自己破産後でも賃貸物件に住める?賃貸保証会社の審査に通るか

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自己破産後でも賃貸物件に住める?賃貸保証会社の審査に通るか

実は最近、賃貸保証会社と賃貸物件の借り手とのトラブル事例が増えています。家賃保証会社から請求された料金が過大である場合や、そもそも契約した記憶がないケースもあるようです。

また、自己破産者はそもそも契約できないというケースもあります。

今回は、賃貸保証会社の役割とトラブル事例、自己破産者でも賃貸保証会社と契約する方法について解説いたします。

1.賃貸保証会社ってなに?

まずは、賃貸保証会社についての概要からトラブル事例までをご説明いたします。

(1) 賃貸保証会社とは

では、賃貸保証会社とは一体何をする会社なのでしょうか。

まず、賃貸保証会社とは、賃貸住宅の契約時に必要になる賃借人の保証人を代行してくれる会社のことです。

賃借人の委託によって、家賃支払いに関わる債務を保証することを会社の業務として行っています。利用者は、家賃保証会社に対し、保証料を支払うことで、保証サービスを受けることができます。

保証料は、初回に月額賃料の50%を支払い、その後1年ごと1万円程度を保証料として支払っている場合が多いようです。

昔は、両親や兄弟、親戚などが保証人になることが多かったのですが、最近では家族関係が希薄になり、保証人になってくれる人を見つけることが難しく、このように代替する会社が現れるようになってきました。

実際、国土交通省の平成28年の資料によると、賃貸借契約の約97%が家賃などに対する保証をしなければならず、そのうちの約6割のケースで保証会社が利用されているという統計も出ています。

もっとも、利用を申請したら、必ず保証してくれるというわけではなく、審査を通過しなければいけません。また、どの保証会社を選ぶかについて借り手側には選択権がないというのが現状です。

(2) 保証会社の役割は家賃の管理

では、賃借人が家賃を滞納した場合、保証会社はどのような役割を果たすのでしょうか。

家賃保証会社の基本的な役割は、家賃滞納がある場合に、賃借人に代わって支払うことです。つまり、家賃の管理となります。

もちろん家賃以外にも、賃貸借契約から派生して支払い義務が生じたものについては、その支払いが滞納すれば保証会社が代わりに支払ってくれます。

もっとも、代わりに支払ってもらって終わりというわけではもちろんなく、賃借人に対し、家賃支払いの催促をし、滞納分の回収も行います。つまり、賃借人から取り立てを行うということです。

そして、この取り立て方法が今問題となっています。

取り立て方法については、暴行や拉致監禁などの暴力行為が禁止されている以外、特に規制はなく、トラブルになってしまうケースが増えているという実情があるのです。

(3) 家賃保証会社と賃借人のトラブル事例

では、実際に報告されているトラブル事例を見てみましょう。

《トラブル事例》
  • 契約した記憶がない保証会社からの請求(契約などの根拠も示されない)
  • 求償内容の内訳が不明瞭
  • 年率14.6%を超える過大な手数料を請求された
  • 更新手数料の説明を受けず、請求された
  • 滞納分の代理弁済分につき、分割払いに応じてもらえない
  • 保証会社から退去を強制された
  • 家賃保証会社が倒産した
  • 保証会社と契約をするのに、保証人が必要だと言われた

このように、家賃保証会社と賃借人の間にはさまざまなトラブルが報告されています。トラブルに巻き込まれた場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

2.自己破産したら賃貸物件は借りられない?

次は、自己破産者でも保証会社と契約できるのかについてご説明します。

(1)信用情報機関に情報が載る

では、なぜ「自己破産したら賃貸物件が借りられないのでは?」という不安があるのでしょうか。

これについては、自己破産による実生活への影響を理解する必要があります。

まず、自己破産をすると、信用情報機関というところに個人の情報が登録されてしまいます。信用情報機関とは、消費者と会員の健全な信用取引を支える機関であり、会員である加盟会社に対し、個人の信用情報を提供することを行っています。

そのため、クレジットカードの未払いや滞納があると、この信用情報機関に登録されてしまうのです。債務整理の1つである自己破産の情報は、事故情報として登録されます。

クレジットカード会社や銀行などの金融機関などは、融資などの申し込みがあった場合は、必ずこの登録情報を確認して、審査をしています。

「お金を貸す」という業務を行っているため、個人の信用状況を把握する必要があるためです。

【参考】信用情報機関の違い(CIC・JICC・JBA)、掲載されるとどうなる?

