自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは

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自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは

裁判所に自己破産を申立てると、債務者の現状によって、管財事件同時廃止に振り分けられます。

以下では、この管財事件と同時廃止についての解説と、それぞれの違い、管財事件になる場合について説明していきます。

1.管財事件とは

破産手続というと単に借金がなくなる手続と思われる方がいますが、本来は、債務者の財産を換価して配当する手続(破産)と、借金を支払う義務をなくしてもらう手続(免責)があります。

管財事件では、管財人弁護士が選任され、債務者の財産を管理・処分する権利に基づき、財産を現金に換え、配当することになります。管財人弁護士は、債務者の資産や債務を調査し、以下で改めて触れますが、「裁量免責」の判断が必要な場合にはその相当性についても調査します。

その調査の一貫として、債務者には、管財人弁護士が所属する法律事務所にて、最低でも1回は打ち合わせをする必要があります。

加えて、管財人弁護士が郵便物もチェックするので、管財人弁護士に全ての郵便物が転送されます(郵便局を通すものは転送されるため、ゆうパックなども対象となります。また、封書は開封されます)。転送された郵便物は、そのあと受け取ることはできますので、ご安心ください。

必要な調査が終了したあと、裁判所にて執り行われる債権者集会にて、管財人弁護士が調査結果を報告し、その後、免責不許可事由の有無や裁量免責の相当性についての意見を述べることになります。

2.同時廃止とは

同時廃止とは、端的にいってしまうと、上記のような管財人弁護士がつかない手続です。この場合は、申立て後、管財人弁護士による調査、換価・配当を経ることなく、免責が適当かどうかの判断になります。

この場合は、免責に関する審問が裁判所で執り行われ、債務者は裁判官から質問を受けることになります。

3.管財事件と同時廃止の違い

以上のように同時廃止は、管財事件と比べると手続は簡略化されたものと言えます。そして、重要なのは、管財事件の場合は、管財人弁護士の報酬が必要であるため、最低でも20万円は、破産手続をお願いした弁護士への報酬とは別に支払う必要があります。

また、手続の期間も管財人弁護士の調査が必要な分、長くなります。

つまり、同時廃止よりも管財事件の方が、費用と時間が大幅にかかるということです。

となれば、多くの方が「同時廃止を希望したい」と考えるのも当然と言えます。しかし、管財事件にするか同時廃止にするか最終的な判断をするのは、あくまでも裁判所となります。

なお、自己破産の際に裁判所に支払う「予納金」につきましては、金額の大小はありますが、管財事件でも同時廃止でも支払う必要があります。

4.振り分けの基準

(1) 管財事件になる場合

管財事件になるか同時廃止になるかの基準は、裁判所によっても異なりますが、大まかに分ければ以下のようなケースが管財事件になることが多いです。

①資産がある

資産がある場合は、管財人弁護士が調査した上、それを換価して、債権者に配当することになりますので、管財事件になります。もっとも、あらゆる資産について換価するのではなく、概ね20万円以上の価値があるものにかぎられます。

したがって、20万円以上の資産があるかどうかが基準となります(なお、資産の合計額が20万円以上というのではなく、費目ごと(預貯金、自動車など)に20万円以上のものがあるかどうかで判断します。

また、不動産をお持ちの方も原則管財事件となります。

②免責不許可事由がある

免責不許可事由」とは、借金の理由に対してあらかじめ問題となる項目がいくつか定められており、たとえばギャンブルなどの事情のことです。

しかし、破産の法律では、免責不許可事由に該当する事情で借金をしていても、その行為を止めていたり、その行為をしていたことを深く反省していることを示せたりすれば、裁判所の裁量で借金の免除を認めてもらう制度があります。

これを「裁量免責」と言います。

免責不許可事由がある場合、裁量免責が相当かどうかの判断が必要になりますので、その判断のために管財人弁護士がつき、調査することになります。

免責不許可事由としてよく見かけるのは、浪費(ギャンブル、ブランド品の多数購入、FXなど)があった場合、換金行為があった場合、一部の債権者に対してのみ返済を続けていた場合(「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言います)などです。

③個人事業主の場合

個人事業主の場合は、借金の事情や資産状況が一般のサラリーマンなどと比べてやや複雑であることから、管財人弁護士による調査が必要とされ、管財事件になります。

④法人代表者の場合

法人代表者の場合は、法人とともに破産の申立をすることが求められますので、原則としては管財事件として、法人の破産と併行して進められます。

⑤負債が多額の場合

裁判所によって異なりますが、債務額が大きい場合には、管財事件になる傾向にあります。

負債金額のボーダーラインは500万円と考えている裁判所が多く、借金が500万円以上あった場合は、浪費などの免責不許可事由があったのではないかと裁判所も慎重になるためです。

5.自己破産の相談なら泉総合法律事務所へ

管財事件となるか同時廃止となるかは、債務者にとっては大きな分かれ道ですが、その判断が微妙なことはよくあります。相談に来ていた段階で、まずは丁寧に聞き取り、どちらに割り振られるかの予測を立てたうえで、免責までの道筋を立てる必要があります。

具体的な手続の予測を立てるためには、専門的な判断が必要になりますので、まずはご来所いただき、弁護士と相談されることをおすすめいたします。

泉総合法律事務所では、自己破産による借金問題の解決実績が豊富にあります。また、管財事件、もしくは同時廃止となるかの判断基準となる資産状況や借入理由などの聞き取りをじっくりと行うことで、ご相談者様の状況に応じた最適な解決方法をご提案いたします。

自己破産をご検討の方は、まずは当事務所にご連絡ください。相談は何度でも無料です。

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