自己破産後でもキャッシング(借入)ができる?そのリスクと注意点

自己破産

自己破産後でもキャッシング(借入)ができる?そのリスクと注意点

「自己破産してもキャッシング可能」や「ブラックでも審査に通るカード」などを売りにしたカード会社が、インターネット上で公告をしているのを見かけたことはありませんか?

これらは本当に問題ないのか、疑問に思う方もいらっしゃると思います。

今回は、自己破産後のキャッシング問題について解説します。

1. 自己破産後の借金

自己破産直後の者にお金を貸してはいけないという法律はない

自己破産以後はしばらく借金できない、というのは半ば常識となっていますが、それは貸金業界の中のルールであって、実は、自己破産直後の人にお金を貸してはいけないという法律は存在しないのです。

融資を行っている業者には、消費者金融を始めとする貸金業者と銀行があり、それぞれ以下の法律に基づいて融資を行うことになっています。

【貸金業法】
貸金業者からの借り入れに関する法律で、平成18年に改正されて以降、総量規制や上限金利の引き下げ等が定められました。
改正貸金業法では、業者に対して厳しい規制が設けられ、違法な取り立て等も禁じられ、多重債務にまつわる問題が改善されました。

【銀行法】
銀行に関する法律で、銀行の業務範囲、適切な運営、預金者保護などについて定めています。

この2つの法律のいずれについても、自己破産した者に融資してはいけないという決まりはないので、仮に融資をしたとしても法律違反には当たりません。

よって、自己破産者にお金を貸せるのか?と問われれば、答えはYESです。

しかし、ほとんどの業者は自己破産直後の人にはお金を貸してくれません。それは何故なのでしょうか?

2.自己破産後、一定期間借金ができない理由

自己破産をしても法律上は融資を禁じられている訳ではありませんが、自己破産後、一定期間借金ができない理由が存在します。

  • 自己破産した人にお金をかすのはリスクが高い
  • 自己破産から5~10年は信用情報機関に記録が残るので借入できない

貸金業者や銀行は3つある信用情報機関のうち、いずれかの団体に加盟をしており、自己破産を含む債務整理をすると金融事故情報が登録され、各団体で決められた年月は新たな借入ができません。

各信用情報機関で登録される期間は以下の通りです。

  • JICC(株式会社日本信用情報機構)…5年
  • CIC(株式会社シー・アイ・シー)…5年
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)…10年

JICC、CICは主にクレジットカード会社や消費者金融が加盟している団体で、KSCは全国の銀行が加盟している団体です。

法律では禁じられていないのに、業者が信用情報機関に加盟して、事故情報のある人に一定期間貸付しないことにしているのは、債務整理した人にお金を貸すのは、そもそもリスクが高いからです。

特に自己破産は借金を全額免除する制度なので、債務者にとってみればありがたい制度なのですが、業者にしてみれば借金を踏み倒したことのある要注意人物ということになります。

一度自己破産をした人はまた同じことを繰り返す可能性もあり、通常の金融業者は踏み倒しのリスクを負いたくないので、ブラック期間中は一律で貸さないようにしているのです。

3.自己破産後に利用可能な金融業者とは

自己破産後をすると通常は新たな借入はできませんが、自己破産後でも利用できる金融機関は存在します。

しかし、中には非常にリスクの高い業者も存在するので、利用の際には十分注意しなければなりません。

(1) 規模の小さい消費者金融

自己破産後は大手の貸金業者は利用できませんが、規模の小さい消費者金融であれば利用できる可能性もあります。その理由は以下の通りです。

①独自の審査基準があり、信用情報にとらわれない

規模の小さい消費者金融は利用者が少ないので、大手並みの審査基準を設けると顧客を確保することが難しいのが現実です。

そのため、独自の審査基準を設け、その基準に達していれば、仮にブラックリストに載っていても審査に通ることがあります。

実際に、中小の業者は、銀行カードローンや大手の消費者金融の審査に落ちた人が最後の砦として利用するような存在で、属性がよければ債務整理後に審査にパスすることもあるのです。

②仕事があれば返済能力ありと考えている

規模の小さい消費者金融では、自己破産をした人でも仕事があれば借金を返済することは可能であると考え、返済能力に問題がなければ信用情報に関わりなく貸してくれる可能性があります。

