です。

現在の資産を増やすためには確定型拠出年金や積立NISAなどを活用する方法もありますが、これらはリスクも鑑みた上で利用するようにしましょう。

(2) すでに年金生活の場合

すでに65歳以上で年金生活に入っている場合、生活が苦しくなってきたら資産を売却することを考えましょう。
具体的には以下の通りです。

  • 家、車などの資産を売却する
  • 子どもの扶養に入る
  • 生活保護を受ける

現在家のローンが残っているという方は、売却して得た利益で賃貸に済む方法も検討すべきです。
家を所有しているとローン代だけではなく、固定資産税が毎年かかるなど経費がかかります。

また、自動車は購入費用だけでなく、その後の維持費で相当な支出をします。
どうしても車が必要な時はカーシェアリングを取り入れるなど、経費を最低限に抑える工夫をしていくのがおすすめです。

一人で生活する、あるいは夫婦で生活するのが難しいという場合は、子どもの扶養に入ることも検討しましょう。

どうしても生活がままならなくなったら、生活保護という選択肢もあります。
生活保護を受給する場合には、お住まいの地域の市役所にご相談ください。

(3) 高齢で借金がある場合

借金が生活を厳しくしているという場合は、自己破産を検討すべきです。

「高齢でも自己破産は可能か?」など心配される方もいらっしゃいますが、自己破産に年齢制限はありません。

[参考記事]

自己破産に年齢制限はあるのか?|未成年、高齢者の場合

借金は亡くなった後でも相続されてしまうので、子どもたちに迷惑をかけないためにも、生前に自己破産をしておくことはおすすめです。

自己破産をすれば、ほとんど全ての債務が免除されます。
自己破産は「支払い不能」状態であることが必要となりますが、高齢の場合は安定した収入を得ることも難しいことから、少額の自己破産でも認められやすい傾向にあります。

自己破産は生活の負担を軽くすることができる点で有効な対処法です。しかし、メリットだけではなく、家や車など価値ある資産がある場合は売却しなければいけないなどのデメリットもあります。

自己破産を選択する場合は、専門家である弁護士に相談した上で進めていくのが得策です。

2.高齢者の自己破産で知っておくべきこと

次に、高齢者の自己破産の注意点を知っておきましょう。

(1) 認知症の場合は、成年後見人が必要

高齢者の場合、ご本人が認知症を患っているケースもあります。その程度によっては、ご本人で自己破産の意思表示をすることが困難と考えられるため、家庭裁判所にて成年後見人の選任が必要です。

ご家族がご両親の自己破産を依頼する場合や配偶者が自己破産を依頼する場合には、まずは弁護士に相談してください。
認知症を患っていること、その程度が重いことを説明すれば、成年後見人の手続きも含めて、自己破産の手続きを進めることができます。

認知症を患っている場合は、今後借金をする可能性も低いため借金が生活苦を招いている場合には適切な選択肢の1つです。

ご本人が亡くなった後に借金が発覚した場合よりも周囲への影響が少なく済みますので、お悩みの方はお早めに弁護士にご相談ください。

(2) 年金で形成した預金等は処分される可能性

年金を受給している場合、「自己破産をすると受給資格がなくなってしまうのでは?」と心配になることもあるでしょう。

結論からいって、自己破産をしても受給資格が奪われることはありません。これからも継続して年金を受け取ることは可能です。

もっとも、1つ注意が必要です。すでに受け取っている年金で預金として口座に預けているお金や現金は、自己破産で処分の対象になります。

たとえ元が年金であったとしても、総額20万円を超える預金や99万円を超える現金は処分の対象です。

ちなみに、手続きが開始された後に受け取った年金は処分されませんので安心してください。

3.老後破産が心配なら弁護士に相談を

老後破産になりそうだと不安がある場合は、弁護士に相談してください。

借金が原因なら、自己破産をすることで生活が楽になります。他にも生活保護を受給するなどの公的支援を受けられる可能性があります。

ご夫婦だけ、お一人だけで悩まないことが大切です。老後破産の心配がある方は、一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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