自己破産 [公開日]2017年11月15日[更新日]2020年6月29日

自己破産は自分でできる?失敗する?手続きや費用について

自分で自己破産の手続きは可能?|東京の弁護士に相談すべきか

自己破産をしたいけれど、弁護士などの専門家に依頼するための費用が工面できないため、「いっそのこと、代理人に頼まずに、自分で自己破産手続を取ることはできないものか」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

しかし、自己破産は裁判所を通す法的な手続です。「本当に自分でできるのか」「失敗するリスクがあるかもしれない」という不安もあるでしょう。

今回は、自己破産をお考えの方に向けて、実際に自分で自己破産手続を行うことが可能なのか、費用がかかっても弁護士に依頼するメリット、そして、どうしても自力で自己破産をする場合の注意点について、詳しく解説していきます。

1.自己破産は弁護士に依頼すべき?

自己破産は、不動産などの手持ちの高価な財産を処分・換価・債権者に配当することにより、今の借金をほとんど全てを免除してもらう手続です(税金や養育費など、例外的に破産しても免除の対象外とされるものがあります)。
債務の全額免除という大きなメリットがあることから、借金が多額な場合や現在の収入がほとんどない場合などに選択される債務整理方法です。

結論から言うと、この自己破産手続について、ご自分で行なうことは可能です。
法律上、「自己破産は必ず弁護士などの代理人を立てなければならない」とか「一般の方は申立人になれない」という決まりはありません。

しかし、いざ本人で全ての手続を行なう場合の労力的な負担や心理面での安心感という観点からすると、総合的に考えた場合、自己破産を行なうならば、借金問題に精通した弁護士に依頼したほうが良いと言えます。

その理由は、以下の通りです。

(1) 費用について

確かに、自分で申立てをすれば、弁護士費用の出費は避けられます。
しかし、注意しなければならないのは、本人申立の場合、「管財事件」という扱いの手続きになる可能性が高いという点です。

自己破産には、裁判所によって破産管財人が選任される「管財事件」と、破産管財人が選任されない「同時廃止」という2つの手続の種類があります。

管財事件になった場合、裁判所に支払うべき予納金が高額になり、結果的に、弁護士に依頼した場合と変わらない出費になってしまう可能性があります(管財事件の場合、選任された管財人の報酬は、破産者本人の負担となるのが原則です)。

代理人弁護士が付いていない破産事件が管財事件になり易い背景としては、申立書類の内容に関して、専門家である弁護士による事前のチェックを経ていないことから、裁判所において専門家である弁護士=破産管財人を選任した上で調査しなければならない要請が高くなることが挙げられます。

なお、管財事件は、代理人弁護士が付いていない場合だけでなく、債務者が一定以上の高額な財産を持っている場合や(財産の処分・配当を管財人に行なわせる必要があるため)、免責不許可事由がある場合にも(免責の妥当性を判断するための調査を管財人に行なわせる必要があるため)選択されます。

逆に、これらのいずれにも該当しない事件が、同時廃止の手続で処理されます。

[参考記事]

自己破産の予納金とは?|自己破産にかかる費用

[参考記事]

自己破産における管財事件と同時廃止の違い。管財事件になる場合とは

(2) 弁護士依頼で債権者の取立から解放

弁護士への依頼後、代理人弁護士が「受任通知」を債権者に送付すると、債権者からの取り立ては止まります

貸金業法により、弁護士・司法書士が債務整理の依頼を受けた場合、債権者は、それを無視して取立をすることが禁止されているからです(但し、個人債権者や商売の取引先など、貸金業法上の規制とは無関係な債権者に関しては、この規制は及びませんので、注意してください)。

しかし、ご自身で自己破産手続きを進める場合、このような措置はありません。たとえ自己破産予定であることを伝えたところで、その後も取り立てが止まることはありません。

債権者からの日々の督促にお悩みの方にとっては、債権者からの取り立てがすぐに止まるというのは、それだけで大きなメリットなのではないでしょうか。

(3) 即日面接による手続き期間短縮の可能性

東京地裁では、平成11年より、即日面接制度の運用をスタートさせました。

即日面接制度とは、代理人弁護士が付いて同時廃止の申立をした破産事件につき、自己破産の申立ての日から遅くとも3日以内に代理人弁護士と裁判官が面接を行ない、代理人の調査内容に問題が無ければ、面接の当日、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定をする制度です。