③自己破産直後であれば、他の債務を気にせずにすむ

自己破産の最大のメリットは借金が全て免責される点で、自己破産直後であれば他の債務は全くない状態になります。

自己破産をした人に貸すと「同じことを繰り返すのでは?」という不安もありますが、仕事に就いていて他に借金がないのであれば、実は貸倒れの心配が少ない状態とも言えます。

よって、信用情報に難ありでも、実質的なリスクは少ないと判断されれば、柔軟な対応をしてもらえる可能性は高いのです。

④利息は高めなので要注意

中小の消費者金融は大手の業者に比べると利息は高めです。もちろん、高いと言っても法定利息の上限を超えた利息をとることはありません。

貸金業者が違法な利息をとると、行政処分の対象となり、金利が出資法の上限を超えると刑事罰の対象となるので、利息は最大でも20%以下です。

しかし、中小の業者の場合は上限金利一杯の設定にしていることが多く、利息の面でお得とは言い難い点はデメリットです。

(2) 闇金などの悪徳金融業者

闇金に手をだすのは絶対にNG

自己破産をしても借入できる業者の中には、闇金などの悪徳金融業者も存在します。

闇金業者はテレビCMやネットで大々的に宣伝してはいませんが、「審査不要・ブラックOK」「破産者に対しても融資可能」といったキャッチコピーで、雑誌・ティッシュ広告などを用いて利用者を集めます。

また、最近では「ソフト闇金」なる業者も登場し、こちらはネットで大々的に宣伝しています。ソフトといっても闇金であることには変わりなく、従来型の闇金に比べて宣伝手法も洗練されているので、つい手が出やすい点も要注意です。

悪徳業者の特徴は、貸付のハードルを限りなく低くして、他所の業者で借りられない人にも積極的に融資する点です。

しかし、取り立ては非常に強気で、法律で禁じている脅しやいやがらせを伴った督促が行われています。

正規の業者は督促の方法について貸金業法で細かく厳しく規制されているので、一昔前のような脅迫的な取り立てを受けることはありません。しかし、闇金はそうした規制も効果がないのです。

督促方法だけを見ても、闇金の利用は大きなリスクを伴うので、自己破産後にお金を貸してくれると言われても絶対に関わらないようにして下さい。

しかし、闇金もパッと見は普通の業者のように装うので、最初の段階で悪徳業者と分からないこともあるでしょう。

闇金であるか否かはどのように見分ければよいのでしょうか?

(3) 違法業者の見分け方

①法定外の金利のケースが多い

悪徳金融業者の特徴は利息が法外に高い点です。トイチと呼ばれる10日で1割の利息をとることは有名で、中には10で3割(トサン)、10日で5割(トゴ)という利率も存在します。

正規の業者から10万円を借りた場合の法定利息は最大でも20%なので、1年後に返済しなければならないのは最高でも12万円です。

しかし、トイチで10万円を借りた場合、10日ごとに10%の利息が加算されるので、1年で3,142%の利息がつき、1年間後に返済しなければならない額は324.2万円です。

この差を見るだけでも、悪徳業者が如何に高額な利息をとっているかがお分かり頂けると思います。

よって、金利が法定利息を超えている場合は、正規の業者ではないと見て間違いないでしょう。

②都道府県に貸金業者として登録していない

闇金は都道府県に貸金業者として登録をしていません。貸金業者として登録済みの業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で調べることができます。

また、闇金を含む悪徳業者については財務局や金融庁のHPに記載されているので、疑わしいかな?と思ったら確認することをおすすめします。

③連絡先が固定電話でなく携帯電話になっている

闇金の特徴は連絡先が携帯電話になっている点です。

正規の業者は固定電話を設置することが義務付けられていますが、闇金のような違法な業者は身元がバレないように、固定電話、事務所を持つことなく営業をしています。特に携帯電話で営業をする違法業者を、090金融などと呼ぶこともあります。

よって、連絡先が携帯番号になっていたら、まず闇金と思って間違いないでしょう。

気を付けて欲しいのは、「090-1○○○-××××」という携帯番号のナンバーを、固定電話風に「0901-○○-××××」と表記するパターンです。日本国内でも九州、沖縄の市外局番は091~099から始まるので、表記方法によっては九州、沖縄の業者と勘違いしてしまう可能性があります。

