自己破産 [公開日]2018年1月17日[更新日]2021年9月24日

公務員が自己破産する際の注意点|職場にバレずに借金整理

公務員が自己破産する際の注意点|職場にバレずに借金整理

「自己破産」に成功すれば借金を原則として0にすることができますが、自己破産にはいくつかのデメリットも存在します。

例えば公務員の方などは「自分は自己破産できるのだろうか?」「職場に自己破産がバレたらどうしよう」「自己破産により職を失ったり、職場から何らかの処分を受けたりすることはないのだろうか?」と不安になるかもしれません。

この記事では、公務員が自己破産をする場合の注意点などについて解説していきます。

1.公務員も自己破産は可能

結論から言えば、公務員でも問題なく自己破産を利用できます。自己破産できる条件に職業による制限はありません

また、自己破産をすることによって何らかの処分を受けることもありません。地方公務員であっても国家公務員であっても同様です。

確かに、人事官、公正取引委員会や教育委員会の委員など、一部の公務員は自己破産をすると一定期間その職に就くことができなくなります。

しかし、一般的な役所に勤めている方や、警察官、消防士、自衛官や教員など、大半の公務員は自己破産の手続き中でも通常と変わらず仕事をすることができます。

どういった公務員に資格制限・就業制限がかかるのかは、以下のコラムをご覧ください。また、併せて弁護士に確認しておくと安心でしょう。

[参考記事]

自己破産と仕事の関係。職業・資格制限とは?職場にバレたら解雇?

2.自己破産が職場にバレる可能性

まず、自己破産したことを職場に報告する義務はありません

また、自己破産をすると「官報」という日本国の機関紙にその事実が公開されますが、たとえ公務員でも官報を日常的にチェックしている人は少ないはずです。
そのため、官報が原因で職場または職場以外の知り合いにバレる可能性もほぼないと考えられます。

[参考記事]

自己破産・個人再生で官報に載るとどうなる?

更に、「自己破産をすると破産者名簿に載るから、そこからバレるのでは?」と心配する人もいますが、その心配もほとんどありません。

確かに破産者名簿というものは存在しますが、破産者名簿に乗るのは、自己破産をしても「免責」を得られなかった場合など一部のケースに限られます。
「免責」とは、裁判所から借金の支払義務を免除してもらうことです(免責を許可してもらうことが自己破産の目的となります)。

弁護士の力を借りて、その指示にしっかりと従って手続きを進めれば、免責が得られずに自己破産に失敗するというケースはまずありません。

なお、たとえ破産者名簿に載っても、それを見ることができる公務員は限られていますので、過度な心配は必要ないでしょう。

[参考記事]

破産者名簿とは?自己破産で記載されるデメリット

3.共済組合からお金を借りた場合の注意点

上記の通り、公務員が自己破産をしても基本的には職場にバレません。

しかし例外的に、公務員の共済組合からお金を借りた状態で自己破産をする場合は、自己破産のことがバレてしまいます。

共済組合に関する注意点は他にもあるので、以下で少し詳しく解説します。

(1) 裁判所からの連絡が共済組合へ行く

共済組合は、公務員向けに低金利の融資も行っています。

自己破産をすると、裁判所は全ての債権者に対して「あなたの債務者が自己破産の申立てをしました」という通知を送付します。

これは共済組合であっても例外ではないので、共済組合から融資を受けたまま自己破産をすると、裁判所からの連絡によって自己破産のことが共済組合にバレてしまいます(なお、弁護士に自己破産を依頼した場合には、受任通知の送付により、その時点でバレてしまいます)。

共済組合は、融資したお金の回収を、融資を受けた公務員の給与から天引きする形で行っています。
給料を支払っている職場と共済組合は繋がっているため、共済組合にバレると職場にも自己破産のことがバレてしまうのです。

自己破産をしても、それを理由として職場から不利益な処分を受けることはなく、仮に処分があればそれは不当なものなので弁護士に相談して解決できます。

しかし、自己破産のことを知られてしまうことで気後れするなど、心理的な負担は生じるかもしれません。

(2) 管財事件になりやすくなる

自己破産には簡易的な手続きである「同時廃止」と、自己破産本来の手続きである「管財事件」があります。

同時廃止にするか管財事件にするかは、最終的に裁判所が決定します。
管財事件は同時廃止に比べて手続きが複雑で時間がかかるうえに、裁判所へ納める自己破産の費用も高額になります。

そして残念なことに、共済組合から借金をしている場合は管財事件になりやすいようです。

[参考記事]

自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・予納金等を解説

【何故管財事件になり易いのか?】
自己破産を弁護士に依頼すると、弁護士は債権者へ「受任通知」というものを送ります。これを受けた債権者は督促をやめるのが通常なのですが、共済組合は基本的に借金の回収をやめず、給料からの天引きを続行します。
ここで問題となるのは、自己破産では全ての債権者を平等に扱わなければならないという「債権者平等の原則」があることです。
自己破産をすると、その人の財産が処分されてお金に換えられ、そのお金が各債権者へ平等に配当されます。共済組合が天引きをやめないということは、他の債権者に配当される財産が減るということです。これでは債権者平等の原則が保たれません。
この場合、裁判所は「破産管財人」という人を選任し、破産管財人が「否認権」という権限を使って、共済組合が天引きしていたお金の回収を図ります。
破産管財人が選任されるのは管財事件の場合なので、共済組合からの借金がある状態で自己破産をすると管財事件になりやすくなってしまうのです。
参考:公務員共済組合の借金は破産手続開始決定まで給料から天引きされる

4.退職金に関する注意点

自己破産では、まだもらっていない退職金であっても財産とみなされて、処分される財産に含まれてしまいます。

しかし、退職金の全てが処分されるわけではないので安心してください。

退職の時期にもよりますが、自己破産の手続き中に退職の予定がない場合、基本的には「退職金見込額の8分の1相当額」が処分の対象となります。
退職金が800万円であれば、100万円が処分の対象となるわけです。

また、退職金見込額の8分の1相当額が20万円未満であれば、退職金は処分の対象になりません。

つまり、退職金見込額が20万円の8倍である160万円までであれば、退職金の全額を手元に残せます。

ただし、公務員は他の人に比べて退職金が高額になりやすいため、「8分の1」の部分が高額になる可能性があります。
予めある程度の処分を覚悟しておいた方がいいかもしれません。

[参考記事]

自己破産をしたら退職金も差し押さえ・没収される?

5.公務員の債務整理・自己破産は弁護士に相談を

自己破産は誰でもすることができ、公務員もその例外ではありません。

しかし、公務員ならではの注意点がいくつかあり、それを把握していないといざと言うときに対処が難しくなる可能性があります。

自己破産を含む債務整理は、公務員だけでなく、人によって注意点が異なります。
適切な対処ができるように前もって準備をしておくために、弁護士の力を借りるのが賢明です。

弁護士は依頼者の状況に合わせて最善のアドバイスをしてくれます。場合によっては自己破産以外の方法で借金を解決できるかもしれません。

借金生活から解放されるため、どうぞお早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

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