自己破産 [公開日]2018年6月7日[更新日]2021年2月3日

自己破産・個人再生などをすると連帯保証人にどのような影響を与えるか?

自己破産・個人再生などをすると連帯保証人にどのような影響を与えるか?

債務整理で借金を減額・免責してもらいたいという場合、気になるのは保証人(連帯保証人)への影響です。

支払いを滞納しているなら、いつ保証人に請求がなされていてもおかしくありません。
また、主債務者が自己破産や個人再生をする場合も、保証人に請求がいってしまいます。

では、債務整理のうち、保証人に影響が少ないのはどの方法なのでしょうか。
この記事では、債務整理(自己破産・個人再生)の保証人への影響について説明します。

1.保証人と連帯保証人の違い

「保証人」とは、主債務者が借金の返済をしなくなった場合に、代わりに返済義務を負う人のことです。
一方、連帯保証人とは、簡単に言えば、主債務者が返済できる場合でも債権者が連帯保証人に請求できるという、保証人の借金返済義を強化したものです。

大きな違いは、以下の「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」があるかないかです。
(最も、今の日本では保証人=連帯保証人を意味することがほとんどです。)

  • 催告の抗弁:保証人は、債権者からの履行請求に対し「まずは、主債務者に対し請求せよ」と反論ができます。連帯保証人には催告の抗弁は認められていませんので、債権者は連帯保証人に対し、主債務者に請求することなくいきなり債務を請求することができます。
  • 検索の抗弁:保証人は、債権者からの履行請求に対し「主債務者に財産があることを証明するから、まずはその財産から返済に充当してくれ」と反論ができます。連帯保証人には、検索の抗弁は認められていませんので、債権者は連帯保証人に対し、主債務者に返済を求めることなく履行請求ができます。
  • 分別の利益:保証人が複数人いる場合に、保証人の頭数で割った額についてのみ返済すればよいという利益です。連帯保証人は、履行請求があれば、主債務者と同じく全額これに応じる義務があります。

2.債務整理をした際の保証人への影響

では、実際に主債務者が債務整理をした場合、保証人(連帯保証人)にはどのような影響が出るのでしょうか。

なお、以降では全て連帯保証人の場合を想定して解説します。

(1) 自己破産

弁済などにより主債務が消滅すると、当然ですが保証人の保証債務も消滅します。

しかし、主債務者が自己破産した場合は、その例外となっています。
破産法は、主債務者が自己破産し、免責されたとしてもその効果は保証人には及ばないと規定しています(破産法253条2項)。

したがって、保証人は、主債務者の自己破産前の債務の弁済を強いられることになります。

主債務者の肩代わりした債務を免れるためには、連帯保証人自らも債務整理するしかありません。

[参考記事]

連帯保証人が自己破産した場合の主債務者への影響

なお、保証人は主債務者に代わって弁済した場合、通常その金額を主債務者に請求することができる「求償権」を取得しますが、主債務者が自己破産してしまった場合は、求償権も免責されてしまい行使することができません。
自己破産した主債務者には、返済能力が認められないからです。

つまり、自己破産をした主債務者に対し「あなたの借金を代わりに払ったのだから、そのお金を返してください」と請求することはできないのです。

(2) 個人再生

自己破産と同様に、主債務者が個人再生の申立を行い、再生計画が認可され、弁済を行ったとしても、その効果が保証人に影響することはないと民事再生法に規定されています(民事再生法177条2項)。

ということは、債権者は、保証人に対して借金全額の一括返済の請求ができることになります。
一括返済が無理なら保証人も分割払いをお願いするしかありません。

一方、再生計画の認可を受けた主債務者は、減額された借金について返済する義務を負います。

そこで、主債務者と保証人は同時に返済していき、返済額の合計がもともとの債権額に達した時に借金が完済したことになります。
そして、保証人の求償権も、減額された金額を上限に制限されることになります。

例えば、主債務者の1500万円の借金がその5分の1である300万円に減額されたとします。
この場合、主債務者は300万円に達するまで、保証人は(主債務者の300万円を足して1500万円となる)1200万円になるまで支払うことになります。

もし、保証人が1300万円を返済し、主債務者が200万円しか返済しなければ、保証人は主債務者に100万円を求償できます。

しかし、主債務者が300万円、保証人が1200万円を支払った場合、保証人は主債務者に対して求償することができません。主債務者は減額された300万円以上支払う必要がないのです。

もし、保証人が返済をすることができないのなら、保証人も債務整理をする必要があるのは自己破産の場合と同様です。

(3) 任意整理

任意整理の場合には、上記の破産や個人再生と少し異なります。

任意整理では、保証人がついている債務を外して借金を整理することが可能です。この方法であれば、保証人に対して全く影響はありません。

つまり、例えば保証人がついている車のローンの支払いはそのまま続けて、保証人がついていない業者からの借入のみ債務整理することが可能なのです。

どうしても保証債務のついた債権を任意整理しなければならない場合でも、主債務者と保証人連名での任意整理をすることが可能です。
主債務者が合意通りの返済を続けられれば、保証人に迷惑がかかることはありません。

 

以上のとおり、保証人や連帯保証人の負担が一番少ないのは任意整理であると言えます。

しかしながら、任意整理は、あくまでも債権者との間の契約であるため、どのような場面であっても任意整理が最適であるとは言い切れません。
場合によっては、主債務者と一緒に保証人も破産や個人再生を申立てた方がよいケースもあります。

3.債務整理や保証人への影響で悩んだら泉総合へ

借金問題の専門家である弁護士に相談すれば、その人に一番適した債務整理手続を提案してもらえます。

泉総合法律事務所は、「保証人にできるだけ迷惑をかけたくない」「連帯保証人になっていたが故に借金の請求を受けてしまった」という方からのご相談も多く頂いております。

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