自己破産 [公開日]2018年2月27日[更新日]2019年7月18日

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

当事務所では、給料の差し押さえの相談を受けることが多くあります。

借金を返さないまま放置していると、多くの債権者が「貸金請求事件」の訴訟を提起したり、「支払督促」の申立をしたりしてきます。
これらは、「貸したお金を返してください」という主張に基づく裁判になりますので、お金を借りている側は必ず負けてしまいます。

裁判所からの郵便を放置したり、裁判が終結したりすると、債権者は「債務名義」という「財産を差し押さえできる権利」を手にします。この結果、給料が差し押さえられてしまうことになります。

借金の状況がここまで進んでしまうと、多くの方がもはや借金を支払うことができない状態ですので、自己破産等の手続きをとることになるでしょう。

このコラムでは、給与差し押さえの流れ、解除方法やその注意点に関して、弁護士が分かりやすく解説します。

1.給与差し押さえの流れ

まずは、債権者が差し押さえをするためにはどの様な手順を踏まなければならないのか、その流れを確認します。

(1) 債務不履行が発生

債務者が約束通りの返済ができなくなり滞納が続くと、契約内容に基づき、残額の一括請求を債権者から求められることになります(これを「期限の利益の喪失」といいます)。

(2) 訴訟の提起

一括での支払いを求められても、債務者が一括で返済できるケースは極めて稀です。分割払いでさえ厳しいわけですから、一括と言われてもまず無理でしょう。

この一括支払いの請求にも応じられないでいると、債権者はいよいよ訴訟を提起してきます。

(3) 判決の取得

訴訟を提起して勝訴すれば、債権者は勝訴判決を得ます。

(4) 強制執行手続

債権者は、勝訴判決を取得するとようやく強制執行手続に着手できます。

もっとも、判決を取得したから、自動的に裁判所が強制執行手続に動いてくれるわけではありません。判決取得後、債権者は改めて強制執行の申立を裁判所に起こさなければいけません。

[参考記事]

強制執行に必要な債務名義とは?取得されてしまった場合の対処法

(5) 給与の差し押さえ

判決も取得し、債務者の勤務先を特定したうえで強制執行の申立をし、裁判所が差し押さえを認めると、裁判所から債務者の勤務先へ給与が差し押さえられた旨の通知が届きます。
つまり、この時点で借金が勤務先にバレてしまいます。

差し押さえの範囲については原則、公租公課を控除した給与の4分の1となっています(ただし、手取り額が月額44万円を超える場合は、手取り額から33万円を控除した金額につき差押え可能です)。

以上のような流れを経て、実際に差し押さえが実行されれば、債務者の給与は差し押さえられてしまいます。

2.債権者が差し押さえられるもの

では、給与以外にも差し押さえられるものはあるのでしょうか。

差し押さえの対象として考えられるのは、66万円を超える現金です。
預貯金は全額が差し押さえの対象となります。
さらに、土地や家屋などの不動産も差し押さえの対象となります。

一番の誤解は、「家財道具」や「家電製品」が差し押さえられるのでは?と思われていることです。

実は、民事執行法という法律では、家財道具や家電製品などの生活に欠かせない品は、差し押さえしてはいけないと定められているため、債権者は「家財道具」や「家電製品」を差し押さえすることはできません。

差し押さえする側としては、せっかく差し押さえするために手間暇をかけて面倒な手続を行うわけですから、確実に回収したいと考えるのが当然です。

それゆえに、多くの債権者は、確実に回収できる財産として「給料」を差し押さえてくるのです。

3.給与差し押さえの解除方法

給与の差し押さえに至る方の多くは、やはり多重債務者です。

多数の貸金業者などへの返済に追われる中で、返済が滞ってしまい債権者から訴訟を起こされるというケースが多いわけですから、さらに収入源である給与まで差し押さえられてしまうと、債務者の生活に甚大な影響を及ぼすことになります。

