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賃貸保証会社の注意点!自己破産するとアパートは借りられないのか?

自己破産するとアパートは借りられないって本当?賃貸の注意点

【この記事を読んでわかる事】

  • 自己破産をしてもアパートやマンションを借りることはできるのか?
  • 借りられないのはどのようなパターンか、また借りる際の注意点は?
  • 自己破産前に家賃滞納をしていた場合、賃貸を追い出されてしまうのか?

 

自己破産すると、いわゆる「ブラックリスト」状態となり、5~7年間クレジットカードを作れなくなったり、資格が制限されることで保険外交員などの仕事に就くことができなくなったりします。

そこで、自己破産する方から「自己破産すると、アパートやマンションが借りられなくなるんですよね?」という質問を受けることがあります。しかし、これは必ずしもそうではありません。

ここでは、自己破産手続が与える賃貸への影響と注意点、賃貸保証会社とのトラブル事例、自己破産者でも賃貸保証会社と契約する方法などについて解説いたします。

1.賃貸保証会社とは?

まずは、賃貸保証会社についての概要をご説明いたします。

(1) 賃貸保証会社とは

賃貸保証会社とは、賃貸住宅の契約時に必要になる賃借人の保証人を代行してくれる会社のことです。

賃借人の委託によって、家賃支払いに関わる債務を保証することを会社の業務として行っています。利用者は、家賃保証会社に対し、保証料を支払うことで、保証サービスを受けることができます。

保証料は、初回に月額賃料の50%を支払い、その後1年ごと1万円程度を保証料として支払っている場合が多いようです。

昔は、両親や兄弟、親戚などが保証人になることが多かったのですが、最近では家族関係が希薄になり、保証人になってくれる人を見つけることが難しく、このように代替する会社が現れるようになってきました。

実際、国土交通省の平成28年の資料によると、賃貸借契約の約97%が家賃などに対する保証をしなければならず、そのうちの約6割のケースで保証会社が利用されているという統計も出ています。

もっとも、利用を申請したら、必ず保証してくれるというわけではなく、審査を通過しなければいけません。また、どの保証会社を選ぶかについて借り手側には選択権がないというのが現状です。

(2) 保証会社の役割は家賃の管理

では、賃借人が家賃を滞納した場合、保証会社はどのような役割を果たすのでしょうか。

家賃保証会社の基本的な役割は、家賃滞納がある場合に、賃借人に代わって支払うことです。つまり、家賃の管理となります。

もちろん家賃以外にも、賃貸借契約から派生して支払い義務が生じたものについては、その支払いが滞納すれば保証会社が代わりに支払ってくれます。

もっとも、代わりに支払ってもらって終わりというわけではもちろんなく、賃借人に対し、家賃支払いの催促をし、滞納分の回収も行います。つまり、賃借人から取り立てを行うということです。

(3) 家賃保証会社と賃借人のトラブル事例

では、実際に報告されている家賃保証会社と賃借人のトラブル事例を見てみましょう。

《トラブル事例》

  • 契約した記憶がない保証会社からの請求(契約などの根拠も示されない)
  • 求償内容の内訳が不明瞭
  • 年率14.6%を超える過大な手数料を請求された
  • 更新手数料の説明を受けず、請求された
  • 滞納分の代理弁済分につき、分割払いに応じてもらえない
  • 保証会社から退去を強制された
  • 家賃保証会社が倒産した
  • 保証会社と契約をするのに、保証人が必要だと言われた

このように、家賃保証会社と賃借人の間にはさまざまなトラブルが報告されています。

トラブルに巻き込まれた場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

2.自己破産後のアパートやマンション借り

さて、最初の質問に対する回答ですが、自己破産をしてもアパートやマンションを借りることはできます。もちろん、一軒家を借りるのも問題ありません。

ただし、1つだけ注意点があります。

それは、前記の保証会社の審査が通らない場合があると言うことです。

(1) 「ブラックリスト」状態

自己破産にかぎらず、借金問題について任意整理や個人再生などの債務整理手続をとったり、借金の返済を長期にわたって滞納したりした場合、信用情報機関というところに個人の情報が登録されてしまいます。

つまり、いわゆる「ブラックリスト」状態となり、数年間クレジットカードを作ることができなくなってしまうのです。

アパート契約を結ぶ際、借主の他に保証人や保証会社を設定することが通常だと思いますが、保証会社が信販会社であった場合、保証会社はクレジットカードを作る時と同じ基準で、アパートを貸して良いかの審査をします。

それゆえに、保証会社が信販会社の場合、「ブラックリスト」状態になっている人は賃貸契約が結べないケースが多いのです。

特に、信販系の賃貸保証会社と言われている系列では、必ず個人信用情報機関の情報を参照しているため、保証契約の審査に通りません。

したがって、オリエントコーポレーション、アプラス、ジャックスなどの信販会社が保証会社に設定されている賃貸マンションなどの場合には、借りられないケースがあるので注意が必要です。