(2) 信販系の賃貸保証会社の審査は通らない

では、賃貸保証会社は信用情報機関とどのような関係があるのでしょうか。

実は、賃貸保証会社の中には、信用情報機関に加盟している会社があります。そのため、自己破産などの記録がある方は、賃貸保証会社の審査に通らない可能性があるのです。

特に、信販系の賃貸保証会社と言われている系列では、必ず個人信用情報機関の情報を参照しているため、保証契約の審査に通りません。

もっとも、すべての賃貸保証会社が信販系というわけではないため、自己破産者でも審査に通る会社はあります。

信販系で賃貸保証を行っている会社としては、セディナ、ジャックス、アプラス、オリコ、などがあります。クレジットカード会社の名前として聞いたことがあるところばかりだと思います。

賃貸物件の契約をするときに、クレジットカード会社の名前などが出てきた場合は、その物件と契約することは難しいと思われます。この場合は、審査に通りませんので、他の物件を探しましょう。

(3)自己破産から時間が経った場合

自己破産から時間が経過している場合、例外的に審査に通るケースもあります。具体的には、自己破産から10年ほどすれば、審査に通る可能性が高くなります。

なぜなら、信用情報機関に登録されている情報が削除されるからです。実際に削除されているのかは、信用情報の開示手続にて自分で確認することができるので、確認してみてください。

【参考】「信用情報」の基礎知識~自分の信用情報を調べる方法とその手順

3.自己破産者でも通りやすい賃貸保証会社

自己破産者でも審査に通りやすい(審査が緩い)賃貸保証会社はあるのでしょうか?

(1) 民間系の賃貸保証会社

自己破産者でも審査に通りやすいのは、民間系の賃貸保証会社です。

民間系の保証会社とは、全国家賃保証業協会加盟系列(LICC)と賃貸保証機構加盟系列(LGO)の会社となります。民間系の保証会社は、信用情報機関に加盟していないので、あなたの自己破産情報について知ることはありません。

具体的には、日本セーフティー、全保連、賃貸保証サービス、アルファー、カーサ、フォーシーズ、リクルートなどがあります。これ以外にもあるため、物件探しの際に保証会社の名前を必ず聞いて、調べるようにしてください。

(2) 家賃の滞納には注意

もっとも、注意すべきこともあります。

それは、家賃の滞納です。民間系保証会社同士のつながりで、家賃の滞納などについての情報は、共有されていることがあります。

そのため、現在住んでいるのが賃貸物件であるという場合は、滞納しないことが何よりも大切です。滞納がある場合は、できるかぎり支払いを済ませておきましょう。

仮に、どうしてもよい物件が見つからないという場合は、市営住宅や県営住宅という選択肢も検討しましょう。家賃も安く、自己破産者でも関係ありません。滞納さえしなければ、退去を求められることもありません。

4.自己破産をしても賃貸物件に入居は可能

自己破産したあとは、生活にどのくらいの影響が出るのか不安になる方も多いでしょう。特に住む場所に関する問題は切実です。

しかし、ご説明したとおり、借りられる賃貸物件はあります。自己破産者だからと言って、全ての方が契約できないというわけではありません。
とにかく物件を探す際は、不動産会社に賃貸保証会社について詳しく確認することが大切です。

現在借金があり、今住んでいる場所に不安がある場合は、弁護士にご相談することをおすすめします。泉総合法律事務所では、債務整理手続の専門家である弁護士が、ご相談者様一人ひとりに合わせて適切な借金問題の解決方法をアドバイスいたします。

ご相談は何度でも無料ですので、まずはお気軽に当事務所へご連絡ください。

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