法人破産 [公開日]2020年6月1日[更新日]2020年6月1日

合同会社の破産手続き

合同会社は株式会社と違って、取締役や株主総会が不要で、利益の分配率を任意に決定できるなど、自由度の高さが魅力の法人です。
株式会社と比べて安い費用で設立できることもメリットでしょう。

一方で、社会的な認知度や信用度はまだ株式会社ほど高くないのが現状です。
株式会社のように上場できないなどが、合同会社への認知度が広まりにくい原因かもしれません。

そのせいか、合同会社は融資を受けられる機会が若干少ないようで、資金繰りに困ることもあるそうです。

本記事では、経営が苦しい合同会社の経営者の皆様に向けて、倒産に関する事柄を紹介していきます。

1.合同会社の経営が厳しい場合にとれる倒産方法

合同会社ができる法的倒産は「法人破産」か「民事再生」です。

法的な倒産の種類には他に「特別清算」と「会社更生」がありますが、これらは株式会社でないと利用できません。

では、法人破産と民事再生とはどのようなものなのでしょうか?

(1) 法人破産

最も多く行われている種類の法的7倒産です。

裁判所に申立てを行い、会社の法人格と債務を消滅させる手続です。
会社の財産は全て換金されて、債権者への弁済に使われます。

会社を清算してしまうので、清算型の倒産と言われます。

ただし、代表社員(株式会社の代表取締役に相当)が会社の保証などをしている場合、滞納した税金などは消滅せず、代表社員に支払義務が生じます。

[参考記事]

会社・法人破産を弁護士に依頼するメリットと弁護士費用相場

(2) 民事再生

こちらも裁判所に申立てをしますが、目的は債務の減額です。
法人破産と違って会社が消滅しないため、事業は継続できます。

このことから再建型の倒産と言われます。

ただし民事再生をするためには、減額した債務を問題なく返済できることを裁判所に認めてもらわなければなりません。

また、手続中に何度か債権者の同意が必要となるため、これをクリアする必要があります。

さらに、担保のある債務は減額されないので、整理可能な債務が限定されているのも難点です。

2.合同会社の破産の流れ

経営の再建が難しく、清算型の法人破産を選択することになったとします。

合同会社が法人破産する場合、株式会社や有限会社と似たような手続で行われます。
一つずつ確認していきましょう。

(1) 弁護士への相談と法人破産の準備

自己破産には簡易な「同時廃止」と、本来の手続である「管財事件」がありますが、法人破産は必ず「管財事件」で行われます。

法人破産をすると法人の財産は処分されてお金に換えられ、債権者への弁済に使われますが、この手続をするのは裁判所が選任する「破産管財人」という人です。

勝手に財産を処分すると後で問題となるので、法人破産を検討する場合はまず弁護士に相談してください。

本当に法人破産をするべきなのか、そして法人破産をどのように進めればいいのか教えてくれます。

裁判所へ申立てをするための準備もしてくれるので、弁護士への相談は必須です。

(2) 裁判所に申立て

弁護士に必要な書類や資料を用意してもらったら、裁判所に法人破産の申立てを行います。

代表社員が裁判所へ行く必要はなく、弁護士が代わりに行ってくれるので安心してください。

(3) 破産審尋

申立て後、裁判官と破産申立人で「破産審尋」という面談を行います。
ここには代表社員が必ず出席しなければなりません。

なお、申立人の弁護士・裁判官・破産管財人になる予定の弁護士で面談を行う裁判所もあります。

破産審尋がどのように行われるのか、その地域の弁護士に前もって聞いておくといいでしょう。

(4) 破産手続開始決定

申立て時の書類や資料、破産審尋の内容などから、裁判官が破産手続を開始するかを決定します。
ちなみに破産手続開始決定は合同会社の解散事由の1つです。

(5) 破産管財人の選任と換価処分の開始

破産手続開始決定と同時に、破産管財人が正式に選任されます。

破産管財人の役割は破産手続の実行で、以下のようなことを行います。

  • 会社の財産や負債の調査
  • 会社の財産を売却(換価処分)
  • 換価処分で得たお金を債権者へ分配(配当)

破産申立人は管財人に協力する義務があるため、管財人に会社の帳簿を含めた財産、負債、その他資料などを全て開示する必要があります。

管財人と面談が行われることもあるので、素直に応じてください。

郵便物も調査の対象であり、会社宛の郵便物は全て管財人の事務所に届くように変更されます。定期的に回収に行ってください。

もし隠している財産や債権者が存在しても、この段階でバレてしまいます。

(6) 債権者集会

管財人の調査や換価処分が進むと、裁判所で「債権者集会」が行われます。

債権者集会では、管財人が調査や換価処分の進捗を説明します。
債権者が参加することは少なく、裁判官・管財人・破産申立人・破産申立人の弁護士しかいないことが大半です。

破産手続が始まると債権者は債権の回収を諦めてしまうことが多く、債権者集会に来ても仕方がないと考えるからです。

債権者集会は大抵10分程度で終わり、紛糾することもまずありません。
債権者集会は複数回行われることがあります。

(7) 配当

換価処分によって得られた現金を、管財人が各債権者に配当します。

(8) 破産手続の廃止と法人の消滅

配当が終わると破産手続が廃止(終了)されます。

3.合同会社の破産費用

法人破産には、当然ですが費用がかかります。お金に困っている人にとっては気になる部分でしょう。

裁判所によって費用が異なりますが、以下に東京地裁の例を記載します。

(1) 一般的な金額

  • 申立手数料:1000円
  • 官報公告費:14786円
  • 予納郵券:3490円+α
  • 管財手続費用:20万円~

予納郵券とは連絡に使う切手の代金です。債権者の数で変動します。

管財手続費用とは管財人の人件費です。最低20万円ですが、債権者が多いなど複雑な事件な場合は増額されることがあります。

(2) 特定管財の管財手続費用

債権者が多い事件や負債総額が高額な事件などは「特定管財」という扱いになります。

特定管財では管財人の負担が増えるため、管財手続費用が以下のように高額になります。

負債総額 管財手続費用
5000万未満 70万円
5000万以上1億円未満 100万円
1億円以上5億円未満 200万円
5億円以上10億円未満 300万円
10億円以上50億円未満 400万円
50億円以上100億円未満 500万円

(100億円以上の場合については割愛します)

(3) 弁護士費用

50万円以上が相場です。

案件の難易度によって異なるため、詳細は弁護士に確認してください。

なお、当事務所の会社破産(法人破産)の弁護士費用は以下の通りです。

  • 休眠会社(資産なし):35~50万円(別途手数料3万円)
  • 営業中(資産あり):50万円~(別途手数料3万円)
  • 大規模企業:規模によって異なるので応相談。(別途手数料3万円)

なお、会社破産するお金がないという場合でも、費用を捻出できる可能性はあります。

詳しくは以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

会社破産するお金がない・予納金が払えない場合

4.合同会社の破産も弁護士へ相談を

合同会社には株式会社と違うところも多いですが、破産手続に関してはそれほど大きな違いはありません。

まずは弁護士に相談して、何をするべきかを確認してください。
相談が早ければ再建が可能な状態だと判明することもあるでしょう。

残念ながら破産しか道がない場合でも、弁護士はご依頼者様のその後の生活への影響を最小限に抑えられるように手を尽くします。

合同会社の経営が苦しくなったら、お早めに泉総合法律事務所の弁護士までご相談ください。

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