借金滞納で給与を差し押さえられた!自己破産で解除できるのか?

自己破産

借金滞納で給与を差し押さえられた!自己破産で解除できるのか?

借金を返さないまま放置していると、多くの債権者が「貸金請求事件」「支払督促」の申立をしてきます。これらは、「貸したお金を返してください」という主張に基づく裁判になりますので、お金を借りている側は必ず負けてしまいます。

裁判が終結すると、債権者は「債務名義」と言って、「財産を差し押さえできる権利」を手にします。借金の状況がここまで進んでしまうと、多くの方がもはや借金を支払うことができない状態ですので、自己破産の手続をとることになります。

ここでは、自己破産手続と差し押さえについて解説していきます。

1.差し押さえられるもの

一番の誤解が、「家財道具」や「家電製品」が差し押さえられるのでは?と考えられていることです。実は、民事執行法という法律では、家財道具や家電製品などの生活に欠かせない品は、差し押さえしてはいけないと定められているため、債権者は「家財道具」や「家電製品」を差し押さえすることはできません。

差し押さえする側としては、せっかく差し押さえするために手間暇をかけて面倒な手続を行うわけですから、確実に回収したいと考えるのが当然です。それゆえに、多くの債権者は、確実に回収できる財産として「給料」を差し押さえてくるのです。

2.給料の差し押さえ

債権者が給料を差し押さえるためには、裁判所に、「債務名義」に基づいて給料を差し押さえますという内容の申立(「債権差押命令申立」と言います)をします。
この申立書は給料を支給する会社にも届けられ、この時点で勤務先に借金をしていることが発覚してしまいます。

差し押さえされる給料の金額は、概ね給料の4分の1です。

3.差し押さえを止める方法

給料の差し押さえを受けているのですぐに差し押さえを止めてほしいというご相談が多いですが、弁護士に自己破産手続をお願いした「だけ」では、差し押さえを止めることはできません。

自己破産手続の中で差し押さえを止めるためには、自己破産の申立を行い、裁判所から「破産手続開始決定」を出してもらう必要があります。

4.「破産手続開始決定」

破産手続開始決定」は、自己破産の申立を行ってからすぐ出るとはかぎりません。東京地方裁判所の場合、同時廃止であれば弁護士が裁判所と面接をした当日、管財事件であれば弁護士が裁判所と面接をした翌週の水曜日と決まっています。

ですが、東京以外の裁判所は、東京に比べると手続の進行が遅く、自己破産の申立をしてから破産手続開始決定が出るまで1ヶ月近くかかるところもありますので、特に東京以外の裁判所が管轄である場合、急いで自己破産の申立を行う必要があります。

4-1.同時廃止の場合

裁判所から破産手続開始決定が出たら、泉総合法律事務所から、給料の差し押さえ決定を出した裁判所(自己破産の申請をした裁判所とは異なります)に対して、差し押さえの「停止」をお願いし、差し押さえを止めてもらいます。

通常、この時点で債権者の多くは差し押さえの申立を取り下げてくれます。

しかし、稀に債権者が取り下げてくれないことがあり、その場合は、裁判所から免責許可決定が出た時点で、泉総合法律事務所から給料の差し押さえ決定を出した裁判所に、差し押さえの「取り消し」をお願いします。

これでようやく差し押さえから解放されることになります。

4-2.管財事件の場合

差し押さえの「停止」手続は、管財人弁護士が行います。

通常、この時点で債権者の多くは差し押さえの申立を取り下げてくれるのですが、債権者が取り下げてくれない場合は、免責許可決定が出たあと、当事務所から給料の差し押さえ決定を出した裁判所に、差し押さえの「取り消し」をお願いします。

4-3.差し押さえされた分の扱い

ここで非常に重要なのが、弁護士に依頼してから(正確に言うと、弁護士が債権者に受任通知を出してから)自己破産の申立を行うまで、差し押さえを受けた金額が資産として扱われる点です。

自己破産のルールの中に、「全ての債権者を平等に扱う」というものがあり、これを破ってしまうと、一部の債権者だけ返済を行った(「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言います)とされ、免責不許可事由に該当してしまいます。

もちろん、給料の差し押さえについては破産者が自主的に返済したわけではないことを裁判所も理解しているのですが、ルールはルールであり、ご依頼後に偏頗弁済した分(差し押さえされた分)が20万円を超えると、「管財人弁護士が回収できる資産がある」とみなされます。

したがって、差し押さえられた全額が20万円を超える前に自己破産の申立をしないと、たとえギャンブルなどの無駄遣いをしておらず、めぼしい資産が無かったとしても、同時廃止で自己破産手続を進めることができなくなってしまいます。

4-4. 20万円以上差し押さえられたら

ご依頼後に差し押さえされた金額が20万円を超えた場合は管財事件となり、ご依頼後の差し押さえ部分は、管財人弁護士が債権者から回収し(「否認権の行使」と言います)、名目上他の債権者への分配金に回されるため、自己破産をした人に戻されることはありません。

管財事件で申立をするためには、管財人弁護士へ最低20万円を支払う必要があるため、給料の差し押さえをされながら、弁護士費用とは別に20万円の積み立てを強いられることになります。このような事態を防ぐためにも、同時廃止で申立ができそうな方は、より迅速に自己破産の申立を行う必要があります。

5.差し押さえを受けないケース

債権者が「債務名義」を手に入れても、給料の差し押さえを受けないケースがあります。

それは、債権者に申告していた勤務先をすでに退職し、かつ現在の勤務先を債権者に伝えていないケースです。

債権者が給料を差し押さえるためには、その給料を支給している勤務先を明らかにしなければなりませんので、勤務先を知られていなければ給料の差し押さえの心配はないと言って良いでしょう。

6.差し押さえ解除もご相談ください

自己破産手続をとれば、給料の差し押さえを止め、取り消すことができます。そのためには、早めに裁判所から「破産手続開始決定」をもらう必要があります。

泉総合法律事務所には、給料の差し押さえを受けている、もしくは差し押さえの可能性があるという方からのご相談が多数あります。また、そのお悩みを自己破産手続によって解決してきたという豊富な実績もございます。

給料の差し押さえでお悩みの方は、すぐに泉総合法律事務所までご連絡ください。債務整理のご相談は何度でも無料ですので、安心してご連絡いただければと思います。

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