自己破産 [公開日]2018年2月28日[更新日]2021年1月15日

お金を貸した相手が自己破産したら泣き寝入りしかない?

自己破産開始決定の通知が債権者に届いた場合、自己破産に成功すれば(免責許可決定が出れば)債務者の借金支払い義務がなくなります。

よって、お金を貸した相手(債務者)が自己破産をした場合、満額は返してもらえず、原則として泣き寝入りになる可能性が高いと考えるべきです。

しかし、場合によっては債務が免除されないケースや一部返ってくる可能性もありますので、債権者の側でもきちんと通知内容を確認すべきでしょう。

今回は、「お金を貸した相手が自己破産したらお金は戻ってこないのか?」という疑問に焦点を当て、債務者に自己破産された場合に債権者が取るべき対応について解説します。

1.お金を貸した相手が自己破産した場合

自己破産は、多重債務者の経済的更生を図るための手続きです。

裁判所が免責(借金を0にすること)の許可を出した場合には、当該債務者が抱える債務は原則としてすべて免除されます。
つまり、自己破産した人に貸したお金は返済する義務がなくなってしまうため、戻ってこないということになります。

しかし、残っている借金の全額について必ずしも諦めなければならないというわけではありません。

債務者にとって自己破産は、抱えている借金のほとんど全てが免除されるため、借金負担が一気になくなる夢のような手続きと言えます。

一方で、自己破産をすると、債務者が所有している財産があれば一部換価・処分され、債権者に分配する手続きが取られます。生活に必要な最低限度の資産以外は弁済に充てられてしまうのです。

債務を免除するだけでは債権者にあまり不公平となってしまうため、債務者・債権者間の公平を図るために資産の分配手続きが行われています。

2.自己破産開始決定通知が届いた際の対応方法

自己破産の開始決定通知が届いたら、債権者としては取るべき対応があります。

特定の債務者からの自己破産に関する通知が届いた場合には、以下の対応を取る必要があるでしょう。

  • 届いた通知内容を確認する
  • 同時廃止か管財事件かを確認する
  • 期限までに破産債権届出書を提出する
  • 必要な場合は、意見書を提出する
  • 債権者集会への出席の可否を決定する

まず、どんな通知が届いたのかを確認しましょう。

弁護士からの受任通知であれば、債務整理の種類や取り立て禁止に関することが書かれています。

裁判所からの破産手続き開始決定通知の場合には、同時廃止か管財事件なのかを確認することが大切です。
管財事件では配当の手続きがあるため、今後配当を受け取れる可能性があります。

[参考記事]

自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・注意点を解説

管財事件の場合には、破産債権届出書が一緒に同封されているため、必要事項や同封すべき書類を集めて提出しましょう。
この手続きをしなかった場合には配当を受けられない可能性があるので注意すべきです。

また、免責に関する意見を債権者が提出することができます。内容としては「免責不許可事由があるため、自己破産を認めるべきでない」というものです。

これは同時廃止・管財事件どちらでも可能です。
もっとも、これが免責許可に影響する可能性はかなり低いと考えられるため、意見を出すかどうかは自由です。

管財事件の場合には債権者集会に出席することも可能です。債権者集会では、破産管財人の調査の内容の報告を聞くことができます。

出席は義務ではありませんので欠席しても構いません(実際、出席する債権者は少ないです)。
勿論、欠席が配当に影響することもありません。

3.自己破産した人からお金を返してもらう方法

最後に、自己破産した人から債権者がお金を返してもらえる可能性について見ていきましょう。

(1) 配当がある場合

管財事件の場合には、破産者から回収した資産を平等に債権者に分配する手続きがあります。
これによって債権者は一定のお金を受け取ることができる可能性はあります。

しかし、債務の全額を返済してもらえることはないため、多少のお金が返ってくるのみと考えるべきです。

(2) 保証人がいる場合

保証人がいる場合には、保証人に対し破産手続きを開始した時点で一括全額返済を求めることが可能です。

もっとも、保証人にも支払い能力がない場合には、保証人も債務整理などの手続きを行う場合があります。

(3) 非免責債権である場合

非免責債権とは、自己破産しても免責の対象とならない債権のことです。

代表的なものとしては、破産者が悪意で加えた権不法行為に基づく損害賠償請求権、養育費、婚姻費用などに関する請求権です。
この場合は、自己破産してもこれまで通りお金を受け取ることができますので、不安がある場合は弁護士に聞いてみましょう。

[参考記事]

自己破産したら損害賠償も免責される?非免責債権と損害賠償請求権

(4) 自己破産後に任意の弁済は可能

自己破産後に個人的に返済をしてもらうというケースはあり得ます。

自己破産では、あくまで返済義務がなくなるだけです。
つまり、自己破産後でも、債務者が好意として返済する分には問題ないのです。これを法律上は「自然債務」といいます。

ただし、ここに返済強要などがあれば恐喝罪等で逮捕される可能性がありますので、自己破産後に取り立てをすることは絶対にしないようにしてください。

4.債務者が自己破産をしたら弁護士に相談を

債務者が自己破産をすると、お金は原則として戻りません。

しかし、配当を受けられる可能性はある他、非免責債権である場合や保証人がいる場合にはお金を受け取ることができる可能性があります。

これらに該当する可能性がある場合には、自己破産者からの債権回収を受任している弁護士にご相談ください(なお、泉総合法律事務所では、自己破産者からの債権回収についてのご相談はお受けしておりません)。

また、当事務所では「自己破産をしたい」という相談を数多く承っております。
破産後の財産の分配などについても詳しくご説明しますので、借金問題でお困りの方は、是非一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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