自己破産 [公開日]2018年2月23日[更新日]2021年1月8日

破産管財人とは?権限・報酬などをわかりやすく解説

自己破産の申立を行うと、「破産管財人」という人が選ばれることがあります。

「そもそも破産管財人って何をする人なの?」「破産管財人が選ばれたら手続きは具体的にどうなるの?」「自己破産の申立人が対応で気をつけることはある?」
など、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、以上の疑問を解消すべく、破産管財人について解説します。

1.破産管財人がつくケース(管財事件)

裁判所に破産の申立がなされると、裁判所は、①同時廃止、②管財事件のどちらの手続で破産を行うか決定します。

債務者の財産が少ないため配当の必要がなく、免責(借金を0にすること)を許可するかどうか審査するにあたり破産管財人の意見を聞くまでもないと裁判所が判断した場合には、同時廃止とされます。
同時廃止と決定した場合、破産管財人は選任されません。

一方、債務者の財産が多く換価・配当の手続きが必要である場合や、免責を許可するかどうかを審査するにあたって破産管財人の意見も聞く必要がある場合には、破産管財人が選任される管財事件(または少額管財)とされます。

同時廃止と管財事件の違いについては以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・注意点を解説

【法人破産の場合】
法人の破産をする場合には、必ず破産管財人が就くことになります。
法人には、債権者、取引先、従業員など、多くの利害関係人が存在します。法人の財産を、その多くの利害関係人に、適切に利害調整をして、平等に分配していくことは大変な仕事になるからです。

 

破産管財人は、その仕事内容に高度な法的知識が求められることから、法律の専門家である弁護士が選任されています。

裁判所がその事件の内容などをみて、経験年数なども考慮して、基本的にその地元の弁護士の中から選任することが一般的です。

2.破産管財人の職務内容・権限

破産管財人は破産手続における中心的機関であり、破産者に代わって、その財産を管理・処分・売却などして、債権者に配当金を平等に分配する仕事をします。

また、破産者に対して、免責を許可することが妥当かどうか、裁判所に対して意見を述べる仕事もあります。

さらに、破産者の今後の生活のための行動をすることもあります。

(1) 財産の調査

破産管財人は、破産者の提出した申立書に記載されている財産状況が正しいのか、隠し財産がないかなどを調べます。
その調査や面談に対して、破産者はきちんと説明しなければいけません。噓をついたり、無視したりすれば、刑罰が法律で定められています。

申立て前に財産を知人にあげるなど、破産者が不当に財産を減らしていることが分かれば、その破産者の行為をなかったことにする(たとえば、あげた物を返してもらう)ことができます(否認権の行使)。

また、自己破産する人が不動産を所有していた場合、破産管財人は不動産の価値が適切に評価されているかどうか確認します。不動産の査定額照会がなされることもあります。

この調査について、破産者は協力しなければなりません。これを拒否したりしたときも、刑罰を受けるおそれがあります。

否認権の行使については以下の記事をご覧ください。

[参考記事]

破産管財人による否認権の行使とは?

なお、破産管財人が財産の調査のために自宅を訪問することはほとんどありません。
しかし、破産者名義の家を競売にかける場合や、自宅での財産隠しが疑われるような場合には訪問される可能性があります。

(2) 郵便物のチェック

破産管財人が就任すると、それまで破産者宛に届いていた郵便物が破産管財人の事務所に転送されて、破産管財人が開封して中身を確認します。
(郵便局を通す郵便物が対象ですので、手紙やはがき、レターパック等が対象になります。ゆうパックやゆうメールは郵便物ではないため対象となりません。ただ、郵便局の手違いでゆうパック等が管財人に転送されてしまうケースもあるようです。)

これは、たとえば証券会社や信託銀行からの封書が届いたりすれば、実は破産者が申立書に書いていない株式や投資信託を保有していた、というように、隠し財産を発見できる可能性があるためです。