【参考】ブラックリストとはそもそも何なのか?掲載されることの悪影響

(2) 自己破産から時間が経っている場合

自己破産から時間が経過している場合、例外的に審査に通るケースもあります。具体的には、自己破産から10年ほどすれば、審査に通る可能性が高くなります。

なぜなら、信用情報機関に登録されている情報が削除されるからです。

実際に削除されているのかは、信用情報の開示手続にて自分で確認することができるので、以下のページを参考に確認してみてください。

【参考】「信用情報」の基礎知識~自分の信用情報を調べる方法とその手順

3.敷金の扱い

自己破産手続上、敷金は資産として報告する必要があります。ですが、ほとんどの裁判所における運用において、敷金は「自由財産」扱いとなり、処分されることはありません。

ただし、個人事業をしていて、自宅以外に店舗や事務所を借りている場合、その物件の敷金は自宅の敷金とは扱いが異なり、場合によっては賃貸借契約が解除され、戻ってくる敷金が債権者へ配当されることになります。

4.家賃滞納した場合

自己破産するとアパートは借りれないって本当?賃貸の注意点

それでは、自己破産前に住んでいる賃貸マンションの家賃を滞納していたらどうなるのでしょうか?

(1) 退去の可能性

自己破産手続上、家賃の滞納分は借金として考えられます。借金として考えられるとどうなるかと言うと、大家さんを「債権者として報告」し、家賃の滞納分を「支払ってはいけない」ことになります。

これがどういう事態になるかお分かりでしょうか?

つまり、大家さんには「自己破産をするので、滞納している家賃を支払うことはできません」という内容の通知を送りますので、当然大家さんの方は、「支払ってくれないなら出て行け!」となります。よって、その家から引越しをしなければなりません。

(2) 滞納分支払いに注意

上で述べたケースの場合、「出て行くのが嫌だから家賃の滞納分を分割などで支払いたい」と希望される方がいらっしゃいます。

しかし、自己破産のルールには、「全ての借金を平等に扱う」というものがあり、家賃の滞納分も借金として考えられる以上、支払ってしまったらルール違反になります(これを「免責不許可事由」と言います)。

たとえ出て行くのが嫌だからと言って、家賃の滞納分だけを返済した場合、その行為を裁判所は大目に見てくれません。

一部の借金だけを返済したとみなされ(「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言います)、最悪の場合、借金の免除が認められない可能性もあります。

5.管財人弁護士による賃貸借契約の解除

あまり多くないケースですが、多額の借金をしている人が、家賃がとても高額な賃貸マンションに住んでいる場合、管財人弁護士がその賃貸借契約を解除し、他の物件へ引越すよう強く求めてくることがあります。

管財人弁護士とは?詳しくは「破産管財人とは?誰が選ばれ、どんな仕事をするのか?」へ。

6.自己破産者でも通りやすい賃貸保証会社

最後に、自己破産者でも審査に通りやすい(審査が緩い)賃貸保証会社について解説します。

(1) 民間系の賃貸保証会社

自己破産者でも審査に通りやすいのは、民間系の賃貸保証会社です。

民間系の保証会社とは、全国家賃保証業協会加盟系列(LICC)と賃貸保証機構加盟系列(LGO)の会社となります。民間系の保証会社は、信用情報機関に加盟していないので、あなたの自己破産情報について知ることはありません。

具体的には、日本セーフティー、全保連、賃貸保証サービス、アルファー、カーサ、フォーシーズ、リクルートなどがあります。これ以外にもあるため、物件探しの際に保証会社の名前を必ず聞いて、調べるようにしてください。

(2) 家賃の滞納には注意

もっとも、注意すべきこともあります。

それは、見出し4でも述べた家賃の滞納です。民間系保証会社同士のつながりで、家賃の滞納などについての情報は、共有されていることがあります。

そのため、現在住んでいるのが賃貸物件であるという場合は、滞納しないことが何よりも大切です。滞納がある場合は、できるかぎり支払いを済ませておきましょう。

仮に、どうしてもよい物件が見つからないという場合は、市営住宅や県営住宅という選択肢も検討しましょう。家賃も安く、自己破産者でも関係ありません。滞納さえしなければ、退去を求められることもありません。

7.まとめ

自己破産したあとは、生活にどのくらいの影響が出るのか不安になる方も多いでしょう。特に住む場所に関する問題は切実です。

しかし、ご説明したとおり、借りられる賃貸物件はあります。自己破産者だからと言って、全ての方が契約できないというわけではありません。

とにかく物件を探す際は、不動産会社に賃貸保証会社について詳しく確認することが大切です。

また、自己破産する人がアパートなどの賃貸に住んでいる場合は、家賃など公共料金を滞納しないようにすることも注意が必要です。

自己破産後、保証会社の審査に通らず、賃貸契約が結べずに「借りられない」なんてことにならないように気をつけなければなりません。

8.自己破産の相談は弁護士へ

今回ご説明しました「自己破産するとアパートは借りられない」のように、自己破産における誤解は非常に多いです。

泉総合法律事務所には、自己破産における借金問題の解決実績が豊富にあり、お客様1人ひとりが疑問に感じることを必ず解消できると自負しております。

相談は何回でも無料ですので、借金問題に苦しんでいらっしゃる方は、是非とも泉総合法律事務所までご相談ください。

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