自己破産 [公開日]2020年9月11日

自己破産の期間の目安|長い?最短は?ケース別に紹介

自己破産に成功すれば、一部(滞納した税金など)を除く借金が全てゼロになります。
しかし、人によっては「いつから借金がゼロになるの?」「時間がかかってなかなか借金問題を解決できないのでは?」と気にすることもあるでしょう。

自己破産は裁判所で行う手続きです。
「裁判=長い時間がかかるもの」というイメージを持っている方も多いと思います。

一体、自己破産の手続きにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

この記事では、自己破産の流れ、手続きの開始から終了までの期間などを説明していきます。

1.自己破産の流れ

自己破産の手続きには「管財事件」と「同時廃止」があります。
どちらの手続きで進めていくのかは、申立人ではなく裁判所が決定します。

自己破産本来の手続きは管財事件ですが、申立人にめぼしい財産や複雑な事情(免責不許可事由)がない場合などは同時廃止が選択されます。現在では同時廃止で手続きが行われることの方が多いようです。

[参考記事]

自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは

裁判所によって詳細は異なりますが、同時廃止と管財事件はそれぞれ以下のような流れで行われます。

【同時廃止の流れ】
1.弁護士へ依頼&申立ての準備
2.裁判所へ申立て
3.破産手続開始決定
4.同時廃止決定
5.免責手続開始
6.免責許可または不許可の決定

【管財事件の流れ】
1.弁護士へ依頼&申立ての準備
2.裁判所へ申立て
3.破産手続開始決定
4.破産管財人の選任
5.破産管財人による財産や債務の調査等
6.債権者集会
7.債権者への配当・破産手続の廃止
8.免責手続開始
9.免責許可または不許可の決定

ご覧の通り、管財事件の方が手続きが複雑で、かかる期間も長くなります。

次の章からは、それぞれのケースで具体的にどのくらいの時間がかかるのかを解説していきます。

2.自己破産の期間の目安

自己破産には、大きく分けて3つの段階があります。

  1. 裁判所へ申立ての準備~申立て
  2. 破産手続
  3. 免責手続

では、各段階でどのくらいの期間が必要なのでしょうか。

(1) 同時廃止の場合

まずは同時廃止のケースを紹介します。

裁判所へ申立ての準備~申立て…約1~3ヶ月

裁判所へ自己破産の申立てを行うまでの準備期間で、概ね以下のようなことを行います。

  • 弁護士に依頼する
  • 弁護士と協力して必要書類を作成する

基本的に書類の収集と作成をする期間であり、効率的に行えば期間をある程度短縮することも不可能ではありません。

なお、自己破産にかかる費用(弁護士費用等)を分割払いにした場合には、その分申立てまでに時間がかかることになります。

破産手続…約2週間~1ヶ月

準備が整ったら、実際に裁判所へ自己破産の申立てを行い、破産手続を開始してもらいます。
破産手続きでは、債務者の手持ちの財産を調査し、換価した上で債権者へと平等に分配します。

破産手続が終了することを「廃止」と言いますが、同時廃止では破産手続の開始と同時に破産手続が廃止されます(このため、「同時廃止」と呼ばれています)。

つまり、実質的には「破産手続の開始を勝ち取ること」が同時廃止におけるこの段階の目標と言えるでしょう。

破産手続は以下のような流れで行われます。

  1. 申立てに必要な書類を裁判所に提出
  2. 破産審尋(裁判所で面談)
  3. (書類と破産審尋に問題がない場合)破産手続開始決定と廃止が行われる

免責手続…約2~3ヶ月

借金の支払義務を免除してもらう段階です。
免責手続が終了することで、初めて借金がゼロになるのです。

以下の流れで進みます。

  1. 裁判所が債権者の意見を聴取
  2. 免責審尋(裁判所で再面談)
  3. 免責許可または不許可の決定

同時廃止では、弁護士への依頼から借金の免除までおおよそ4~6ヶ月程度かかるでしょう。

(2) 管財事件の場合

申立人に一定以上の財産がある場合、免責不許可事由がある場合などは「管財事件」となります。

管財事件の破産手続では「破産管財人」という人が裁判所から選任されます。

破産管財人は申立人の財産を調査して処分し、お金に換え、そのお金で債権者へ弁済するなどの役割を担います。

[参考記事]

破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?

