自己破産後の借金やキャッシングは可能?
リストラ、家族の病気などで、自己破産後に生活が苦しくなってしまうことはよくあります。
自己破産前なら、キャッシングなどを利用して凌ぐことができたでしょう。
しかし、自己破産後は「ブラックリスト」状態により、キャッシングや借金ができなくなってしまいます。
このような場合、生活が困窮するとどうすれば良いか分からないでしょう。
今回は、自己破産後の借入れやキャッシングについて解説します。
1.自己破産後の借入ができない理由
自己破産を経験した方なら、手続き後は借入やクレジットカードが利用できなくなるのはご存知でしょう。
しかし、なぜ利用できなくなるのかを詳しく知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
自己破産をすると、信用情報機関に「事故情報」としてその情報が掲載されます。
金融機関や審判会社は、借入やキャッシング、クレジットカードの利用申し込みに対し審査を行いますが、この時の主な審査内容は経済的信用があるかどうかです。
信用情報機関は、これまでの借入等の履歴に問題がないかどうかを確認するための個人データを金融機関等に提供しています。
信用情報機関のデータ内容に、自己破産を含む債務整理の情報である事故情報が記載されていると、金融機関等は審査に落としてしまうのが通常です。
これがいわゆる「ブラックリストに載る」ということです。
これにより、ブラックリストに載ってしまうと、借金やキャッシング、クレジットカードの利用は不可となってしまいます。

[参考記事]
信用情報機関の違い(CIC・JICC・KSC)|ブラックリストとは?
2.自己破産後にお金が必要な場合の対処法
自己破産から一定期間(5~10年ほど)経過すれば、ブラックリストからは削除されるため、キャッシングやローン、クレジットカードも利用可能となる可能性が高いです。
(信用情報だけが審査の参考ではないため、削除後も審査に落ちてしまう可能性は当然ながらあります。)
しかし、それよりも前にどうしてもお金が必要な場合には、以下の方法をご検討ください。
(1) 生活福祉資金貸付
生活福祉資金貸付は、低所得者、障害者、高齢者世帯に対し生活費や福祉資金、教育費などの支援を行なっています。
国が行っている貸付制度であり、信用情報などの参照もありません。
連帯保証人がいれば利息もつかないので、急なリストラや病気などで収入が激減してしまった方に向いています。
すぐに支援が必要な方は、お住まいの地域にある社会福祉協議会に連絡してみましょう。生活の立て直しも含めて相談に乗ってもらえます。
もっとも、生活福祉資金貸付だけでは生活が難しいケースもあるでしょう。
この場合に取れる選択肢としては以下の通りです。
(2) 家族からお金を借りる
一番現実的なのは、家族から借金をすることです。
しかし、家族からとは言え返済できない金額を一気に借りると問題が起きやすいので、あくまでも小額の借入れに止めるべきです。
借金で関係に亀裂が入ってしまうこともありますので、丁寧かつ慎重にお願いしましょう。
(3) 金融機関から小口の融資を受ける
家族に頼るのが難しい場合は、金融機関から小額の融資を受ける方法もあります。
しかし、基本的には大手の銀行には断られてしまうと考えてください。ブラックリストに載っている人に貸付け行う銀行はほぼありません。
小額の融資を申し込む場合でも、「闇金」から借りてしまうとほぼ確実に大変なトラブルに巻き込まれてしまいます。
「ブラックOK」など、わかりやすい文言が並んでいる消費者金融は闇金の可能性が高いので、避けるようにしてください。
参考:闇金被害は弁護士依頼で解決できます!
3.2回目の自己破産と注意点
一度自己破産をした後に生活が苦しくなり、既に借りてしまって、2回目の自己破産を検討している人もいらっしゃるでしょう。
「自己破産は人生で1度だけしかできない」と考えている方は多いですが、実際には2回目も可能です。
自己破産の回数制限は法律上ありませんので、理論的には何度でも自己破産はできるということになるでしょう。
ただし、2回目以降の自己破産は1回目の自己破産よりも条件が厳しくなりますし、免責が認められない可能性も高いです。そもそも、前回の破産等法的整理から7年以内の破産は、免責不許可事由ですし、まず免責されないと思って下さい。
詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]
2回目の自己破産は可能?難しい?何回まですることができるのか?
4.自己破産は弁護士に相談を
自己破産後は借入やキャッシングは原則としてできなくなってしまいます。よって、自己破産前の生活を見直して、借金に頼らない生活をより意識する必要があります。
突然の不幸でどうしてもお金が必要な場合は、公的支援を最初に考えてください。
また、ブラックリスト抹消後に再度多額の負債を抱えてしまった場合は、弁護士に債務整理を相談してください。
確かに2回目の自己破産は難しいですが、借金が返済できない場合には早めに対処しなければいけません。
適切な対応をするためにも、返済が苦しくなったらお早めに法律事務所にご相談ください。