上記の説明から分かる通り、即日面接制度の利用は、代理人が付いて申し立てられた破産事件であることが前提条件であり、代理人が付いていない本人申立の事件に関しては、即日面接制度を利用することができません。

この制度を利用すれば、利用しない場合より、手続に要する時間を1~2ヶ月程度短縮することが可能ですので、いち早く借金問題を解決することができます。

なお、東京地裁では、即日面接制度と当時に、少額管財手続(20万円という比較的少額の予納金で進める管財事件)の運用もスタートさせましたが、この少額管財手続も、やはり代理人申立の破産事件であることを前提としています。

即日面接制度及び少額管財手続が、いずれも代理人申立の破産事件であることを前提としているのは、これらの制度が、専門家である代理人が必要な調査を申立前に尽くしている筈であるとの信頼を前提に構築されているためです。

(4) 破産手続の手間の軽減

自己破産の必要書類には、自分で収集しなければならないものも多数ありますが、その作成や確認を、弁護士に代行をしてもらうことができます。
弁護士に依頼をすれば、少なくとも、書類の不備で度々裁判所へ足を運ぶ必要はありません。

また、自分で自己破産をする場合、裁判所への出頭や裁判官との面接などの全ての手続を自分で行なわなければなりませんが、弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として出席してくれることも多いので、その手間を最低限で済ませることができます。
(裁判所が開いているのは平日の昼間なので、自分で全ての手続を行なう場合、当日に仕事を休まなければならないケースも出てくるでしょう。)

さらに、債権者一覧表の記載などに必要な取引履歴の開示請求など、債務者からは取りづらい債権者への連絡を、弁護士経由で行ってもらうことが可能です。

2.自分で自己破産をする場合の手続方法

上記のメリット・デメリットを踏まえた上で、「やはりそれでも自分で自己破産を行ないたい」とお考えの方のために、ここからは、自分で自己破産をする場合の具体的な手続方法を解説します。

(1) 申立を行う裁判所を確認する

まず、破産を裁判所に申し立てるといっても、日本全国どの裁判所に対しても自由に申立ができる訳ではありません。
裁判所には、法律の定めるルールに基づいた「管轄」というものがあり、申立は管轄裁判所に対して行なう必要があります。

自己破産の場合は、原則として、あなた(債務者)の住所地の管轄の裁判所に申立をしなければなりません(裁判所のホームページで確認できます)。

なお、この場合の住所地とは、その人が現在実際に住んでいる現住所地のことであり、住民票上の住所地と現住所地が一致していない場合は、現住所地を基準に管轄裁判所が決まります

管轄裁判所ではない裁判所に申立を行なっても、基本的には、その裁判所では受け付けてくれません。

(2) 申立に必要な費用を準備する

自己破産の申立を行なう場合、少なくとも以下の費用が最初に必要となります。

  • 収入印紙(1,500円分)
  • 郵便切手代(申立裁判所によって金額は異なりますが、通常数千円程度)
  • 官報公告費(裁判所や手続によりますが、通常10,000円〜)

また、管財事件となる場合は、上記に加えて、破産管財人への報酬(概ね50万円)が必要です。

[参考記事]

破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?

ただし、前述のとおり、弁護士に依頼した場合は、仮に管財事件になったとしても、少額管財手続が選択されることが多いため、破産管財人の報酬が20万円程度で済むことがほとんどです。

また、前述のとおり、弁護士に依頼をしていれば、そもそも管財人費用が発生しない同時廃止の手続で済むこともありますので、費用面を考えるならば、むしろ弁護士に依頼した方が労力的な負担は圧倒的に軽減されるでしょう。

(3) 申立に必要な書類を準備する

申立に必要な書類は多岐に渡ります。
自分で自己破産を行なう場合は、以下の全ての書類を自力で収集・記入しなければなりませんが、弁護士に依頼をすれば、書類集めから記入までを代行してくれるものも多いです。