したがって、このような状況下で「完済して差し押さえを終わらせる」という手段は、極めて困難であると言えるでしょう。

そこで、債務者としては、自己破産をすることで借金をなくし、差し押さえを解除する方法があります。

そもそも、差し押さえは借金があるために行われるものであるため、自己破産により借金をなくせば、差し押さえも解除できるのです。

4.給与差し押さえ解除の注意点

上記のとおり、自己破産手続開始は、債務者にとって給与差し押さえから解放されるという非常に大きなメリットがあります。

しかし、自己破産による給与差し押さえ解除について、気をつけなければならない点もあります。

(1) 同時廃止の場合

管財事件の場合は、破産手続の開始によって給与の満額がすぐに支給されるようになります。
しかし、同時廃止の場合は直ちに給与満額が支給されるわけではありません。

同時廃止では破産手続開始により、いったん強制執行が中止されるだけになります。免責許可決定が出るまでは支払いが留保されることになります。

つまり、免責許可決定が出ることで給与満額が支給され、それまで留保された分も支給されることになります。

したがって、免責許可決定が出るまで少なくとも2~3ヶ月かかりますので、その間はまだ減額分の給与しか受け取れないことになります。

同時廃止と管財事件の違いについては、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは

(2) 税金滞納による滞納処分

破産手続が開始されても影響を受けることなく続いてしまうのが、税金滞納などで行われている滞納処分です。

税金は「非免責債権」として免責の対象になりません。
この場合は、破産手続では解決ができませんので、滞納処分の続行が生活に支障を生じさせる場合には、担当部署との個別の交渉が必要となります。

(3) 勤務先にバレる

先ほど軽く触れた通り、給与の差し押さえがされた時点で、勤務先には借金の存在がバレてしまいます

それだけでなく、給与も差し押さえがされている状態で破産開始決定があると、裁判所から勤務先へ破産の通知が行くことになります。

したがって、その通知の記載内容を確認した勤務先の担当者には、破産した事実も知られてしまうことになります(ただし、通常は破産を根拠に解雇することはできません)。

(4) 差し押さえされた分の扱い(免責不許可事由)

自己破産直前に強制執行がなされ、給与が差し押さえられた場合、差し押さえは一部の債権者にだけの返済にあたる(偏頗弁済)として、免責不許可事由になってしまうのでしょうか。

結論から言うと、偏頗弁済に当たる可能性があります。
もちろん、給料の差し押さえについては破産者が自主的に返済したわけではないことを裁判所も理解しているのですが、ルールはルールであり、ご依頼後に偏頗弁済した分(差し押さえされた分)が20万円を超えると、「管財人弁護士が回収できる資産がある」とみなされてしまいます。

つまり、差し押さえられた全額が20万円を超える前に自己破産の申立をしないと、たとえギャンブルなどの無駄遣いをしておらず、めぼしい資産が無かったとしても、同時廃止で自己破産手続を進めることが難しくなってしまうのです。

したがって、強制執行がなされそうな場合には、早急に弁護士に相談する必要があります。

5.給与差し押さえを回避したい場合

一方、まだ差し押さえはされていないが、差し押さえがされそう(支払督促が届いている・訴訟を提起されてしまった)という人は、どうすれば良いのでしょうか。

当然ですが、滞納してしまっている債務を弁済すれば、差し押さえはされません。
しかし、それができれば苦労をしない、という方がほとんどでしょう。

滞納している債務を弁済することが厳しい場合にも、弁護士に相談しましょう。
早めに弁護士へ相談し、債務整理の手続きを行えば、給与が差し押さえられるより前に借金問題を解決することができます。

繰り返しますが、給与の差し押さえがされると、その時点で借金が勤務先にバレてしまいます。これを避けるためにも、借金問題はできるだけ早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

[解決事例]

緊急に自己破産を申し立て、給料の差し押さえを回避

6.多重債務で給与が差し押さえられたら泉総合法律事務所へ

返済が厳しい中、さらに給与の差し押さえまで受けてしまうと、自力で現状を打開することは非常に困難です。

このような状況下では、専門家である弁護士に打開策を相談することが、問題解決への1番の近道となります。

自己破産手続きをとれば、給料の差し押さえを止め、取り消すことができます。そのためには、早めに裁判所から「破産手続開始決定」をもらう必要があります。

泉総合法律事務所では、債権者から給与差し押さえを受けている方の破産申立を数多く手掛けてきました。最善のタイミングで差し押さえを解除するためには、深い知識とともに豊富な経験が必要です。

[解決事例]

給与差し押さえを止めるために大至急で破産申立

給与差し押さえを受けており、かつ多重債務でお困りの方は、今すぐ泉総合法律事務所へご相談いただくことを強くおすすめします。借金問題のご相談は何度でも無料ですので、どうぞお気軽にご連絡ください。

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