自己破産 [公開日]2017年10月10日[更新日]2020年10月28日

住宅ローンがある場合の自己破産|住宅を残す方法とは?

消費者金融等からお金を借り入れ過ぎてしまい自己破産が必要になった場合でも、今住んでいる家(マイホーム)があれば、以降も住み続けたいと思うのが通常でしょう。

しかし、以下で説明するように、自己破産後も住宅ローン等で購入した住宅を残せるケースは限られています。
とはいえ、可能性が0というわけではありません。

ここでは、住宅ローンを組んだ人が自己破産をした場合に住宅を残す手段・方法などについてご説明します。

1.自己破産と住宅ローンの関係

自己破産することにより、自分が抱えている借金の返済義務は免除されます(税金等の特別な債務を除く)。

その代わりに、自己が所有する資産の多くは、生活必需品等を除き処分・換価され、債権者(お金を貸した側)に配当されてしまいます。

つまり、手持ちの財産を処分して返済に充てた上で、それでも残った借金の支払い義務を免除してもらえるのが、自己破産手続きだとお考えください。

なお、自己破産で処分をされるのは破産者名義の財産だけですので、家族名義の財産については処分されることはありません。

(1) 住宅ローンを完済している場合

上記の通り、自己破産をすると自己が所有権を持つ高価な財産は処分されます。これは住宅等の不動産も例外ではありません。

よって、住宅ローンを完済し終えた持ち家は、破産手続の中で管財人弁護士(破産する人の財産を調査・管理・換価するために裁判所から選任される弁護士)により処分されることになります。

(2) 住宅ローン返済中の場合

住宅ローンを組む際には、通常、住宅に抵当権が設定されます。

そのため、債務者が住宅ローンを支払い切れなくなった時には、ローン会社は担保である住宅を競売にかけ、売れたお金をローンの返済に充ててしまいます(抵当権の実行)。

つまり、住宅ローン支払い中に自己破産をすると、ローン支払い中の持ち家はローン会社により競売にかけられ、最終的に立ち退きを余儀なくされることになります。

[参考記事]

競売を取り下げてもらうことはできる?|住宅ローン滞納の解決策

なお、ペアローンなどで住宅の名義が夫婦共有である場合、名義人の片方だけでも自己破産をすると住宅は処分されてしまいます。住宅を物理的に半分にすることはできないからです。

【連帯保証人への影響も生じる】
住宅ローンを組んでいる場合、連帯保証人をつけているケースも多いでしょう。
実は、ご自身が自己破産しても、連帯保証人の返済義務は残ります。
住宅が処分された結果、その売却代金で住宅ローンの完済ができれば債務は残らないので問題はありませんが、売却しても住宅ローンが残ってしまった場合(オーバーローンの場合)、残ってしまった住宅ローンを連帯保証人が支払わなくてはなりません。そのため、連帯保証人も自己破産を検討しなくてはならなくなる可能性があります。

(3) 競売よりもメリットの大きい任意売却を検討

任意売却とは、住宅ローンや借金の返済が困難な場合に、不動産の担保権者(住宅ローン債権者など)との合意に基づき不動産を売却する方法です。

任意売却では、一般的に競売よりも高値で不動産を売却できます。競売は落札価格が市場価格よりも低くなることがほとんどですが、任意売却ならば残債務をより減らすことができるでしょう。

この他、任意売却は話し合いに基づく合意であることから、引越し時期や費用についても融通が効き、債務者にとってメリットが大きいです。競売になるくらいならば、弁護士に相談して任意売却を検討することをお勧めします。

なお、任意売却は、競売の手続が完了するまでの間に行わなければなりません。

[参考記事]

任意売却とは?住宅ローン付きのマイホーム売却を分かりやすく解説

2.自己破産で住宅を守る手段

では、自己破産をすると絶対に住宅を手放さなければならないのかというと、そうではありません。
条件は厳しいですが、以下の方法で自己破産をしても同じ家に住み続けられる可能性があります。