  • 破産申立所
    破産する人の氏名や生年月日などを記載します。
  • 住民票
    本籍地の記載があり、マイナンバーの記載のないもので、申立日から3か月以内に取得したものです。
  • 所得証明書(課税証明書など)
    収入状況(社会保険料などの控除含む)を公的に証明する書類です。
  • 所有している金融機関の通帳の写し(2年分程度)
    預金通帳がない場合は、金融機関に問い合わせて再発行してもらうか、取引履歴を出してもらう必要があります。
  • 債権者一覧表およびその根拠資料
    返済しなければいけない相手方(債権者)、及びその相手方に返済すべき金額を一覧に纏めたものです。また、債権者としては、直接借入をしている相手だけではなく、自分が保証人となっているもの(保証債務)や、保証人になって貰っていた人(求償債務)についても記載します。
  • 陳述書
    生活状況、職歴、借金が増加した経緯などを記載します。
  • 資産目録およびその根拠資料
    自分の持っている資産関係について記載します。その根拠となる資料(写し可)も提出します。
  • 家計報告書(2か月分程度)
    申立直近の家計簿を2か月分ほど提出します。
  • その他
    その他にも、裁判所ごとにそれぞれ運用が異なるため(タイトルが同じでも書式が裁判所ごとに異なる書類もあります)、上記以外にも提出を求められる書類があるかもしれません。詳しくはご自身が申立てる裁判所にご確認されることをお勧めします。

必要書類について、詳しくは以下のコラムでご説明しています。

[参考記事]

自己破産の流れ・必要書類・費用・注意点を一挙紹介!

【破産事件受理票で債権者からの督促が止まる】
申立てを行なうと、裁判所が必要な書類が全て提出されているかなどの審査を行ないます。その結果、申立の受付が可能と判断され、手続費用の納付も完了した場合は、裁判所から破産事件受理票が発行されます(受理票には事件番号(○○裁判所□□年(フ)第△△号)が記載されています)。
この破産事件受理票の発行を受けたら、大至急、そのコピーを債権者一覧表に記載した債権者に郵送します(FAXも可)。これを送らないと、いつまで経っても債権者からの督促の連絡は止まりません。

 

提出した書面に特に問題がなければ良いのですが、例えば、債権者一覧表に間違いがあった場合には書き直しが必要になり、内容に意図的な虚偽があり、悪質な場合は、最悪、自己破産そのものに失敗してしまう可能性があります。

また、自己破産を申立てているにも関わらず、浪費をしていると疑われる家計簿を提出してしまったような場合は、反省文を提出させられたりするかもしれません。

弁護士は、この反省文の書き方についてもアドバイス可能です。

(4) 破産開始決定・免責許可決定の末に借金免除

裁判官との審尋で自己破産の条件を満たしていると認められれば、ようやく破産手続の開始決定がされます。

その後、破産管財人との面談や調査、債権者集会などを乗り越えて、免責許可決定が確定すると、晴れて借金(税金などは除く)が免除されることになります。

もし、自分で自己破産手続を行なうならば、この間の破産管財人とのやりとりや債権者集会への出席なども、全てご自身で行なわなければなりません。

3.自己破産の相談は泉総合法律事務所へ

泉総合法律事務所の東京都内の支店には、ごく稀にですが、「自分で自己破産申立をしようと思ったが、途中で断念して相談しに来ました」という方がご相談にいらっしゃいます。

東京、千葉、埼玉、神奈川に多数拠点を抱えている泉総合法律事務所は、自己破産による借金問題の解決実績が豊富にありますので、書類収集や書類の書き方、管財人対応の仕方など、免責決定が得られるための効果的な方法を熟知しております。

「借金が膨らみ、自分で自己破産手続を行おうかどうか迷っている」という方は、まずは泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
ご自身で手続を行なう場合、あるいは弁護士に手続を依頼した場合におけるそれぞれのメリット・デメリットについて、分かり易く丁寧にご説明致します。

自己破産をする方にとって「お金がない」という事情はもっともです。しかし、当事務所は借金についてのご相談は何度でも無料となっておりますし、弁護士費用の分割払いも可能となっておりますので、どうぞ安心してお電話頂ければと思います。

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