自己破産 [公開日]2018年3月6日[更新日]2021年1月18日

破産宣告(破産手続開始決定)があるとどうなる?自己破産との違い

自己破産は、多重債務者や過大な債務を負った人などの経済的再生と救済を目的としており、裁判所からの免責許可が下りれば借金を原則として0にできる制度です。

自己破産をすること自体は何も悪いことではありません。
しかし「破産」という響きのせいか、自己破産を再生のチャンスではなく「悪いこと」と考えている人もいるようです。

「悪いこと」というイメージを増幅させるワードの1つが「破産宣告」かもしれません。
「宣告」という言葉は、しばしば「余命宣告」や「死刑宣告」などで使わせるせいか、悪い印象がつきまとっているようにも思われます。

しかし「破産宣告」の「宣告」には、悪い意味などありません。

ここでは「破産宣告」とは何なのか、自己破産とは違うものなのか、破産宣告があったらどうなるのか・何が起きるのかなどを解説していきます。

1.破産宣告とは

実は、現在の法律上「破産宣告」という言葉は存在しません。
(かつて存在していましたが、既に別の言葉に置き換わっています。)

それにも関わらず破産宣告という言葉が散見されるのは、過去に使われていた言葉が未だ定着したままだからと思われます。

破産宣告とは「破産手続開始決定」の昔の言い方です。
裁判所が「これから破産手続を進めますよ」と決めて、それを宣言しただけに過ぎないのです。

「破産手続」というものは、基本的には債務者が自ら裁判所に申立てをして始めてもらうものです。

申立てをしたにもかかわらず、いつまでも手続きが始まらないと、借金を解決することができません。

しかし破産宣告(破産手続開始決定)があれば、手続きが始まったとわかります。

つまり破産宣告というのは、裁判所が「書類に不備もなかったし、自己破産する条件を満たしているので、あなたの借金をゼロにする手続きを始めることに決めました」と宣言するという、どちらかというと「良い知らせ」と言えるのです。

【自分が申立てをしていないのに破産手続開始決定(破産宣告)を受けることはあるの?】
自己破産の大多数は、債務者が自ら申立てを行うことで開始されます。しかし債権者の方から「この人はお金を返してくれないから、破産してもらって少しでも配当を得たい」と考えて、破産の申立てが行われることがあります。これを「債権者破産申立て」と呼びます。
稀にではありますが、債権者が配当を得る目的で破産の申立てを行うことがあるのです。
しかし、債権者破産申立ては滅多に行われないので、過度に心配する必要はないでしょう。
参考:破産の債権者申立て|借金を放置し続けるのは危険!

2.破産宣告と自己破産は違うもの?

「破産宣告と自己破産ってどう違うの?」と思っている人がいるようです。

破産宣告は「破産手続開始決定」のことであり、自己破産におけるステップの1つに過ぎません。

破産宣告(破産手続開始決定)を受けることで、ようやく借金を解決する自己破産の手続きがスタートすることになります。

破産宣告(破産手続開始決定)は自己破産と全く違うものではありませんが、自己破産に含まれる内容であるとご理解ください。

3.破産手続開始決定(破産宣告)を得るための条件

では、破産手続開始決定(破産宣告)を受けるにはどのような条件が必要なのでしょうか?

(1) 破産手続開始原因があること

ますは債務者が「支払不能」や「債務超過」の状態であることが求められます。

支払不能とは、債務者の財産・能力・信用力などをフル活用しても債務の返済ができない状態が継続する見込みであることです。

「一時的にお金がなくてたまたま返済できないが、来月になったら問題なく支払える」などの状態では、支払不能と認められません。

また、債務の額が大きくても、収入や財産が多ければ、やはり支払不能とは認められません。
借金の額だけでなく、収入や財産その他を加味して支払不能かどうかが決められるのです。

債務超過とは、マイナスの財産がプラスの財産を上回っている状態のことです。

個人の破産であれば「支払不能」が破産手続開始決定を得る条件となります。
一方、法人破産の場合は「支払不能」または「債務超過」のどちらか一方であれば、破産手続開始原因となります。

(2) 破産障害事由がないこと

これは「破産手続きを始められない事情」のことです。

例えば、破産の申立てに必要なお金を裁判所に納めていない場合がこれにあたります。

また、破産手続きの申立て時点や破産手続き中に、同じ債務者を対象として以下の手続きが行われた場合は、破産障害事由に当たるため破産手続きが行われません。

  • 個人再生
  • 会社更生
  • 特別清算

これらの手続きと破産を同時に行うことはできないので注意してください。

(3) 破産の申立てが適法であること

破産を申立てた人に申立ての権利がなければなりません。

自分で申立てをする場合は、自分に債務があることが必要です。
法人であれば、法人の代表者などが破産の申立て権を持っています。

4.破産宣告した後の流れ

簡単ですが、自己破産は基本的に以下のような流れで行われます。

  1. 裁判所に申立てをする
  2. 破産宣告(破産手続開始決定)が行われる
  3. 破産管財人の選任、換価処分や債権者集会(行われないことも多い)が行われる
  4. 破産手続の廃止(終了)が宣言される
  5. 免責手続が始まる
  6. 免責手続が終われば借金がゼロになる

破産宣告、現在の言い方で「破産手続開始決定」は、自己破産の手続をスタートするという決定です。
この決定があった後は、破産手続きが進行していくことになります。

弁護士や裁判所、破産管財人と連携しながら、破産手続きを進めていきましょう。

なお、前述のように破産手続きが開始された後で個人再生や会社更生等の手続が開始された場合は、破産手続きが当然に中止されます。

破産と同時に個人再生や法人倒産はできないので、どちらを選択するか事前に弁護士と相談して慎重に決めてください。

5.破産宣告(旧称)は破産手続きのスタートライン

破産宣告は「破産手続開始決定」の昔の呼び方です。

破産手続開始決定があった後は、裁判所によって破産手続きが進んでいきます。
破産手続きが進むということは、借金がゼロになる手続きが進むということでもあります。

問題なく破産手続開始決定を受けられるように、破産を行うときは弁護士と相談して申立ての準備をしてください。

弁護士がいないと、破産手続開始決定が出るまでに時間がかかることがありますし、何より申立ての準備そのものに手間と時間を取られてしまいます。
いち早く借金問題を解決するために、ぜひ泉総合法律事務所の弁護士にご依頼ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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