(3) 財産の処分・配当手続き

このようにして調査した財産や権利を金銭に換えて、債権者に分配するお金を集めます。集めた後、配当表を作成して、債権者の債権に応じて公平に配当します。

ところが、債権者が多くの配当金をもらおうと自分の債権を過大に主張すると、公平な分配はできません。

そのため、破産管財人は債権者の債権額についても調査し、場合によっては、裁判を行って債権者の債権額を確定させる場合もあります。

(4) 免責許可について意見を述べる

破産を申し立てるに至った経緯や、今後破産者がきちんと収入の範囲内で生活していくことができるのか、破産するに至ったことについてきちんと反省し手続に協力的かどうかなど、様々な点から総合的に、破産管財人が破産者に免責を許可すべきかどうか意見を述べます。

なお、実際に免責を許可するかどうかは、裁判所が決めますので、破産管財人が「不許可相当」の意見書を提出しても、直ちに免責不許可となるわけではありません。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

(5) その他破産者のための行動

たとえば、破産者が積み立て型の生命保険に入っていて、解約すれば解約返戻金がある程度あるけれども、解約してしまうと新たに生命保険に入ることは難しいような場合もあります。

このような場合、債権者の利益だけを考えると、解約してその返戻金を分配しましょうということになりそうですが、それでは破産者にとって酷な状況です。

そのため、破産管財人は解約返戻金相当額を破産者に支払ってもらうことで、債権者の利益を図りつつ、生命保険契約を維持する(解約返戻金請求権の放棄)といった、債務者のための行動をすることもできます。

3.破産管財人が就く場合の債務者への影響

破産管財人がついたとして、債務者には何かしらの義務や影響が生じるのでしょうか。
以下で説明していきます。

(1) 協力義務

破産管財人が就いた場合、自己破産する人は、破産管財人に協力しなければなりません。

破産管財人の調査や、借金を免除して良いかどうか検討する時間が必要となるため、破産管財人が就かなかった場合よりも全ての手続が終わるまで時間が長くかかってしまいます。

(2) 説明義務

破産管財人は、自己破産する人が申立書に書かれた財産以外の財産を隠し持っていないか調査します。破産管財人は、債権者に財産を分配しなければなりませんので、他に財産がないかしっかり調べてきます。

このとき、自己破産する人は、破産管財人の調査に協力しなければならず、面談の際に説明を拒否したり、嘘をついたりしたときには、相応の罰を受けなければなりませんので注意が必要です。

4.破産管財人の費用(報酬)

破産管財人の職務は総債権者の利益のために行われますので、その報酬は、債権者に対して配当するためのお金から裁判所の決定に基づいて支払われます。

配当のためのお金が全くない人でも、破産の申立ての際に裁判所に予納金を納めていますので、少なくともこの予納金が報酬となります。

よって、自己破産手続きで管財事件となった場合には、同時廃止よりも多額の裁判所費用がかかってしまうのです。

【予納金の基準・相場】
少額管財の場合:20万円以上
管財事件(個人)の場合:50万円以上(負債総額等によって決まります)
管財事件(法人)の場合:70万円以上(負債総額等によって決まります)

自己破産の予納金について、詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

自己破産の予納金とは?|自己破産にかかる費用

5.まとめ

破産管財人がどんな人で、一体何をする人か、ご理解いただけましたでしょうか。

自分の自己破産手続が、破産管財人の就く管財事件になりそうか、破産管財人の就かない同時廃止になりそうかを知りたい方は、まずは泉総合法律事務所にご相談ください。

泉総合法律事務所では、多くの借金問題を自己破産手続によって解決してきた実績があります。そのため、どのようなケースで破産管財人が就くのか、もしくは同時廃止で行けそうなのかという点を熟知しております。

泉総合法律事務所の弁護士が、破産管財人や裁判所への対応を一括して受け持ち、ご依頼者様のために精一杯サポートさせていただきます。
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