(1) 任意売却で親族に売った上で家を借りる

任意売却については、先ほど簡単に説明した通りです。
この任意売却により家族や親族が持ち家を購入し、その人から家を借りるという方法を採れば、以降も持ち家に住み続けることは可能です。

[参考記事]

任意売却の流れと、自己破産前に行うメリットについて

親族にまとまった資金があることが条件で、住宅の名義も自分のものではなくなってしまいますが、条件を満たせるのならば引き続きマイホームに住むことができる最も現実的な方法です。

(2) リースバックを利用する

また、「リースバック」が利用できるならば、これにより住宅に住み続けることも不可能ではないでしょう。

リースバックでは、(1)とよく似た仕組みで家に住み続けることができます。
すなわち、住宅を守りたいが買い取ってくれる知り合いがいないという場合に、リースバックを取り扱っている業者に買主を探してもらう、もしくは業者自身に買主となってもらってリース契約を結び、家賃(リース料)を支払う代わりにその家を貸し出してもらうことになります。

債務整理などを行って家計が安定し、まとまった費用が準備できるようになったら、再度自宅を買い戻せる可能性があります。

一方で、収入や物件の状態、立地など、さまざまな条件によって、リースバックを利用できない場合もあります。

[参考記事]

リースバックで住宅に住み続けられる!?任意売却との違いとメリット

3.自宅を手放したくないなら任意整理・個人再生

このように、自己破産手続きでは、自分の持ち家を手元に残すことが難しいです。

他方、任意整理、個人再生であれば、自己の不動産を手元に残せる可能性が高くなります。

(1) 任意整理

任意整理は、自己破産や個人再生と異なり、裁判所を通さず債権者と直接交渉して行う債務整理の方法です。

任意整理の場合、対象とする債権者を選択することができますので、一部の債権者のみ任意整理(利息のカット、返済期間の延長などの合意)をし、他の債権者には従来通り支払いを続けるということができます。
また、債務整理の内容も当事者の合意により決定します。

つまり、借金の額がそこまで膨大でない場合ならば、任意整理を採用することで、他の借金を減額してもらった上で住宅ローンについてはそのまま返済し続けることができる(住宅を残すことができる)のです。

しかし、借金が住宅ローンの滞納だけである場合や、利息のカットだけでは支払い切れないほど多額の借金に悩まされている場合は、任意整理は現実的ではありません。

(2) 個人再生

個人再生は、自己破産と同様、裁判所を通しての手続です。借金を大幅に減額した上で、残務を原則3年かけて返済していきます。

個人再生には、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」というものがあり、これにより住宅ローンはそのまま支払いを継続し、他の借金(キャッシングやクレジットカードのショッピングなど)を圧縮することができます。

[参考記事]

住宅ローンの支払い滞納!個人再生手続ならば持家を手放さないで済む

ただし、住宅ローン以外の債務が5000万円を超えるときは、そもそも個人再生手続をとることができません。

さらに、債務者が財産を有している場合は、その財産の価値分の金額までしか減額されません。
したがって、住宅の価値が住宅ローンの残額を超える(アンダーローン)の場合は、住宅の価値が大きいほど返済額が増え、その後の返済が困難になるので特に注意が必要です。

[参考記事]

個人再生の「清算価値」|マイホームの価値はどう算出する?

3.住宅ローンがある場合の債務整理は弁護士へ

住宅を残したまま借金問題を解決したい!という方は、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
借金の総額が少なければ少ないほど、任意整理や個人再生など、採ることができる手段は多くなります。

もっとも、債務整理は手続き毎にメリット・デメリットがありますので、具体的にどの手段をとるかは弁護士に相談するべきです。

泉総合法律事務所には、「何とか住宅を残したまま借金問題を解決したい」といったご相談が多く寄せられ、そのご希望を叶えた上で債務整理手続により借金問題を解決してきた豊富な実績がございます。

どの手続が妥当であるかは、ご相談者様の状況によってさまざまです。まずは泉総合法律事務所の無料相談をご利用いただければと思います。

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