闇金業者はあの手この手で近寄ってくるので、くれぐれも気を付けて下さい。

④審査不要・ブラックOKなどと広告などに記載

審査不要ブラックでもOKというキャッチコピーで募集している業者はほぼ闇金業者です。

普通に考えて、きちんとお金が返ってくるかどうかも分からない相手に対し、審査もせずに積極的にお金を貸したい人はいません。その条件でも貸しますというのは、法外な金利など必ず裏があります。

もし、これから借り入れをしようとする業者に上記の特徴があり、ひょっとして闇金かな?と思ったら、絶対に関わらないようにして下さい。

闇金について詳しく知りたい方は「闇金でお金を借りてしまった…。今すぐ弁護士にご相談ください。」「ソフト闇金とは?その実態とリスクについて解説」「違法な闇金業者の実態と被害対策。090金融とは?」などのコラムがオススメです。

4.事故情報が消えても借りられない場合

自己破産から5~10年経過すると事故情報が消えますが、その後も必ず借りられるという保証はありません。その理由を解説します。

(1) 社内ブラック

信用情報機関のブラックリストを脱出した場合でも、社内ブラック扱いで融資を受けられないことはあります。

自己破産時に免責決定されたときの債権者が金融業者の場合は、その社内には借金を踏み倒した者として永久に社内データが残ります。これを社内ブラックといい、信用情報機関の事故情報が消えた後でもデータが消えることはありません。

社内ブラックに登録されると、以後その会社から融資を一切受けられません。ブラックの喪が明けてお金を借りるときは、自己破産時の債権者以外の会社からの借入を検討しましょう。

(2) ブラック後のスーパーホワイトにも要注意

自己破産後はブラックリストに載るので、その間は融資を受けることはできませんが、5年~10年の後に晴れてブラックリストの登録が消えても、審査に落ちることがあります。

その理由はブラックが終わると、信用情報機関の履歴がリセットされ、利用履歴が一切なくなるからです。事故情報をブラックリストと言うのに対し、クレジットの履歴が全くない人は「スーパーホワイト」と呼ばれます。

信用情報機関に履歴がないのは「現金主義でカードを持っていない人」か「過去に金融事故を起こしブラックリストの喪が明けた人」のいずれかなので、実はいずれも審査では不利に働きます。

特に後者だと思われた場合、いきなりカードやローンの申し込みをしても通る可能性は低いでしょう。

10代、20代であれば、クレジットカードを持つのが初めての人が多いので、それほど不審に思われることもありませんが、30代以上になればブラック明けの人と思われる可能性は高いです。

そのため、スーパーホワイトの人が借り入れをするには、ブラックの喪が明けたら手始めに携帯電話の分割契約に申し込むことをおすすめします。携帯の分割払いでもクレジットヒストリーを作ることは可能で、しかも審査に通りやすい点がメリットです。

携帯電話の審査にも落ちる場合はカードの申し込みをしてもまず審査に通らないので、カード申し込みの予行演習として試す意味でもおすすめです。

最低でも半年ほど支払いをすればスーパーホワイトの状態からは抜け出せるので、信用を作った段階で、自己破産で借金整理をした業者を除いて、クレジットカードやローンの申し込みをしてみましょう。

5.闇金・二度目の債務整理のお悩みは泉総合法律事務所へ

自己破産をした人が借入をする場合、今本当にお金が必要なのかをもう一度考えてみましょう。もし、借入をするなら、絶対に今度は滞納しないという決意が必要です。

もし闇金に関わってしまったり、再度の借入をしなければならないほど生活が困窮したりしている場合、お早めに泉総合法律事務所までご相談ください。

泉総合法律事務所には、闇金でお金を借りてしまった方や、二度目の自己破産を検討したいという方も多数ご相談にいらっしゃいます。債務整理に関する様々なお悩みに、専門家が親身になって対応させて頂きます。

債務整理のご相談は何度でも無料となっておりますので、借金のお悩みはどうぞ安心してご相談・ご依頼ください。

債務整理コラム一覧に戻る