自己破産の「免責」ってなに?どのような効果があるのか

[公開日]2019年7月16日

自己破産をする大きな目的は、裁判所から「免責」を受けることです。

たまに見聞きする「免責」という言葉ですが、これは一体どういった意味なのでしょうか?
そして、免責を受けるためには何をすればいいのでしょうか?

本記事では自己破産を検討している人に向けて、免責の意味や効果、さらに免責が不許可になった場合の対処法を解説していきます。
自己破産をする前にぜひお読みいただければと思います。

1.自己破産における「免責」とは

「免責」を簡単に説明すると「借金をゼロにする手続」のことです。

自己破産は「破産手続」と「免責手続」で構成されています。

まず「破産手続」とは、自分が持つ一定以上の財産を処分してお金に換えて、債務者に弁済する債務整理です。
それでも弁済しきれなかった借金については、「免責手続」によって帳消しにするどうかを裁判所が判断します。

一般に、「免責を受ける」とは、裁判所に借金をゼロにしてもらうという意味で、「免責を受けられなかった」という言葉は、借金をゼロにしてもらえなかったという意味です。

自己破産を行う人の多くは、借金をゼロにしてもらうことを目的としているはずです。
免責を受けられなければ自己破産をする意味がないとも言えるので、自己破産を行うときは免責を受けられるように最善を尽くすことが大切となります。

2.免責による効果

免責を受けると借金がゼロになると述べましたが、免責の効果はそれだけではありません。

もう少し具体的に免責の効果を見ていきましょう。

(1) 非免責債権以外の借金がゼロになる

借金がゼロになると書きましたが、正確には「非免責債権」以外の借金がゼロになります。

非免責債権とは、文字通り免責されない債権のことで、税金や社会保険料、養育費等がこれに当たります。
また、故意や重大な過失等で他人を傷つけたことによる損害賠償債務等も非免責債権です。

非免責債権があると免責を受けても借金が残ってしまうため、自己破産をする意義が薄くなってしまう可能性があります。

自分の借金に非免責債権が含まれているかどうか気になる人は、弁護士に相談して確認しておきましょう。

(2) 給与の差し押さえが解除される

もし給与の差し押さえを受けている場合、破産手続開始の決定を受けたときに差し押さえ等の強制執行手続が止まります

しかし、すぐに給与の全額が支払われるというわけではありません。

自己破産には「管財事件」と「同時廃止」という2種類の手続があります。
管財事件は破産申立人に一定以上の財産がある場合等に適用され、同時廃止は破産申立人にさしたる財産がない場合に適用されることが多いです。

管財事件の場合は破産手続開始決定が出れば給与の差し押さえが失効し、差し押さえから解放されます。

しかし、同時廃止の場合は破産手続開始決定により給与の差し押さえ手続が中止されますが、免責の確定まで失効はしません。給与を満額受け取れるようになり、差し押さえられていた分のお金が戻ってくるのは免責を受けた後なのです。

給与の差し押さえについては以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

(3) 復権する

自己破産手続中は様々な制約を受けます。
これらの制約が解かれることを「復権」と言い、免責が認められたら復権することができます。

自己破産手続中の制約については以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

自己破産における破産者の復権とは?

(4) 官報に載る

官報とは、国が発行している機関紙です。
自己破産をすると破産手続開始決定から約2週間後にその旨が官報に掲載され、氏名住所等も同時に公開されます。

免責されるとやはり役2週間後にその旨が官報に掲載されます。

詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

官報とは?自己破産・個人再生をするとことで掲載されるリスク

3.免責許可決定と確定の違い

自己破産をして、無事に免責を受けることができたとします。
免責を受けると裁判所から免責許可決定通知が送られてきますが、実はこの時点では免責が確定しているわけではありません。

免責は官報に掲載された日の翌日から2週間後に「確定」し、そこではじめて効果が発揮されて借金がなくなります。

官報に免責の事実が載るのは免責決定から約2週間後なので、免責許可決定後から免責確定までの期間は約4週間、ほぼ1ヶ月かかってしまうのです。
そしてこのとき厄介なのは、免責が確定したことを示す書類が裁判所から届かないことです。

「免責を許可します」という通知は来るのですが、「免責許可が確定しました」という通知が来ないので、破産を申立てた人は不安になってしまいます。

免責の確定を知らせる書面が欲しい場合は、裁判所に「免責許可決定確定証明書」を申請する必要があります。

免責の確定日を記した書類が手に入るので少し面倒ですが、欲しい人は申請を行ってください。基本的に申請したその日に発行されます。

4.免責不許可になった場合の対処法

免責が不許可になる確率は極めて低いです。
もっとも、仮に自己破産をしても残念ながら免責されない場合はどうしたらいいでしょうか。

当然ながら借金もゼロにならないわけですが、この状態から打てる対策にはどのようなものがあるのでしょうか?

(1) 時効を待つ

借金には消滅時効というものがあります。一定期間経過すれば借金は消滅するのです。
これを狙ってそのまま放置するという方法がありますが、あまり現実的ではありません。

時間がかかりますし、債権者も時効の成立を阻止しようと策を講じてくるからです。
別の方法を考えた方がいいでしょう。

(2) 即時抗告する

即時抗告とは、平たく言えば裁判所に「もう一度審理してください」とお願いすることです。

即時抗告は、免責不許可の判断をした原裁判所(地方裁判所)に対して「即時抗告申立書」、「抗告状」といった書面を提出することにより行います。これらの書面の宛名は高等裁判所で、提出先が原裁判所になります。

即時抗告は裁判所から免責不許可通知が届いてから1週間以内に行う必要があります。
急がなければならないので、速やかに弁護士と連携して手続を行ってください。

(3) 他の債務整理をする

任意整理や個人再生といった、自己破産以外の債務整理をして検討みるのもいいでしょう。
どちらも借金を帳消しにする効果はありませんが、借金の内容によっては一定の効果を望めます。

しかし、できれば自己破産の前に弁護士に相談して、自己破産をする前に任意整理か個人再生を選択しておくべきです。

そうすれば無駄に自己破産をして、手間や時間を浪費せずに済む可能性が高いはずです。
自己破産の前には必ず弁護士とは打ち合わせをしてください

5.自己破産するなら事前に弁護士へ!

自己破産をしても免責が受けられなければ、借金問題は解決しません。
もし自己破産をするときは予め弁護士に相談し、自分は免責を受けられそうか、受けられそうにないならどのような解決策があるのかを確認してください。

借金問題に詳しい弁護士なら、相談者の状況にあった最適な解決方法を教えてくれるはずです。

借金のことを人に相談するのは恥ずかしいかもしれませんが、弁護士はその道のプロであり、親身になって相談者の話を聞いてくれます。借金問題でお悩みの方は、安心して泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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