他人事ではない!悲惨な老後破産の現実と現状・今からできる対策

自己破産

他人事ではない!悲惨な老後破産の現実と現状・今からできる対策

老後破産という言葉を、テレビの特別番組でも聞くことが多いと思います。

それだけ老後破産してしまう人が多いということですが、具体的に、どのような人が老後破産している状態といえるのでしょうか。また、自分がそうならないように、どのような対策をすればいいのでしょうか。

1.老後破産とは

(1) 基礎知識と現状

一般的に、破産とは、債務者が借金の支払不能又は債務超過の状態にあることをいいますので、これを当てはめると老後破産とは、高齢者が支払不能状態にある場合を言うものと考えます。

また、厚生労働省の平成28年度厚生白書によりますと、生活保護世帯の約5割以上が、65歳以上の高齢者という統計がでています。そして、65歳以上の高齢者の5人に1人が生活保護世帯となっています。

現代においては、現役でバリバリ仕事をしている時は暮らしに困ることがなかったのに、退職後に自己破産に至るようなケースが増大しています。

ちなみに、東京都が実施した高齢者の実態調査においても、約7割の高齢者が仕事をしており、加えて、仕事をしていていない高齢者の3割が、仕事をしていない理由として年齢制限で働くところが見つからないからといいます。
高齢者は、収入を得るために仕事を求めているのです。

他方、収入源については公的な年金が収入源の1位を占めており、毎月の収支についてはほぼ赤字となると回答したものが、上記調査において約2割を占めていることからも、退職後も収入を得る必要があることを如実に表しているものと思われます。

(2) 老後破産の原因

①住宅ローン返済

自宅を持つことは、ある意味一家の主としての夢であるとも思えます。しかし、一部の資本家を除いては、住宅ローンは退職前の給料があるからこそ支払えるものなのです。

定年後は、高額な住宅ローンをいつまでも支払うことはできません。住宅ローンの支払いのために貴重な老後の生活資金を費消し、老後破産に陥ったケースがあります。

②高額医療費

高齢になれば、重い病気にかかる可能性が高くなります。日本国の財政赤字の原因の一つが社会保障費の高騰であるといわれており、重い疾病にかかった場合には保険治療では助かりません。

その時に備えて医療保険をかけておくべきなのですが、これを怠り、高額医療費のために貴重な老後の生活資金を費消し、老後破産に陥ったケースがあります。

③高齢出産

定年(60歳)を超えて、子どもの教育費を満額支出し、かつ自分の老後の資金も確保することができる人がどれだけいるでしょうか。

単純に考えて、子どもが大学を卒業するまで22~23年かかります。そこから逆算すると、37、38歳までの子どもでないと定年までに教育費を払い終えることは厳しいと言えます。

子供の教育費のために自らの貴重な資金を浪費してしまい、自己破産に追い込まれる者は跡を絶ちません。

④成人した子供との同居

定年後の生活設計において、収入が減少するのですから、支出もそれに合わせて減らす必要があります。そして、支出は3人より2人、2人より1人の方が少なくなります。
また、食費などの支出は若者の支出よりも高齢者の支出の方が少なくなります。

ですが、成年した子どもがいつまでも親もとで生活している場合があります。

それぞれの家庭には様々な事情があり、一概には言えないのですが、少なくとも収支という点からすると、定年までは就業している親の給料から子どもの分を含む生活費を支出することになりますが、親の定年後は親が老後のために貯蓄している資金から支出せざるを得ません。

このような場合に老後破産となるケースは跡を絶ちません。

⑤生活設計が甘い

自分の収入はいつまでもあると思い、趣味や嗜好品にお金をかけている人がいます。確かにどのようなライフスタイルを持つかは個人の自由ですが、中には定年後もこのようなライフスタイルを続けられると考えている人もいます。

実際にはそのような人は一部の資本家以外はいません。自分のライフスタイルを現在の収入に照らして調整できなかったために、浪費してしまい、老後破産に陥ったケースもあります。

⑥「宵越しの金は持たない」主義の人

「宵越しの金は持たない」とは、その日の収入はその日のうちに使ってしまう人のことをいいます。

先ほどの例と同様なのですが、その日暮らしとほぼ同義です。そのために、自分の人生に対し長期的なライフプランを持っていません。

したがって、定年前と同じ生活を老後も続けられると考えて浪費を積み重ね、やがて老後破産してしまうケースです。

3.老後破産の対策

以下では、老後破産しないためにできる対策について解説します。

(1) 定年前から貯金をする

当たり前ですが、定年後は収入がなくなるわけですから、定年前から老後の生活資金を貯蓄しておかなくてはいけません。年金支給額がどの程度低減するかはわかりませんが、少なくとも今よりは低減することが予想されます。

そこで、定年前から給料の一定額を貯蓄しておくように心がけましょう。なお貯金が長続きする方法として給料の支給日に天引きされる方法がいいという話もありますので、ご参考にしてください。

(2) 浪費癖をつけない

定年前から染みついた浪費癖は、定年後にいきなりリセットできるものではありません。

そこで、定年前から過度の浪費がないか常に生活に気を配って、物やサービスに対し支出するときには、この物・サービスは本当に必要な物なのかを常に考えて支出するという癖をつけておくのです。

そうすると、浪費癖は自然と無くなるはずです。

(3) 子どもと話し合う

定年後の生活の現実を直視した場合、子どもに対しいつまでも生活費を支出することはできないことはすぐに分かると思います。

家族で現実的な話をすれば、子どももそのことくらいは分かるはずです。そうすることで子どもに自立を促し、本当の意味で成長してもらいましょう。

(4) うまい儲け話はないと自覚する

退職金などのまとまったお金が入ると、うまい儲け話がどこからか入ってきます。そこに乗せられてしまうと、貴重な老後の生活資金が逸失してしまいます。

そこで、常にうまい儲け話はないと自覚しておきましょう。また、そのような話があったときには自分のみで判断せずに、家族や知人又は専門家に相談しましょう。

(5) 健康でいる

定年後も収入を得るためには不労所得に依存するのもいいですが、仕事をしましょう。そのためには健康です。

早寝早起き、粗食、適度の運動などの健康であるために必要なことでお金がかからないことを習慣づけましょう。病気になって収入が増えた人はいません。

4.老後破産してしまったら

(1) 自己破産

高齢者が収入減で借金を重ね、それが支払不能となってしまった場合には、自己破産の申立をします。自己破産の際に、免責の申立もすることで、借金の支払いが免除されます。

ただし、自己破産すると、自宅は売却されることになり、またクレジットカードの利用もできなくなります。

なお一度自己破産すると7年間は自己破産することはできなくなりますので、ご注意ください。

(2) 生活保護

自宅を失い、収入が年金だけとなると、年金額が多額であればいいのですが、おそらく、公務員や大企業の年金でない限り、年金収入だけで家賃や生活費のすべてをまかなうことはできないでしょう。

このような場合には生活保護の申請を行って、生活保護金で生活していくしかありません。

5.まとめ

老後破産してしまう人は現在非常に多く、決して他人事ではありません。老後破産してしまったという人は、自己破産を検討する必要があります。お一人で悩まずに、弁護士へ相談してみてください。

泉総合法律事務所は、様々な債務整理案件の解決実績があります。ご相談者様一人ひとりに寄り添い、最適な債務整理方法をご提案しますので、是非お早めに当事務所の無料相談をご利用ください。

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