自己破産 [公開日]2018年4月12日[更新日]2020年7月29日

自己破産でも車を残したい!自家用車を残す方法とは?

泉総合法律事務所では、通勤、日常のお買い物、お子様の送り向かえ、またはご両親の病院送迎など、車を必要とされているご相談者様が多く見受けられます。

地域によっては、自動車は生活に不可欠であるということもあり、その自動車を手放すことになるならば債務整理もできない、と悩んでいらっしゃる方は少なくないでしょう。

たしかに、借金問題解決にあたり自動車を手放さなければならないこともあります。
一方で、条件が整えば自動車を維持したまま借金問題を解決できることもあります。

ここでは、特に「自己破産」において自家用車を残せるかどうか、自己破産と自動車の関係についてご説明いたします。

1.自己破産による自動車への影響

自己破産は、裁判所を通して行う債務整理手続きです。
手続を終えれば、税金などの一部の債務を除き、ほとんど全ての借金の返済義務を免れることになります。

その一方で、所持している価値ある資産は手放さなければ(お金に換えて債権者に配当しなければ)なりません。

自己破産を選択する場合、ローンの支払いが残っている自動車を手元に残すことは基本的に厳しくなります。
自動車ローンを返済中で所有権留保が付けられている場合には、ほとんどのケースでローン会社から自動車の引き上げを求められることになるのです。

また、「所持している高価な資産」は手放す必要があるので、ローンの支払いが終わった車でも、その査定額によっては処分されてしまう可能性があります。

なお、自己破産後はあらゆるローンの審査に通らなくなってしまうので、後からローンを組んで自動車を買い直すことはできません(一括払いなら購入することは可能ですが、資金的に厳しいことがほとんどでしょう)。

2.自動車を残す方法・残せるケース

(1) ローンがない車の場合

自己破産の場合、自動車を手元に残すことが絶対に不可能なのかというと、そうではありません。
ケースによっては手元に残すことが認められることもあります。

自己破産は、原則として持っている資産を手放さなくてはなりませんが、破産者の今後の生活を保証するため、一定の枠内の資産であれば手元に残すことが認められています(これを「自由財産」と言います)。

ほとんどの裁判所の運用では、自動車の査定が20万円を超えなければ自由財産として手元に残すことが認められています。

新車ならともかく、カーローンが完済しており、かつ長年乗り続けてきた車、10年落ちの車等なら、時価額も相当下がっているので、結果的に自動車を手元に残せる可能性があるわけです。

また、査定額がそれ以上でも、破産者の総財産の合計金額が99万円の範囲内であれば、自由財産として車の所有が認められる可能性はあります(詳細は申し立てをした裁判所の運用によります)。

[参考記事]

自己破産で処分される財産と残せる財産

(2) ローンが残っている車の場合

ローンを組んで自動車を購入した場合、ほとんどのケースで「所有権留保」が付けられています。
この場合、ローンを完済するまでは、所有者がローン会社などで、使用者が購入者となっています(この点は車検証などで確認できます)。

約束通りローンを支払い終わらなければ、ローン会社は「この自動車はローン会社の所有物だから」という理由で自動車を引き上げる(没収する)ことができます。
(ローン会社は通常、引き上げをした自動車を売却しますので、債務自体はその分減ることにはなります。)

このような場合、手元に自動車を残すことは難しいでしょう。
しかし、以下のような対策により車の引き上げを回避できる可能性があります。

①第三者弁済

簡単に説明すると、ご自身とは別の方(両親やお子様、親族など)に車のローンを一括で支払ってもらうことです。

この方法は、車のローンが残り少ない場合や、親族の協力が得られる場合には非常に有効な手段となります。

なお、この際には「援助」という形で支払ってもらうことが大切です。
破産者の資産で優先的に車のローンのみ返済したと裁判所に見なされてしまうと、「偏頗弁済」として自己破産手続きに悪影響が及ぶ可能性があります。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

②保証人の支払い継続

車のローンを利用する際、保証人をつけるケースがあると思います。
ご自身の支払いが止まってしまう(自己破産をする)と、ローン会社は保証人へ一括返済の請求をすることになります。

この際、保証人の方が継続して支払うことをローン会社と直接交渉した結果、支払いの継続が認められれば、車を維持できる可能性は非常に高くなります。

【破産前の名義変更は財産隠しが疑われる】
自己破産で処分される可能性があるのは、破産者本人の名義の財産だけです。よって「自動車やローン契約者の名義を家族名義に移せば処分は免れる」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、自己破産前に車の名義を変更することは「財産隠し」と見なされ、最悪の場合、免責を受けられない(自己破産に失敗してしまう)恐れもあります。また、場合によっては、詐欺破産罪として罰金・懲役の可能性もあります。
車を守るために名義変更をすることは絶対にやめましょう。

3.自動車の引き上げ時期

では、自己破産をしたら自動車はいつ引き上げられるのでしょうか?

ローン会社から車の引き上げの話が出るのは、弁護士の受任通知が届いた時からです。
そこから、早ければ数日から1週間で返還を請求されることもあります。

受任通知が届いたということは、既に債務者からの支払いがストップとなった状態なので、ローン会社も早急な換価を考えるでしょう。

引き上げが来ないケース

「自動車が引き上げられるかと思っていたけど、なかなか引き上げに来ない」ということがあるかもしれません。

「ローンを支払い終わっている」「一括払いで車を購入した」というケース以外で引き上げがされないのは、自動車に担保が設定されていないケースが考えられます。

例えば、銀行系のカーローンの場合には、所有権留保が付けられていないケースがあります。この場合、ローン会社は引き上げに来ません。

【軽自動車の場合】
普通乗用車は、登録制度があるために不動産に準じる扱いを受けます。一方で、軽自動車はそれがないため、動産として扱われます。
動産は、現在その物を使っている人が所有権を主張することができます。よって、ローンの支払いが残っている車でも、使用者が軽自動車の所有権を主張して引き上げを拒否することは理論上可能となります。
しかし、ほとんどの場合、軽自動車をローンで購入する時には「ローンの支払いができなくなった場合は車を引き上げる」という記載のある契約を結んでいるでしょう。よって、軽自動車であっても例外なく引き上げられてしまう可能性が高いです。

4.「車を残したい…」というお悩みも一度弁護士へ

ここまで述べてきたように、自動車の状況などによっては、自動車を手元に残したまま自己破産できる可能性もあります。

ただし、個々の事情によっては残せないケースもあり、単純に区分けできません。

ご自身の置かれている状況で自動車を残すことができるかどうか、一度専門家の判断を仰いだ方がよいでしょう。

泉総合法律事務所では、自動車、バイク、原付をお持ちの方の借金問題を解決してきた実績が豊富にございます。
自己破産手続きから発生するリスクや、そのリスク回避方法、その他の債務整理方法(個人再生・任意整理)などについてもきちんとご説明いたします。

「車を残したい」「問題なく第三者弁済をしたい」など、一人ひとりのご状況に応じた最適な解決方法をご提案することができますので、借金問題でお悩みの方は、是非とも泉総合法律事務所までご相談ください。
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