このような手間がかかるため、同時廃止に比べると長い期間がかかります。

裁判所へ申立ての準備~申立て…約1~3ヶ月

裁判所に申立てをするための準備期間で、行うことは同時廃止の時と変わりません。

ただし、財産が多いなどの事情がある場合、その内訳の調査などに時間がかかる可能性があります。
弁護士と協力して効率的に行ってください。

破産手続…約3ヶ月~半年

破産手続を開始してもらうまでのステップ・期間は同時廃止と同様ですが、管財事件では開始=廃止ではなく、開始から廃止までの間に財産の調査や処分、債権者への配当という手順が追加されます。

破産手続開始後は以下のような流れで進みます。

  1. 破産管財人の選任
  2. 破産管財人による財産の調査と処分
  3. 債権者集会
  4. 債権者に財産を配当

債権者集会は申立人も出席する必要がありますが、出席しない債権者も多く、集会自体は破産管財人による報告がメインです。
10分程度で終わることもあり、紛糾することはあまりないので安心してください。

なお、財産が非常に多いなど複雑な事情がある場合、破産手続に1年以上かかる可能性もあるようです。

免責手続…約2~3ヶ月

免責の判断に際し、破産管財人の意見が加わるのが同時廃止との大きな違いと言えるでしょう。

免責不許可事由がある場合には、その内容について調査・検討がされるので、同時廃止よりも時間がかかる可能性が高いです。

とは言え、破産管財人の調査等に協力的であり、反省の意思を見せ続けるなどしておけば、破産管財人の心証も良くなり、早く免責が認められる可能性も高くなるはずです。

管財事件では、弁護士への依頼から借金の免除までおおよそ7~11ヶ月程度かかるでしょう。

【少額管財の場合】
自己破産の手続きは同時廃止と管財事件の2つですが、管財事件であっても複雑でないものの場合、裁判所によっては「少額管財」で進められることがあります。
少額管財は、簡単に言えば管財事件の簡略化バージョンです。申立人の弁護士が破産管財人の仕事の一部を担うことで、破産管財人の負担と人件費を減らし、短い期間で手続きを終わらせることができます。
そのため少額管財となるには、申立人が自分で自己破産手続きを行うのではなく、弁護士に依頼していることが条件となります。
少額管財では、申立てから免責許可まで4~6ヶ月程度で済むケースが多いようです。

3.その他、自己破産にまつわる期間

自己破産をする場合、準備や手続き以外にも期間が関係する部分があります。

  • 職業制限を受ける期間
  • 口座を凍結される期間
  • 法テラスを利用したときの期間

最後に、上記3点について解説していきます。

(1) 職業制限を受ける期間

自己破産をすると、手続き中は一定の職業に就くことができなくなります。

免責が確定すれば職業制限は解除されます。
「破産手続開始決定~免責確定」までが職業制限期間だと考えてください。

[参考記事]

自己破産と仕事の関係。職業・資格制限とは?職場にバレたら解雇?

(2) 口座を凍結される期間

自己破産をしたときの債務に銀行からの借り入れが含まれていると、その銀行の口座が凍結されてしまいます。
凍結された口座から出金をすることはできません。

凍結期間は2ヶ月程度であることが多く、凍結が解除されれば問題なく利用を再開できます。

口座を凍結される前に全額引き出すなどしておけば被害を軽減することもできますが、自己破産で禁止されている財産隠しを疑われることもあるので、詳しい対策は弁護士に相談してください。

[参考記事]

自己破産で銀行口座は凍結されるのか?破産後の口座開設の注意点

(3) 法テラスを利用したときの期間

自己破産をするための資力がない人は、法テラスで自己破産費用の立て替え払いなどを受けることが可能です。

しかしこの制度を利用するためには、本当に資力がないのかどうかの審査を受けなければなりません。

審査にかかる期間はタイミングや地域ごとに違うようで、数週間のケースもあれば2ヶ月程度かかったという声もあります。

4.自己破産を早く終わらせたいなら弁護士へ

自己破産に必要な期間をまとめると以下のようになります(※実際には個々の事案により異なってきますので、あくまで目安です。)。

  • 同時廃止…4~6ヶ月程度
  • 管財事件…7~11ヶ月程度(複雑なケースでは1年以上)
  • 少額管財…4~6ヶ月程度
    (※うち準備期間1~3ヶ月程度)

最短の同時廃止でも4ヶ月程度(申立てから免責までは2ヶ月以上)かかることが多いです。

できるだけ短い期間で終わらせたいのであれば、弁護士への依頼が不可欠です。

書類の収集や作成がスムーズに行われることで準備期間を短縮できるでしょう。また、弁護士がいることで管財事件が少額管財で済むかもしれません。

早く確実に自己破産を終わらせるためには、弁護士に依頼することが最善の方法です。
自己破産については、ぜひ泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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