自己破産 [公開日]2018年6月1日[更新日]2020年2月27日

自己破産ができない場合に取れる手段

借金に苦しんでおり、どうしても返済の目処が立たない方の中は、「自己破産」というものを知り、藁にも縋る思いで弁護士に相談をしようと考えているという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、自己破産は誰もが無条件でできるわけではありません。「自己破産ができない場合」もあるので注意が必要です。

では、どんな場合に自己破産ができないのでしょうか?自己破産の条件とは一体何なのでしょうか?また、自己破産ができない場合はどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、自己破産が認められない場合と、自己破産ができなかったら(失敗したら)どうすれば良いのかを解説します。

1.自己破産できない場合

(1) 支払い不能ではない

「支払い不能な状態」とは、既に返済期日を迎えている債務の支払いの目処が立たないことを指します。

自己破産が認められるには、支払い不能の状態であることが前提となります。
いくら借金があっても、収入があり「頑張れば返済できる」という場合には破産は認められません。

自己破産は多額の借金をした人がするもの、というイメージをお持ちの方もいると思いますが、自己破産に借金額の制限はありません
自己破産が認められるか否かは、収入や資産の有無といった当事者の状況によるところが大きく、少額でも収入が少ない、資産がないということであれば支払い不能といえ破産は可能です。

また、今現在は返済できないが、来月になれば支払いができるなど、将来的に支払いの目途が立つ場合も破産はできません。

1つの目安として、今現在返済のあてがなく、3年で元本を完済できる目途が立たない場合は、自己破産が認められる可能性は高いです。

(2) 免責不許可事由に該当する

自己破産には「免責不可事由」というものがあります。
「免責」とは、借金を0にすることを裁判所に認めてもらうことを言います。よって、「免責不可事由」に該当する場合は、免責が許可されない(不許可)ということなので、自己破産に失敗してしまいます。

[参考記事]

自己破産の「免責」ってなに?どのような効果があるのか

免責不許可事由は破産法第252条第1項1~11号で規定されており、免責を認めるに相応しくない要件が記されています。

各号の内容は以下の通りです。

  • 不当に財産を減少させた
  • 不当に債務を負担した
  • 偏頗弁済(へんぱべんさい)をした
  • 浪費、賭博その他の射幸行為による借金
  • 詐術を用いて信用取引をした
  • 業務帳簿などを隠した
  • 虚偽の債権者名簿を提出した
  • 裁判所への説明を拒絶または、虚偽の説明をした
  • 管財人業務を妨害した
  • 破産申立前、7年以内に免責確定していた、または個人再生でハードシップ免責を受けていた
  • 破産法上の義務に違反した

自己破産は税金などは除かれますが、借金の全て免責する制度なので、そこに至るまでの事情や、手続きに際しての態度が重視されます。

ただし、自己破産が1度目の場合は、免責不可事由があっても、大抵のケースでは裁判所の判断で裁量免責を受けることが可能です。
しかし、2度目以降、同じ理由で自己破産を繰り返すなど、反省が見られない場合は裁判所の判断も厳しいものとなります。

いずれにしても、自己破産の際は反省の意を示し、誠実な態度で臨むことが必要です。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

【自己破産の費用が準備できない】
上記のような「自己破産できる条件」は整っていても、「弁護士費用や裁判所に納める費用(予納金)がない」という現実的な障害があって破産手続きができない、という方もいらっしゃるでしょう。
弁護士費用は分割払いを受け付けてもらえる可能性がありますが、裁判所への予納金は自己破産手続き開始の際に必ず必要になるものです。予納金を出せない場合は、破産手続開始決定までに何とかしてお金貯める、親族に援助してもらうなど、何らかの対策を取る必要があります。
また、法テラスを利用するという手もあります。詳しくは以下のコラムをご覧ください。
参考:生活保護と借金・自己破産の関係〜法テラスの利用について

2.自己破産できない場合はどうなる?

「免責不可事由がある」「支払不能でない」……こうしたケースでは自己破産は認められません。
自己破産の申し立てをしても免責が認められないと、借金もなくならず、現状の苦しい生活が続いてしまうことになります。

しかし、借金問題は他の方法で解決することができる可能性があります。

おすすめの解決方法は、以下の2つです。

(1) 個人再生

個人再生は、借金を大幅に減額できる制度です。およそ借金を1/5まで圧縮できるので、比較的借金額の大きい人に向いており、認可決定確定後は3年(例外5年)で減額後の借金を完済します。

個人再生は自己破産のような免責不許可事由もないので、免責不許可事由があって自己破産を躊躇する場合、個人再生を選択する人は多いです。
また、自宅や車など、財産を没収されることもないので、財産をお持ちの方にはおすすめの制度です。

個人再生認可決定確定後は再生計画通りに返済する義務があるので、手続きに際しては安定的で継続的な収入があることが前提となります。

また、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を使うことにより、住宅ローンが残っているマイホームを手元に残すこともできます。
個人再生とは?

(2) 任意整理

任意整理は、個人再生同様に借金を減額する制度で、将来利息をカットして元本のみの返済にしてもらう制度です。
任意整理も原則3年で完済を目指し、返済できるだけの収入があることが前提となります。

任意整理は、減額率自体は他より少ないですが、自己破産や個人再生のように裁判所を介す必要はありません。債務者と債権者の2者間の話し合いで手続きすることが可能なので、迅速に手続きを終えることが可能です。

また、話し合いをする債権者を選ぶことができるので、「住宅ローンや車のローンの債権者を外す」「保証人がついている債務を外す」ということが可能です。
これにより、家族にバレることなく手続きすることも可能なので、債務整理の中でも最も多く利用されている制度です。
任意整理とは?

3.借金問題でお困りならまずは弁護士へ相談を

自己破産するにしても、一定条件があることがお分かりいただけたと思います。
しかし、自己破産ができない場合でも、他の手段で借金問題を解決できる可能性はあります。

泉総合法律事務所にご相談いただければ、あなたが自己破産可能か、他の債務整理方法の方が適しているかなど、状況に応じて様々なアドバイスをいたします。

「まだなんとか支払えるから」「免責不許可事由があるから」と諦める必要がありません。借金の返済が辛いという方は、どうかお早めに、泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

債務整理コラム一覧に戻る