自己破産 [公開日]2018年8月31日[更新日]2019年7月22日

自己破産した場合、いつから借金の返済をしなくていいの?

自己破産をすると、借金返済が免除されます。そこで、気になるのは、「いつから借金の返済をしなくていいのか」ということではないでしょうか。

今回は、自己破産した場合に、いつから借金返済をしなくていいかについて解説します。
取り立てが止まる時点や注意点、さらに免責されない債務についてもまとめているので、あわせてご一読ください。

1.借金の督促・取り立てが止まる時点(受任通知)

(1) 受任通知が債権者に届いたら取り立てが停止

自己破産をするときに、弁護士など専門家に依頼をすると、弁護士から債権者に対して受任通知が送付されます。

受任通知には、債務者の氏名、住所、自己破産の手続に入る旨、また、以降は直接の取り立てをしないように依頼する内容が記載されています。

この通知が届いた時点で、金融機関や消費者金などの債権者や債権回収業者は取り立てを停止しなければなりません。
受任通知送付による取り立て停止により、実質的には返済を止めることが可能となり、債務者が返済しなくても督促はこなくなります。

したがって、弁護士による受任通知により、債権者による借金の取り立てが止まり、一旦は債務の返済もしなくて良くなります

しかし、以下のようなケースもあるので、注意が必要です。

(2) 受任通知送付後の注意点

①債務が口座引き落としの場合

口座引き落としの場合は、債権者が引き落としの停止手続をしなければなりません。

受任通知が届くと督促はできないのですが、相手がすぐに引き落としの停止をするとは限りません。実際に、受任通知送付から3週間後にようやく引き落とし停止の手続きを行うようなケースもあります。

債務者としては、債権者によって勝手に引き落としがされないように、予め預金を引き出すといった対策をとる必要があります。

②口座の預金残高と相殺される場合

また、借入のある銀行に口座を所有している場合、受任通知が送られると口座が凍結され、口座の預金残高は債務と相殺されます。

この場合も、予め預金を引き出すことで、預金と債務の相殺を免れることができます。

給与振り込みに使っている場合は、振り込み口座を債務のない他行に変えることも必要です。
電気、水道などの公共料金の引き落としで利用している場合も、凍結後は引き落としができなくなり、いつまでも支払をしないとライフラインが止まる危険が生じます。

この場合も、予め引き落とし口座を変更しておきましょう。

また、預金残高が20万円を超えていると、自己破産手続で債権者に配当されるため、その点でも事前に残高を引き出しておくことをおすすめします。

2.借金が免責される時点

自己破産で借金が免責される(借金がなくなる)のは、裁判所が免責許可決定をし、それが確定したときです。

取り立ては、弁護士の受任通知送付のタイミングで停止しますが、その段階ではまだ借金は免責されていません。

自己破産の申立から免責許可決定までの期間は、同時廃止事件の場合は2~3か月程度、少額管財事件の場合は3~4か月程度です(事案や裁判所によっても異なります。)。

免責許可決定の約2週間後に官報への掲載があり、そこから2週間以内に債権者からの不服申し立てがなければ免責許可決定が確定します。

よって、実際に免責の効力が生じるのは免責許可決定から約1ヶ月後となります。
この借金の免責により、借金の返済をしなくてよくなります。

[参考記事]

自己破産の「免責」ってなに?どのような効果があるのか

3. 免責されない債務

しかし、自己破産をして免責許可決定を受けても、全ての債務が免責される訳ではありません。
自己破産には「非免責債権」があり、該当する場合は免責許可決定後も支払い義務を負います。

自己破産における非免責債権は以下の通りです。

  • 税金、保険料(租税債権)
  • 下水道料金、保育料(強制徴収権があるもの)
  • 意図的に相手に損害を与えたときの損害賠償金
  • 故意または著しい不注意で人の命を奪う、または身体を害したときの損害賠償金
  • 従業員の給料の支払い
  • 養育費、婚姻費用などの支払い
  • 破産者が知りながら債権者名簿に載せなかった債務
  • 罰金など

詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

慰謝料・損害賠償…でも自己破産したい!免責される負債と非免責債権

4.免責がされないケースでの対応策

自己破産では、免責許可決定が下りないと、借金の免除は得られません。

免責不許可事由に抵触しても、大抵は裁判所の裁量免責を受けられるので、免責不許可事由があっても最終的には免責を受けられるケースがほとんどです。

しかし、中には免責不許可となる場合もあるので、その場合、手続きは振り出しに戻り、借金の返済義務はなくなりません。

この場合の対処法は以下の2つです。

(1) 個人再生を検討

免責不許可事由に抵触などして自己破産に失敗した場合は、個人再生に切り替えるのが最も現実的です。

個人再生には免責不許可事由はないので、安定的な収入があれば認可される可能性があります。

(2) 何もせずに時効を待つ

自己破産に失敗して、個人再生を希望しても要件を満たすことができない場合は、何もせずに時効を待つのも一案です。

業者からの借金の時効は5年、個人間での借入の時効は10年です。
通常であれば時効を待つのは現実的ではありませんが、自己破産の場合は申立が行われた段階で貸し倒れ処理をしている債権者が多く、免責不許可でもそのまま取り立てがこないこともあります。

しかし、絶対に督促がこないという保証はなく、請求されたら支払う必要があります。

後者はあまりおすすめの方法ではありませんので、自己破産が失敗した時点で、今後どうするかを弁護士とよく相談をすることをおすすめします。

5.自己破産をお考えの方は弁護士にご相談ください

結論として、弁護士に依頼後は、免責まで返済をすることなく自己破産の手続が終了します。
督促が止まるだけでも相当楽になった、という方も多いので、借金でお困りの方はなるべく早く弁護士に相談すべきでしょう。

泉総合法律事務所にご相談いただければ、債務整理に強い弁護士が責任もって最後までサポートさせていただきます。
無料相談も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。

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